95日目 ヒュドラ殲滅!!!

ハルトはヒュドラのブレスを全身で浴びながら耐え、ヒュドラは頭上からの岩塊に気を取られたスキを突かれ。

魔王の鋭く強烈な斬撃によって全ての首が弾け飛び・・・・ズドンと大きな物音を立てて体が崩れ去っていた。


「あぁ・・・アヂィ・・・・ブレスとあのすげぇ鳴き声がしないって事は終わったのか。」

「あぁ・・・終わった。

私は服がボロボロになっただけだが・・・ハルトはモザイク状態だぞ。

だが、あれだけのブレスを喰らってそこまで耐えたのなら上出来じゃないのか??」

魔王はモザイク状態のハルトの隣に座って回復を待ちながら喋っていると。

やはり気になったのかメ嫌がるメルトを無理矢理引っ張りながらキルりんたちが戻ってくると。

ボロボロになったハルトたちの元にすっ飛んできた。


「このハルトらしきボロボロな溶解人間どろりんちょは良いとして・・・

何とかヒュドラを討伐したんですね・・・・」

「誰がどろりんちょだ!!!

少しは俺の状況を労われよな!!!!」

「で、これって・・・狼煙で回収してもらうの??

デカすぎて回収できないんじゃないの???」

ヒュドラを見ながらどうするのかを尋ねると・・・魔王はについて語り始めた。


「このヒュドラは天然のバクサクヒュドラではない・・・・

これは人工的に作られたのヒュドラだ。

その証拠に・・・痕跡が残らないように青白く燃えて自壊しているだろ??

こういうのを作って楽しんでる魔王がいるんだ―――――――

名を魔獣飼育者モンスターメーカーのメフィスト・・・・

の業界では有名な魔王で・・・ペットや珍獣を自らの手で人工的に作る変わった魔王だ。

その行き過ぎた生物製作は一部の魔王からも目を付けられるほどに問題でな。

こう言った危険度の高い魔獣を複製したり改造したりと好き放題し逃げたとしても知らんぷりをする。

だから、今回の依頼はこの辺に現れないはずのヒュドラが出ることが気になって受注して来てみたと言うわけだ。」

「そうだったのですか・・・言われてみればこの辺でバクサクヒュドラは一度も出現していませんからね。

出ている地域は薄暗くてジメジメした夏の梅雨が毎日続いているような場所に限られていますからね。」

「つまりそこはどこなんだよ!!そんな気色悪い所に住む奴も住むヤツだが・・・・で、コレは報酬にならない依頼って事か??」

モザイク中のハルトの質問に魔王は頷くと・・・真っ先にダメージを受けたのは大金を期待したメルトであった。


「う、ウソ・・・・でしょ??

こんな危ない目をしてまで来たって言うのに・・・報酬も何もないってあんまりよぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「まぁまぁそう言ずに。

今回は目に見えてダメージが大きいのはハルトと魔王です。

それに比べれば全然大したことないじゃないですか!!」

「うむ、キルりんの言う通りだ。

私の魔力の装備もここまでビリビリに破壊されハルト体もボロボロになる戦いで命があっただけ良かったじゃないか。

それに、そろそろモザイクが取れてきたが・・・大丈夫か??

ヒュドラの超火力ブレスをモロに喰らっていたが。」

「あぁ・・・何とか回復していつもの俺の形には戻ったが・・・・散々な目にあったぜ。

クソ・・・まだ立てるほど力が回復してないか――――――」

ハルトの立てない様子を見た魔王はそっとハルトを背に乗せると。

何だか満足げな顔をしながらギルドに戻り、事情を説明して酒場に向かうと・・・・


「おい・・・なんだか見ないうちにとんでもない酒場になったな・・・

大人なショーとか出してそうな雰囲気だぞ??」

「国からのお金が出たとなるとケチケチせずにできるだけ豪勢に作り直したんでしょ??

そこら辺の家もぜ~んぶ小ぎれいになっちゃってんわよ?」

「どおりでこの辺りに無かった気品が溢れているわけですね。

いやぁ・・・お金の力はすごいものですね。

ですが・・・中はどうなっているのでしょう??

丸ごと立て直したようには見えませんが・・・・」

「言われてみれば・・・外観は綺麗になってはいるが大きさはそこまで変わっていないところを見ると入るまでは分からないが。

ちょうど夕食時だ・・・入ってみるか。」

魔王はお腹をさすりながら皆に尋ねると・・・メルトたちは即答し酒場の中へ入って行った。


「やっぱり・・・中はあんまり変わってないわね~

外観だけのハリボテ酒場ここにありってね!!」

「なんだ、ハルトたちか・・・あぁ、見ての通りの外観だけ豪華になったハリボテ酒場だ。

そんなケチ付けに来たわけじゃねぇだろ??ほら、メシ食うならいつもの席に座りな。

ちなみにウェイトレスは明日から来るから心配すんなよ??」

「しとらんわ!!!」

ハルトたちはいつもの席に座りメルトはシュゴビーとおつまみのセットに夕食のセットを注文すると。

店主が寂しそうにぶつぶつと話し始めた。


「1つ気来たんだが・・・俺の店ってウェイトレスがいねぇと客が来ねぇのか??

それとも外観が豪華になって入り辛くなったとかないよな??」

「色々と世話になったおっちゃんだから正直に言うが・・・両方だろ。」

「うんうん、ムサイおっさんに席を案内されて注文を取られ料理をもてなされる・・・・とんだ拷問ね!!

それに店も前に戻した方がいいわよ??すっごいヤバイ大人な店みたいになって男も女も入らないわよ??」

「私たちは店主がやる気満々でしたと覚悟の上で入ってみればこのザマでしたが。

確かにこの店の外観は元のこじんまりした方が親しみがあって良かったです。

なんだか安心すると言うのでしょうか??」

「結論は出たな・・・店の外観を元に戻して早くウェイトレスを復帰させないと客が途絶え、店が無くなると言うシンプルな答えだ。」

この時間帯だとガヤガヤと騒がしい店内を見ながら店主に語ると・・・店主は仕方なく外観を元に戻してウェイトレスの衣装を変更して客寄せすると言って気合を入れながらハルトたちの前にサービスして盛りに盛った料理を置くと。

店主は違うテーブルに座りながら紙とペンで衣装をあーでもないこーでもないと試行錯誤していた。


「なんだかすげぇ悩んでないか??」

「それに何か手伝ってほしそうにチラチラと見てきていますね。

私は無視しますが・・・・」

「私もパス!!!

シュゴビーが温くなっちゃうわ!!!」

「気になるのであればハルトが見てきたらどうだ??

男同士の方が話が弾むかもしれないぞ??」

魔王に言われ・・・ハルトは鶏ももをモシャモシャと食べながら店主の前に置かれた紙に目を向けると―――――――――


「あぁ・・・俺も歳か・・・昔は割と色々と衣装を思いついたんだが・・・・

お、ハルト・・・これがさっき考えた新しいコスチュームなんだが・・・どう思う??」

「いや、コレはどう見てもアウトな規格だろ・・・もし仮に製作したとして・・・着せて大丈夫なのはくらいだぞ??」

「今、聞き捨てならないワードが聞こえましたが何か言いましたかね!?

ねぇねぇハルト!?私に何か指令なことを言いませんでしたかねぇ!!!

おぉっと!!!これはなんとビッチな衣装でしょうか!!!こんなハレンチな衣装を着ることになればここのウェイトレスたちはお嫁に行くことができなくなるでしょう!!!

つまり・・・こうじゃ!!!!!」

「見事なナイフ捌きで紙吹雪にしちゃったわね・・・・・ンゴンゴンゴ・・・」

「どうやら気が済んで戻って来たな。

で、あの店主が考えた衣装はどんなものだったのだ??」

魔王は衣装に興味があるらしく、戻ってきたキルりんに尋ねると。

魔王の来ていたビキニをさらにヒモ状にした衣装と言うと・・・

魔王とメルトの冷たい目線がハルトと店主の方へ注がれていた――――――

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