103日目 流浪の剣士、せっちゃん!!
酒場で出たら出るだけのお酒と当てを食べきると・・・メルトは寝落ちし。
大きないびきをかき始め、周りのハンターや冒険者に迷惑になると・・・ハルトたちは家に戻りキルりんにメルトを頼み。
一晩様子を見る事にして床に就いた。
翌日、メルトは昨日の出来事など何も覚えておらず。
ずっと寝ていた時の記憶しかないと言っており・・・昨日のアレは何だったのか謎のまま朝食を済ませ。
今日は久々に依頼を受けて害獣駆除に向かった。
「んで・・・今日はマジであれを駆除すんのか??
無茶じゃね??アレ・・・どう見ても100人は人手が必要なエモノだぞ?」
「いえ、あの程度なら私1人でも倒せますが・・・動きが速いんですよね・・・・」
「あぁ、巨大ゲジゲ○・・・ムカデのようなフォルムだがあそこまで凶暴でもないが。
あそこまで育ってしまうとやりたい放題する傾向があってな・・・
良く依頼に出るらしい。」
「それなら私の炎系魔法で焼きゲジゲ○にしてあげちゃうわよ!!!
―――――――――――ファイヤーアロー!!!!」
話の途中でゲジゲ○に攻撃を放つと。
1体は何とかメルトの魔法で倒せたが他のゲジゲ○は多方向から同時にメルトたちに攻撃を仕掛けてきた途端の事であった――――――――――――
「むむ、害獣!!そこのモノ達・・・微力ながら私も助太刀しよう!!!!
――――――――――ふんふんッ!!!」
「何と見事な剣術・・・・あの巨大ゲジゲ○をいとも簡単に肉塊にしてしまったな。
いやぁ、助かった・・・それにしても本当に見事な腕前だ。」
「そうね!!!私の魔法って程じゃないけど・・・あなた名前は?どこからきたの?」
「メルトってフレンドリーなのかバカなのか両極端ですよね・・・
ですが、本当に助かりました!!あんな気色悪いゲジゲ○をよく近づいて攻撃できましたね。
ある意味尊敬しますよ!!」
「フム・・・日本系の装備・・・刀の武器に日本系美人と来たか・・・コレは中々。」
ハルトがまじまじと女性を見ると・・・自己紹介が先だと魔王に引っ込められ。
ハルトたちは自己紹介をすると。
女剣士は申し遅れたと言って自己紹介を始めた。
「私の名はカミキリ・・・・カミキリ、センだ・・・雲の流れと同じように風と気の向くままに流れに流れる剣士さ。
故郷にいる村のみんなからは「せっちゃん」と呼ばれている。
あと、私が見た所冒険家かハンターのようだが・・・ハルトたちはどこから来たんだ?」
「俺達か?俺たちはアップダウン王国の街から来たんだ。
それにハンターのようじゃなくて俺たちはれっきとした冒険家でハンターだ。
そんな風に見えなくしているのがこのメルトたちだ。」
「え!?私ってばそんなチームレベルを下げる役回りだったの!?
納得いかないわ!!!訂正しなさいよ!!!私程の偉大な魔導士がいてレベルが下がるわけないでしょうが!!!」
「そうですよ!!!私はメルトよりは使えますよ!!
一緒にされていることに違和感と不快感を感じます!!
それに酒癖も変な病気も持っていません!!!」
「わ、私は違うのだろうな!?
博識で力もあるし・・・たまにタガが外れる程度だが。
誰かに迷惑をかけた覚えはない!!!だろ?」
魔王は「たち」の中に自分が含まれているのではないかと必死に説明する様子を見たせっちゃんは腹を抱えて笑い出し。
仲がいいんだなと羨ましそうに言って・・・ハルトたちにアップダウン王国の道を教えると―――――――
せっちゃんはふらふらと移動しながら王国へと歩いて行った。
「何だったのだ??あの剣士・・・剣の腕のみならず口がよく回ると来たか。
あの剣士は少し注意しておくべき対象だ。」
「そうね・・・あんな凄腕がきたら高額依頼が全部持っていかれちゃうかもしれないもんね!!
私たちもじゃんじゃんレベルアップしないと!!!」
「またメルトはお金の話ですか??
魔王の言った事はきっと違うと思うのですが・・・・まぁこの肉塊の処理もしないといけませんし。
狼煙を焚きますね。」
「だな、ひとまずそのゲジゲ○を回収してもらってから俺たちも戻るとするか。
こういう時って分け前とか渡さなくていいのか??」
ハルトは気になったことを尋ねると。
最後まで同行していないことと報酬を目的として助太刀した感じでもない事から分け前を分けることはないという決断に至り。
街で見かけたら分け前の代わりに酒場でメシを奢るくらいはしてやろうと言っているうちにゲジゲ○は運送屋に回収されて運ばれて行った後であった。
そして、ハルトたちは街へと帰っていると・・・・
「む、無念・・・腹が減って歩く力もでない・・・こんなところで私は朽ち果てるのか―――――――
くぅ・・・ひもじい――――――」
「すみません・・・先ほどのせっちゃんですよね???
どうしたのですか???道端に寝転がって・・・風邪ひいちゃいますよ?」
「これは・・・空腹で倒れると言うオヤクソクなパターンだな。
こういう時は宿に連れて行ってやるとイベントが発生するのがRPGの定番!!」
「このバカな使い魔はほっといて・・・立てる??」
メルトは倒れたせっちゃんに尋ねると・・・せっちゃんは答えることもできずにうなされ。
ここに放置もできずに話し合いの結果、せっちゃんを酒場に連れて行き食事をとらせることにして。
ハルトは仕方ないといいつつせっちゃんをおんぶして歩き始めた。
「何だか納得できないのだが・・・・
どうしてハルトはあぁいう娘には優しくするのだ??
私にはあそこまで優しくはしてくれないのだが。」
「優しくされたいのですか??なんだか魔王らしからぬ発言ですが・・・・
ですが答えは簡単です!!それはですね・・・魔王が強すぎてか弱く見えないからだと思いますよ?
お腹が減って倒れる華奢な体でもなさそうですし。」
「そうね・・・あの子と比べると魔王は装備も中の強さもガチなのよね。
しかも・・・暴れたら止まらないし・・・そりゃハルトだって警戒するってもんよ。
でも・・・そう考えると私も優しくされたことがあまりないわね・・・何でかしら??
私はこれでもハルトの主なのよ??どうしてかしら・・・・」
メルトやキルりんたちも目の前のハルトに優しく丁寧な扱いをされたことがないと感じ。
せっちゃんを運ぶハルトにキルりんは直々に聞き尋ねると――――――――
「そりゃ、俺はお前らの生態を詳しく知ってるからな・・・・どんだけヤバイかってのものな。
ほら、無駄口をたたいてないでさっさと帰るぞ。
せっちゃんもそろそろ限界のような気がするしな。」
「ヤバイというワードは魔王に使われているとして・・・・
私たちの事を理解した上で距離をとっているのですか。
コレは素直に喜ぶべき事なのか悲しむべきか・・・・」
「キルりん!!騙されちゃダメよ!!!
ハルトはそう言いながら不意を狙って襲うつもりよ!!!」
「いや、それよりも私がヤバイという件について詳しく教えてくれないか!?
どの辺がどうヤバイのだ!?この角か?翼か??この格好か!?一体何が悪いと言うのだ!?」
魔王はアセアセとしながら尋ねるが・・・誰も答えようとせず。
グダグダしているうちに街へと到着し。
ハルトたちはギルドで報酬をもらい酒場へと入って行った。
「お~い・・・生きてるか~~~せっちゃん??」
「おわッ!?出たなッ悪鬼ッ!!!」
「だ、誰が悪鬼だと言うのだ!?・・・私を低俗な悪魔やサキュバスと同視すればその目をエグって花壇の肥料にするところだぞ?」
「せっちゃん、この魔王の前でサキュバス等の話をしたらこうなるので覚えておいてください。
私は別にどんなことを聞かれても問題なのですがね!!!」
この流れは安易に想像できるとせっちゃんを見つめると・・・セっちゃんはやはりアレの話をし始めた――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます