241日目 不思議な眠りのハルト


 街を走って信用できるせっちゃんかジャージーを探していると・・・

すれ違う冒険仲間やハンターたちから久しぶりだと言う言葉や体はもういいのかという言葉を聞くと。

ハルトは本当に3日もの間眠りこけていたのかと想像しながら走ってジャージーのいるであろう教会にやって来た。



「た、たのも~~~!!!

すまないがジャージー至急出て来てくれないか??

俺は本当に眠り続けていたのかどうか知りたいんだが・・・・」

「ハルトさん???もうお体の方は大丈夫なので??

本当に心配したよ・・・ハルトさんが目覚めないって来てから私たち全員で色々な方法を試して目覚めなかったから・・・

でもこうやってまた話ができて嬉しいよ。」

ジャージーは真剣な顔をしながらハルトの手を振って語ると。

ハルトは嘘をつくことのないジャージーの言葉を信じることにして家に戻り、どうしてこんなことになったのか・・・そして、今後こう言った事が起こらないのかと言う事を考えることとなった。



「私たちの方からは異常があったのもわからないし・・・メルトが怪しい呪文をかけたわけでもないしキルりんが新しい毒物の試験をハルトに行ったわけでもないから本当にどうして3日間も眠り続けていたのか不明なのだ。

ハルトは自分自身の体についてなんか思い当たる節はないのか??」

「いや、特に・・・・ん?そう言えばバロンに何か不思議な呪文をかけられたような気がするが・・・それは関係なかったのか??」

「私と魔王がハルトの体を調べたんだけど・・・魔術痕にそう言った呪いの効果も深い眠りに至らしめる効果のある魔法の跡がなかったわ。

ん~~コレが特殊な魔法なら相当キケンな物よ。

何せ足跡の残らない魔法とか何でもやりたい放題になっちゃうわ。

私だったら好き放題にするけど・・・そうなってないって言う事は人間や魔人系統がかけたモノじゃないって言う事だけは確かね。

だからハルトが眠っていた理由はそう言った呪いのような魔法じゃなくてまた別の何か・・・・そうね・・・・疲労とか精神的に動きたくなかったとか・・・そんな所かしら?

まぁ本来のハルトのダメっぷりが爆発したと考える方が正しいかもしんないけど。」

「ざっくりと言い過ぎです。

ですがハルトが自分自身の体に対してわからないと言うのなら私たちは手の出しようがありませんよ。

食べたモノなら吐き出させればいいだけですが・・・こうなる前には寝ていたこととバロンに魔法をかけられたと言う事しかなく。

つまりハルトがわからないのであればバロンに聞くしか道が残されてないと言う事ですかね・・・」

キルりんの言葉にメルトたちがコクリと頷くと。

ハルトはバロンに呼び掛けて呼び出すと。

どうして3日もの間も眠っていたのかと問うと、バロンは少し気合を入れすぎたのか完全回復させる魔法をかけたと言い出し。

その魔法の効果によって完全回復するまではどんなことがあってもが解けることがないと告げるとハルトはメルトたちに犯人はバロンのかけた治癒魔法の副作用だと説明すると。

3人は呆れてモノも言えないと言った様子であったが・・・呪いの類ではないことが判明した所でメルトたちはお腹が空いたと言って酒場へと向かった。



「あれ??ハルトじゃねぇか??

3日もお前どうしてたんだ??まさか家で引篭もってたのか??」

「そんなんじゃねぇよ・・・治癒魔法の副作用で眠り続けてただけだ。」

「それって本当に治癒魔法なのか??

私たち魔法使いでもそんな危険な魔法は聞いたこともないんだけど・・・」

「それは私も同意見なんだけど。

かけた相手があの光の玉のバロンだから私の知らない魔法を使えても全然不思議じゃないのだけれど・・・なんだか知らないモノを知っているって聞いただけでモヤモヤするんだけどこの気持ちはハルトに魔法をブッパして解消してもいいのかしら??」

「それは街の外でやってください。

ここを出禁になると私たちのお食事処が無くなってしまいます。

したければ自己責任でお願いします。」

「それに病み上がりのハルトに対してあまり負荷をかけるんじゃないぞ?

これ以上ハルトがミイラのように寝たきりになられても困るからな。

あと、今日の依頼はどうする??それともまだやれそうにないか?」

魔王は久々の優しをさ見せるが、その行動に対してメルトはいつも通りで。

ハルトの体調を構うことなく依頼に行くと言い出して聞かず。

ハルト自身は3日もの間何もできずに眠ったままのことを詫びるように今回はメルトのワガママを通すことにして朝食を食べながらなんの依頼を受ける気なのかと問うたのだが・・・・・



「そうね・・・3日分の遅れを取り戻せるくらいの依頼がいいわね。

例えば・・・・フレイムマンの消火とか?」

「まだメルトはあの依頼を受けたいと言うのですか??

あんな害獣は相手にしない方がいいです。

報酬が良い分だけハードすぎですし・・・今回は病み上がりのハルトもいるのですよ??」

「で、お前らの言ってるってどんなヤツなんだ?

依頼の内容とか話してくれれば知恵は出せそうだが。」

「そうか?だったら私から説明しよう。

まずフレイムマンなのだが・・・元々火山の中で生活する害獣で人に危害を加えることはないのだが。

時々なのだが火山の噴火に乗って飛んでくるフレイムマンがいてな・・・そのフレイムマンは半径数メートル以内の物をすぐに発火させてしまうほどに熱くて山火事になりやすこともあって依頼はフレイムマンの消火というわけだが・・・・

並みの水の量では足りなくてを使って私とメルトの魔法でなければどうしようもないほどでな・・・・・・

つまりハルトには囮役をしてもらいたいのだ。」

魔王の説明を全て頭の中に叩き込んで整理したハルトは食事を終えると同時に答えを笑顔を浮かべつつ言い放った。



「他を当たってくれ。

言っておくが俺は病み上がりで体が完全回復したばかりなんだぞ??

そんな綺麗な俺をまたボロボロの雑巾のように扱う気か??

それにだ・・・・何で毎回囮を必要とする作戦しか考案できないんだよ!?」

「いや・・・何せ不死者のハルトがいるのだから使わない手はないとメルトが言ってたのだ。

私は反対したのだぞ?いくらハルトでもコレは無茶だと。」

「そうですよ・・・こんなひょろい体のハルトが囮なんてしたら間違いなく完全燃焼しちゃいますよ??

そうなったら不死者のハルトでも回復できるかわかりませんし・・・・」

「大丈夫よ!!!ハルトはこう見えて何とかすると気はする男なのよ!!!

それに私たちの為に蒸発するのなら本望でしょ!!!ね、ハルト!!!」

メルトの清々しいまでのグーサインを振り切って、ハルトはメルトの頭にグリグリを捻じ込むと。

ハルトはそれ以外の依頼はないのかと問うと・・・・・・



「実はですね・・・メルトが依頼を受けたのはいいのですが途中離脱できない依頼でして・・・・

つまり、クリアするか誰かがクリアをするのを待つしかないと言うわけです・・・はい。」

「でへへ・・・ついうっかり最後まで読まずに受けちゃったのよね~

あとあとぉ~離脱はできないけど参加はできるからハルトさんが手伝ってくれるのならクリアが目の前って言うか?クリアしてるって言うか??」

「あぁ~あ・・・目覚めなかったらよかったのに・・・・・」

ハルトはメルトに気かされた依頼の内容と自分たちの置かれた状況から3日間の眠りではなく永遠に眠り続ける方が良かったと口に出すと。

魔王はハルトの肩を優しく触れ、ハルトにしか頼めないと良い顔で問うてきており。

メルトとキルりんもお願いと言わんばかりに冷や汗をかきながらこちらを見ていた。

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