153日目 ダンジョンの宝はパンツ?
ハルトたちが逃げ込んだ部屋で休憩すると。
先程、説明した手順でこのダンジョン内を探索することとなり。
まずは宝物やそう言ったモノの類の発見と。
このダンジョンにボスがいるのかいないのかを探り、ボスがいた場合は討伐または捕獲を行い。
他の冒険者やハンターが迷ったとしても安全に脱出できるようにするのがこのダンジョンの依頼内容であり行動の手順であり。
ハルトたちはスキマからクモや他の害獣や魔物がいない事を確かめてそっと出てくると。
先ずは宝物を探すためにダンジョン内の害獣たちを避けて移動すると・・・・
「ねぇ!?アレって宝箱じゃないかしら?」
「ですね、ですが・・・・アレを倒さないとダメなんじゃないですかね?」
「そうだな・・・アレはきっとここのダンジョンのボスだろう。
で、どうする?ボスの発見と宝の発見ができたが。
このまま突撃するか?」
「ん~もう少し様子を見てから考えたいって・・・ん?
メルトはどこに行ったんだ?ま・・・まさか・・・誰かメルトを止めろォぉ!!!」
ハルトの叫びは虚しく部屋に響き、メルトは宝を守る巨大なヘビに魔法を当てており。
ボスを眠りから呼び起こすと強制的にボス戦へと流れていた。
「ぎょわぁぁぁぁ!!!!ハルト!コイツ魔法が全然効かないんだけど!?」
「いっつもいっつもお前は重要な時ほど作戦を考える前に行動しやがって!!!
魔王、キルりん・・・このボスはどうなんだ?やれそうか?」
「ん~そうですね・・・メルトが囮になってくれている今が作戦を考えるチャンスですが・・・このサイズのボスに魔法が聞かないとすれば魔王とハルトのイマジンでやるしか方法はなさそうですね。」
「それに早く作戦を考えなければメルトが食べられるかもしれないからな。
キルりんの言った力業作戦でいいのか??」
ハルトは今回もスマートに命令も指示もできないのかと叫びながら。
魔王たちに力業でケリをつけると言うと。
ハルトたちも駆け出して巨大ヘビに攻撃を開始した。
「おらぁぁ!!!喰らえ!!喰らえぇぇぇ!!!」
「本当に・・・このヘビは硬いですね!!!
余り言いたくはなかったのですが・・・メルトに魔法のチャージをしてもらってそれで倒すのはどうですか?
下手をすれば生き埋めになるかもしれませんが・・・・」
「それも一つの手だが・・・・メルトはこのダンジョンが壊れないようにヘビを倒す程度のチャージはできるか?ぐぅぅぅ・・・はぁッ!!!」
「ん~やってみないとわかんないわよ?
でも・・・偉大な魔導士の私を舐めないでよね!!!
やれと言われたらやって見せるのが私よ!!!
それじゃ私はチャージするから惹き付けといてね!!」
と、メルトは魔王たちに囮を任せて場を離れると。
そこで目を閉じて魔法をチャージし始め・・・・
「ぐあぁぁぁ!?コイツ・・・メチャクチャ強いじゃねぇか!!!」
「そりゃ・・・おわぁぁぁぁ~~~ぐへッ・・・ダンジョンのボスですから・・・悪いですねハルト・・・でもクッションになって助かりました。」
「おわぁぁ~~~どいてくれ~~~」
ハルトの上にキルりんが落ちてくると、次に魔王が降り落ち・・・・ハルトは地面にめり込んでボロボロになっており。
気が付くとヘビはこちらにゆっくりと近づいてきていた。
「このヘビの動きが少しだけでも止められたら・・・・自慢の剣技で首を刎ねるのに・・・」
「そうですねぇ・・・誰かが巨大な岩でも出現させて動きを止めるとかできれば・・・チラッ。」
「また俺かよ!?あれをしたら疲れて動けなくなるんだが・・・・仕方ない・・・
魔王、あと後ろにいるメルトに賭けるからな!!!
二発目はないから覚悟してくれよ!!!
――――――――――――イマジン!!!!」
「ナイスタイミングじゃないハルト!!!その巨大な岩に・・・私のチャージした魔法をプラスしてっと!!!
――――――――――――ファイヤーウォール!!!」
メルトはハルトの呼び出した巨大な岩に炎を纏わせると。
それは天から降り落ちてくるメテオの如く火力と物量で落ち潰し。
ヘビに相当なダメージが入ったのか動けない程の体力が消耗しており。
魔王の一撃でトドメを刺すことなく決着がついていた。
「お前な・・・魔法をブッパするならするって言えよ!!
あと・・・俺は少し休憩だ・・・」
「あ・・・ハルトがぶっ倒れましたね。
それよりもメルトは先に宝箱ですか・・・・ハルトがいなかったらどうなっていたとも知らずに現金な魔導士ですねぇ。」
「うっさいわね!!!ハルトも心配だけど今は
「で、その宝箱の中には何が入っていたのだ?
宝石か?金塊か?それとも武器か防具か・・・勿体ぶらずに見せてくれ。」
魔王はメルトに何が宝箱の中に入っていたのかを尋ねると。
メルトは中にあったモノを取り出して魔王たちに見せた。
「コレなんだけど・・・・」
「コレは・・・下着か?それもヒモのような。」
「こんなサキュバスの装備を宝箱に詰めるとはどういう趣味をしているのでしょうか。
他に宝箱の中にはなかったのですか?」
メルトはキルりんの質問にコクリと頷くとフルフルと震えだし初めてこのダンジョンでゲットした宝が謎のヒモ下着1つと言う事に納得がいかなかったのか暴れだし。
その暴れっぷりに害獣や魔物たちはダンジョンから飛び出して逃げ、すべての部屋を探索したが先ほどの下着以外の成果は何もなく。
その下着をヒュンヒュンと回しながら街に戻っていると・・・・・
「すみません・・・そこの下着を持った方。
もしかしてソレはあのダンジョンで?」
「ん?そうよ?それよりあんたは・・・・」
メルトは何かを感じ取ったのかその布で覆われたモノに問いかけると・・・・
「バレちゃいましたか・・・・そう、私はサキュバス。
あそこに少し前まで住んでいたのですが大きなヘビが私の寝床を奪って困っていたのです・・・その・・・もしよければその下着を返してくれませんか?」
「は?コレは私たちの最後の希望なのよ?
これをアンタに返しちゃったら本当にヘビを狩りに来ただけになるじゃないの!!」
「それはそうですが・・・この恥ずかしそうな感じだときっと下は・・・・」
「おい、メルト・・・その下着を返してやれ。
レディには親切に優しくだ・・・さぁ、どうぞ・・・」
「このハルトの対応は何だ?
そんなにサキュバスが好きなのか??」
魔王の背から飛び出したハルトはメルトの手に握られたヒモのような下着を返すと。
見えないようにしながらサキュバスが装着して布を取ると・・・・
「―――――――――こ、これが・・・・この世界のサキュバスの・・・・ゴクリ・・・ぐふぁぁッ!?」
「危ないサキュバスの格好をジロジロと見るんじゃない!!!バカ者め・・・ふんッ!!」
「本当にありがとうございます!!
この下着はお気に入りで使ってなかった宝箱にしまっておいたんですが・・・
本当に助かりました!!何かお礼をさせて欲しいのですが・・・・」
「そんなら金を寄越しなさいよ!!!カネ!!!下着分の金なら相当な額よね?」
「メルト・・・それはあまりにも鬼畜発言ですよ?
で、ハルトは大丈夫ですか?魔王のいいブローが入っていましたが・・・・」
キルりんは倒れているハルトに近づいて意識があるのか問いかけると。
ハルトは何とか無事と言って起き上がり、サキュバスに何ができるのかと問うが。
魔王はその問いに間髪入れずに自分が話すと言って前に出ていた。
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