245日目 容体の急変
ハルトと魔王はひとまず2人には分かりやすく伝えようと。
2人をハルトの部屋に呼び、昨日から傷の痛みが治まらない事を2人に説明し。
状況の納得をしてもらうと・・・メルトはどうして昨日に言わなかったのかと怒鳴りだし。
いつにもなく真剣な表情でハルトに語っていた。
「そりゃお前・・・あんだけ酒を飲んでたら絶対に茶化すだろ・・・・
それに俺も酒場から出るまではこうなるとは思ってもいなかったからな。
朝になれば痛みは出るわで最悪の一言だ。」
「本当に最悪ですよ。
そう言う事ならしっかりと言ってくれれば私は信じてましたよ?
本当に長い間一緒に過ごしたのですから私はハルトが真剣に言っていることに対してはふざけたりしません。
―――――――メルトとは違いますので!!!」
「ちょっと!?ナニ私だけ悪者にしようとしてんのよ!!!ずっこいわよ!!!
私だって・・・・ハルトが痛い痛いって言うのならちゃんと聞いてた・・・と思うし・・・・こうやって放置される方がムカつくって言う事よ!!!
自分で解決できない事は仲間で話し合う・・・それが私たちの取り決めでしょうが!!
だったらハルトも無理に我慢しないで・・・私たちを頼りなさいよね!!」
「フフ、本当にこのPTは駄目なように見えて意外と仲間思いでしっかりとしているな。
よし、それじゃ・・・ハルトがまた治癒するまで私たちが料理をこしらえてやるとするか!!!」
魔王の言葉にハルトは速攻で拒否をしたのだがキルりんの手で口を塞がれて意識を飛ばされ。
再び気が付くと・・・魔王たちがエプロン姿で前に立っており。
何やらまずい状況だと理解するまで時間はかからなかった。
「えぇっと・・・マジで作ったとか言わないよな??失敗しちゃった・・・てへぺろりん・・・とかだろ??マジでそっちで願いたいんだが。
そのキルりんとメルトの後ろに見えるワゴンがすごい怖い・・・止めて!!まだ死にたくない!!!料理で殺すのなら旨いもので頼む!!」
「本当にハルトってばわかってないわねぇ~私たちが日々どれだけ腕を磨いているのかも知らないで・・・・本当に可哀想で涙が出ちゃいそうよ。」
「本当に失礼極まりないです。
それに嫌だ嫌だとごねていないで私たちの合作である料理を見て食べるといいです!!!
栄養満点、滋養強壮・・・元気はつらつ・・・腰痛肩こりにいい材料をふんだんに使った特性のスープですよ!!!」
「さぁ・・・遠慮せずにどんどん食べてくれ。
おかわりもたくさん用意しているからな。」
そう言ってハルトの前に銀のフタがされた皿が置かれ、魔王がそのフタを開けると・・・・
「うッ・・・・何だこの匂い・・・ニンニクか??
それにこの赤い色のスープって辛くないのか??このカラーは激辛を意味しているんじゃないのか??」
「ん~激辛というよりもとある害獣の血液を少々加えた所・・・予想以上に赤くなった程度ですので気になさらず。
匂いはハルトの言葉通りニンニクを入れてあります。
味見してみたのですが・・・そうですね・・・体と心と脳がとにかくバーニングでホットになる味です。」
「脳はどうか知んないけど・・・わがまま言わずに食べななさいよ。
それとも食べさせてもらわないと食べれないって?」
「そうか!!!だったら私が食べさせてやろう!!!
さぁ~遠慮せずに一思いにパクッと行くんだ!!さぁ!!騙されたと思って!!
―――――――――――味は保証するぞ!!!」
魔王がスープをすくってハルトの口に運ぶと、キルりんとメルトはハルトの手と顔を固定して口を開いて固定し。
魔王はハルトの口に赤い液体を流し込んだ・・・・・
「ぶぐはッ!?なんじゃこの味・・・・今まで生きてきた中でも体験した事のないヤバイ味だ・・・・それに体が妙に熱いんだが。」
「おかしいですね・・・薬品は適量にしたはずですが・・・・まさかメルト・・・あの後に何か付け加えたりしていませんか??
最後に火の当番をしていたのはメルトですよね??」
「え?なんかものたんないと思ったから適当に色味とか風味を上げようとプラスしたけど問題ないと思うわよ?
私もひと口味見したけど特別何ともなかったし。」
「だが・・・ハルトに対して異常なくらい効果が出ているのだが・・・・
ハルト?気持ち悪かったり異常のある個所はないか??
料理はこっちの不際でただの薬品汁になってしまっているがメルトが呑めたことによってギリギリスープ扱いだが・・・どうなのだ??」
魔王の言葉を聞いていたはずのハルトだったが、いつの間にか気を失ってベッドに倒れ・・・・そのまま体がフワフワと浮くようであった。
「で、どうしますか??完全にハルトが薬で伸びちゃいましたが・・・・」
「わ、私は悪くないもん!!!だけどこうなったら任せてよ!!!
私の魔法でハルトの体に溜まった毒素を取り除くって言うのはどう??
こういう実験みたいなのはミスしないわよ??」
「それは止めておこう・・・無理に何でも魔法で解決するのは得策じゃない。
今はハルトが目覚めるまでそっとしておこう。
私たちはそうだな・・・少し外に出て今日の分の依頼でもしてこよう。」
そう言ってハルトを置いて3人は依頼へ出かけていき。
残されたハルトはその間も意識が飛んでおり・・・意識を取り戻して気が付いたころには外の日差しが赤くなっていた。
「がはっがはッ・・・・クソ・・・あんな劇毒飲ませんなよな・・・・
こっちはメルトみたいに胃が丈夫ってわけでもない・・・ん?何だコレ?」
ハルトは気が付くと棚に数個の物体が皿に乗っかっており、その中身を空けて見ると・・・・
「ん~どうやらコレはおにぎりのようだが・・・・中身は大丈夫なのか??
魔法とか呪いとかかかってないかスゲェ心配だ・・・・」
「ハルトよ、そのおにぎりは魔王が作っていたものだ。
ここを去る際に作っておいていったものだろう・・・・
あと魔力や呪いのチェックをしたところそう言ったモノはかかっていないから安心して食べていい。
―――――――――それではな・・・・」
バロンが気になっていたことについて説明して再び溶けるように消えると。
ハルトは手に持ったおにぎりに噛り付いてみると先ほどのスープとの差がありすぎたのか泣く程美味しく感じ、皿にあったおにぎりを全部食べてしまっていた。
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