174日目 炊き出し大会の裏作業

2人はあれから着替えなおし、無事に魔王は服を着替えて出て来たのだが。

キルりんの服は魔王が無理に来たために・・・胸のあたりやキルりんよりも出ている箇所がぶかぶかになっており。

長くなった部分を折り曲げて出てくると・・・ハルトたちはキルりんの格好を見て笑いを堪えていると―――――――――


「何がそんなにおかしいのですかハルト??

私の服装に何かな所があると言うのであれば教えていただきたいところなのですが・・・ドコか変でしょうか?ん?」

「おい、お前・・・そんな格好でナイフをチラつかせるとか教会のイメージが悪くなるだろうが!!!

それに俺以外にもメルトも笑ってただろ!!!」

「ちょっと!?人を巻き込まないでよね!!!

そりゃ、そのぶかぶかな格好を見て笑ったのは事実よ?

でもね・・・それはバカにしてたわけじゃないのよ?

ただ・・・これだけ差があるのかって考えてたら・・・プククク・・・・」

「おいおい、2人とも・・・教会内で暴れるのはマナー違反だ。

すまないジャージー・・・時間がないと思うからこのままの流れで要件を話してもらえないか?」

「構いませんよ、賑やかで楽しそうですから。

それに・・・第1回炊き出し大会はすごく白熱するイベントになると思うので体力は残しておいた方がいいかもしれませんよ?」

ジャージーの笑みにハルトたちはただ事じゃないと感じ取り、騒ぐのを止めて本題をしっかりと聞く態勢に入ると、ジャージーは大会の内容を話し始めた。


「ルールは簡単・・・炊き出しに参加している店にある支給されたお皿の残りが少ないお店が勝者なの。

で、その枚数は1000皿あって私たち教会の炊き出しはヒーヒーライスだから。

お米と他の材料が切れたらハルトさんたちに調達しつつ調理補助をしてもらう事になるのだけれど大丈夫かな?

でもでもわからない事があれば丁寧に何でも教えるから些細な事でも聞いてね。」

「何でもって言いましたよね?

ならば聞いてみましょう・・・ジャージーの発育はどのくらいから盛んになって来たので?」

「キルりん・・・もう少しマシな質問はなかったの?

入れてもいいモノと悪いモノとか・・・嫌なヤツがいた場合殺ってもいいのかとか。」

「2人とも下らない事を聞くんじゃない!!!

ほら、ハルトからも言ってやってくれ。

他に注意するべき所がないのかとかやってはいけない事とか―――――」

「そうだぞ!!2人とも今回はジャージーのサポートをするために来たんだ。

まぁ報酬ありでだが・・・・その辺は置いといて。

さっそく移動してどういう具合なのか見ておきたいんだが・・・・ジャージー?」

ハルトの質問よりもキルりんとメルトの質問に対して答えると言い出したジャージーは。

くねくねとしながら発育は10歳の頃から胸が急成長し始めたと言う事や・・・メルトの内容は全てNGと語ると。

メルトは舌打ちをしていたのだが、メルトは胸を掴みながら両膝をついて汗をダラダラと流していた。


「10歳からあれが成長を・・・それに今もなお成長中とは・・・・本当に化け物か・・・」

「ハルト?そんなにジャージーをガン見してどうしたと言うのだ?

それよりもキルりんは服が汚れるからすぐに立ち治ってくれ。

あと、すまないがハルトの言っていたように会場に案内してもらえないか?」

「あ・・はい、すぐに案内するので私についてきてください。」

そう言ってブーブー言いながらメルトたちはジャージーに案内され・・・

炊き出し会場へやって来ると。

そこには多種多様な店が立ち並んでおり、少し歩くと・・・到着したのかジャージーが立ち止まり。

その前に合った店を見ると、それは教会のイメージとはかけ離れた小悪魔的なイメージを模されたお店であった。


「これって・・・ハイネ司祭の提案なわけ?

そうだとしたらあの司祭は間違いなく脳はダメね・・・・」

「はい・・・あの司祭様はたまにこういった悪趣味なデザインをするもので。

あまり認める者も少なく・・・こんな小さな町の司祭をしているのです。

ですが、それでも私たちを導く司祭様なので私たちはその教えの元に突き進むのみですが。

これはどうなのかとさすがの私たちも困惑しておりますのでこれ以上のコメントを控えさせてね・・・」

「これは何だかヤバイお店にしか見えませんね。

なんですか?ここの教会は変なサービスでもしているのですか?」

「へ、変なさーびしゅとは何だ!?

は、ハルト!?私はこんな所で手伝えるのだろうか・・・また私の事をサキュバスだとか淫乱悪魔だとか男を惑わす○○だとかフザケタ事を言われるんじゃないのか!?」

「ん?何か問題あるのか?おおむね間違ってないじゃん。

それに・・・俺たちは裏方だから心配ないだろ。

だって買い出しに調理だろ?だったら全然・・・・」

「よぉ~よく来てくれた。

ハルトたちがヘルプしてくれて本当に助かるよ~キルりんもありがとね!!

ささ、そんな店の前で突っ立ってないで・・・店の中に入って見てくれよ。」

そう言って店の中からやって来たリードに店内へ案内されると。

何故か調理スペースだけがガラス張りに作られており・・・ハルトの考えていた見えない場所での裏方の仕事ではなく。

ガッツリと調理や行動全てが見られるオープンなお店となっていた。


「すまないジャージー・・・・コレは何なんだ?

何で調理スペースまでガラス張りなのか聞かせてもらえないか?」

「えっと・・・その・・・ハイネ司祭が働く女性はカッコイイと言って。

裏で作業する女性の勇姿を見てもらうのもまた一興と特注で発注したそうで・・・その・・・ハルトさんたちはそこで調理補助をしてもらう予定です・・・」

「私、帰ってもいいかしら??こんな手の抜けない仕事は嫌なんですケド~~

それに他のプリーストもいるんだからそこら辺のプリーストを使えばいいんじゃないの?」

「おや?あのガラス張りの向こうにあるのは・・・ロイヤルシュゴビーじゃないですか?

もしかしてあの時の残りですか?」

「きっとそうだろう・・・何せ協会で酒を飲む者は限られているだろうし。

お酒はお肉を焼く際に使えば美味しく柔らかくなると聞くからな。」

魔王とキルりんの言葉を聞いたメルトは帰る足を止め・・・くるりと戻り。

ジャージーの胸を掴み・・・ロイヤルシュゴビーが腐っていないか試飲してもいいのかと尋ねると。

断ることもできず・・・ジャージーはメルトの要望に応えると。

メルトはこの仕事を受けてよかったと訂正して作業場へ入って行った。


「ジャージー・・・まさかとは思うが・・・ワザとメルトを使うためにあそこにお酒を置いたんじゃないのか?

それに・・・あのメルトを使う理由はあるのか?

下手をすれば教会自体が変な目で見られるようになるかもしれないんだぞ?」

「ん~変な目で見られたり変な噂をされるのは嫌です。

でも・・・今回は人数がどうしても欲しかったので・・・・あと、メルトさんにはなるべく食材に触れないようにしてくれませんか?」

「ふむ・・・メルトを的確に酒で誘い込みつつ。

メインの調理はさせずに下ごしらえだけを指せる魂胆か。

だが・・・それが理想だろうな。

何せこの私がいるのだから他の者の料理なんて下の下だとも!!

さぁ私が調理して見せよう!!!」

「いえ、調理はリードがするらしいので私たちは本格的に裏方の仕事です。

それとも魔王は売り子かレジでもしたらいいんじゃないですか?

そのバカみたいに大きな乳で男を惑わせるのは得意すよね?」

キルりんは魔王の突き出た部分をにらみながらそう語ると。

ハルトも面倒が減るのであればと・・・魔王をレジ方面に押し付け。

ジャージーとリードのチームに分かれて作業が開始された。

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