151日目 緊急依頼:魔物の群れを駆逐せよ

次の日・・・朝食後ハルトたちはいつものように依頼をこなしてギルドに戻ると。

ギルド内に人だかりができており。

どうやら久々に緊急依頼が来たらしく・・・冒険者やハンターたちがワイのワイのと騒がしくしており。

体の小さいキルりんを使って情報を集めさせに向かわせると。

キルりんは緊急依頼が書かれた紙を掴んできており。

そのハルトたちはその紙に目を通すと・・・・・


「魔物の群れの襲来・・・これってメフィスト案件?」

「実物を見ていない事には何とも言えないな。

だが、一概にすべてが違うとも言い切れないから私はこの目で確かめたい。」

「私は金になるのなら何だっていいけど?

それに魔物の群れは参加した時点でそれなりに報酬がもらえるから私は参加してもいいわよ?」

「メルトはまた金ですか・・・ですが、他のハンターや冒険者も同じ目つきをしていますしメルトだけが悪いとも言えませんね。

私はハルトたちが行くのであればお供しましょう。

それに・・・あっちにはせっちゃんの姿も見えますが・・・また一人ぼっちなのでしょうか?」

キルりんが見ている方向にはせっちゃんが緊急依頼のメンバー募集と言う看板をもって立っていたが。

誰一人として立ち止まる者も見て行く者すらおらず。

その中でせっちゃんとハルトは目が合うと・・・・・


「や、やぁ・・・私と目が合ったけどハルトも私を無視するのか?

皆・・・雪かきの一件からさらに近づいてこなくなっていてな。

それに・・・酒場では私の噂をしている連中がいるらしいんだが。

せっちゃんとPTを組んだら終いには食べられて捨てられるとかいう非道な噂を流れているらしい・・・そんなんじゃわだじ・・・一生仲間何てでぎないよぉ・・・ふぇぇぇん。」

「その噂なら聞いたことがあります。

人食い鬼のせっちゃんとかいう噂ですね。

まぁ、私たちは信じてませんけど。」

「そ、そうよ・・・・少し怖いけど。

頼もしい戦力だと思うわよ?怖いけど。」

「だが・・・本当に誰も見向きもしないな。

噂もあるんだろうけど・・・その木の看板は捨てられた猫のようだぞ。」

「と、とりあえず泣くのはよせ。

俺たちが泣かしたみたいに見られるしこれ以上変な噂はいらないからな。」

ハルトたちはせっちゃんを慰めると・・・仕方なくPTに入れると言うだけで笑顔になり。

せっちゃんには相当なストレスが溜まっているなと感じたハルトは・・・今度うまいメシでも連れて行ってやろうと考えながら街の外にある決戦場へ向かうと・・・


「おぉ・・・結構な数の冒険家とハンターがいるな。

これなら楽勝で勝てるんじゃないのか??」

「いやぁ?俺はそうは思えないがな??

人数がいても質が悪けりゃ負ける・・・物量はあくまで算数上の強さだが。

ここは戦場だ・・・つまり弱いヤツが集まったところで魔物には敵わないと言う事だが・・・運が良かったな!!この俺様が付いてるから安心しやがれ!!!」

「何かうっさいのがいるわね・・・ちょっと離れて静かな所に行きましょ。」

「そうですね、口だけでは何とでもいえますし。

その大口が嘘じゃない事を戦場で証明してください。

それでは・・・・さらばです。」

メルトとキルりんに好き放題言わせたハルトは静かな場所へ移動するが・・・・


「ワッハッハ!!!何をビビっているんだ??

俺が付いていると言っただろ??それとも俺の事が邪魔なのか??

そうなのか??んん??」

「いや、だから邪魔だって言ってるでしょうが!!!

魔法ぶち込まれたいの!?」

「本当にこういうバカはハルトと魔王だけにしてください。

ホント面倒なので・・・」

「俺を見ながら言うんじゃねぇ!!!

それに俺はここまで物分かりの悪い馬鹿じゃねぇよバカ!!!」

「そうだぞ?私もハルトもキルりんとメルトたちよりかまともだ。

それに・・・今回は随分とワクワクしているせっちゃんがいるのだが・・・・

本当にPTにいるときのせっちゃんは楽しそうだな。」

魔王の言葉にウキウキワクワクするせっちゃんの顔は魔物相手に怖がる様子も見せず。

ただ早く戦いが始まらないかと待ち焦がれており。

魔物が近くなってきたのかギルドの本部から連絡が入り、後5分ほどで魔物の群れがやって来ると言うとハンターや冒険家はジッと魔物のやってくる方向を見つめていると・・・・・・


「来たぞぉぉぉぉ!!!!魔物の群れだぁぁ!!!!

いっけぇぇぇ!!!突撃ぃぃぃ!!!」

「ちょっ!?お前ら!!作戦も何にもないまま突撃するとかバカなのかよ!?

よくこんなアホな連中は今まで死なずにやって来れたな・・・・」

「ハルト!?どうして止めるのだ!!!私もガンガン攻めに攻めたいと言うのに!!」

「いえ、どんな状況でも突撃したらいいって言うわけでもないのです。

こういう物量戦は互いの戦力を削り合い大差が付けられるかが勝敗のカギなのです。

そう!!コレは個人種目ではなく団体戦なのですよ!!!」

「キルりんの言った通りだ。

これはもはや戦争・・・それと相手の魔物の数はざっと400程度。

ここからハルトならどう手を打つ?」

魔王はこの状況をハルトに問うと、ハルトは・・・・


「ん~ここからだと遠すぎるからメルトは当たるか当たらないところで魔法のチャージをして待機だ。

それ以外は前線でメルトに向かわないようにカバーするのみでいいんじゃないか?

どうせ連中から抜けてきた魔物を相手にするくらいだし3人で何とかなるだろ。」

「わかったわ!!!古代呪文でハルト諸共を消し飛ばせばいいのね!!」

「それは本当に止めてください・・・私たちまで消えちゃいますので。

威力的にはあの数を叩く程度でOKです。」

「むぅ・・・せっかくの戦闘で大暴れできないのはあれだが。

ここはハルトのPTのやり方に従おう。

そうじゃないと・・・ハルトたちにまで嫌われてしまうからな。」

「せっちゃんの言葉にはいちいちトゲがあるな。

私たちはよっぽどのミスをしない限り仲間外れは・・・・多分しない。

だからハルトに指示された通りにやれば大体はうまくいく。

ハルトは今までにも数多くの戦場を指揮して乗り越えてきた男だからな。」

その言葉を聞いたせっちゃんはハルトにどんな指示でも言って欲しいと目を輝かせながら語り。

ハルトは先ほど通りと言うと・・・せっちゃんは肩を落として5人は前進していった。


「うおらぁぁぁ!!!!クソ・・・どんだけ魔物がいやがるんだ!!!」

「口を動かさず手を動かせハンター!!!!おらぁ!!!」

「そんなんじゃいつまでたっても時間がかかりますよ!!!

暗殺とはこうするのです!!!」

「いや、キルりん・・・思いっきりバレてるし。

暗殺もできてないぞ?」

「だが、それを私が斬る!!!アハハハハ!!!やっと戦えるぞ!!!

さぁ!!!身も心も全てが燃えるような戦いを始めようか!!!」

「せっちゃんの鬼化はすごいのだが・・・・あの喋り方に怖がって近づかないのもあるんじゃないのか?

はぁぁぁッ!!!そっちは通行止めだ!!!」

ハルトたちは冒険家やハンターたちが打ち倒せなかった魔物を狩り続け。

ある程度まで倒し切ると、他のハンターや冒険家たちに退却するように伝え。

退却を確認した所でメルトにチャージした魔法を放ってもらったのだが・・・・・


「ぐあぁぁぁッ!?これはすごい威力だが・・・・制御できているのか??」

「はぁぁぁぁ!!!みんな消えちゃえぇぇぇ!!!!」

「いや、消すなって!!!!おうわぁ!!!!」

メルトの魔法によって魔物の姿形は粉々に消滅して消えており。

地面も魔法の直撃と余波によって少し抉れていたが、この魔法が決め手となり。

魔物の群れの緊急依頼は無事クリアとなり。

ハンターたちと共にギルドへ戻って行った―――――――

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