58日目 心の傷は皆で直そう!!
共に出てきたジャージーは一先ず教会にハルトたちを連れてくると・・・ハルトと魔王はジャージーにどうして教会に連れて来たのか尋ねると――――――
「その~唐突な話で申し訳ないのですが・・・・もし、良かったらですよ?
ハルトさんたちの仲間であるリザさんをこの教会の用心棒として招きたいのですが・・・ダメでしょうか?
衣食住+謝礼を完備していますので不便はないかと思うのですが―――――」
「ん~それを決めるのはリザさんであって俺達じゃないからな・・・」
「そうだな、だが・・・用心棒ならどうしてハルトや私たちではなくリザさんを選んだか尋ねたい。」
「そうよぉ~~わたひたひも十分つかへるわよ~~~」
「うぅぅう・・・・純真さですかね??私は十分純真だと思うのです・・・が・・・」
どうしてリザさんを選んだのかを尋ねると・・・ジャージーは言いにくそうに指をチョンチョンとさせながらチラチラこちらを窺いながら話し始めた。
「その・・・魔王さん?は・・・すごい教会の用心棒にしてはイメージ的に違うのと・・・ハルトさんは男の方ですので女性しかいない教会ではNGです。
メルトさんやキルりんさんは少し危なさを感じましたので・・・・ハイ。
その中でもリザさんは可憐で強さもあって皆さんと違っておとなしいので・・・・ヒェ!?ご、ごめんなさい!!言い過ぎましたので・・・その・・・私を囲まないでくれませんかぁ!?!?ハルトさん助けてくださいぃぃぃ!?」
「お前ら・・・その辺でやめておけ、ジャージーの意見は大体ただしい。
それに、最後の決定はリザさんだからな。」
「そうだけどぉ・・・仕方ないわね。
本当にハルトはこういうデカチチに甘いんだから。」
「そうですよ・・・ハルトからしたらダメージはないと思いますが、私たちに関しましては危ないというデンジャー枠ですからね!?」
「キルりん、言いたいこともわかるが今回はその辺にしておいてだな・・・・で、リザさんは教会でこれからの生活を
魔王とジャージーの話を聞きながらリザは考え・・・ジャージーに飛びついて胸に顔を埋めていた。
「あらあら・・・リザさんは甘えんぼさんですね~よしよし。」
「ちょっと、ハルト・・・今「俺もあんな風に甘えたいなぁ」とか「胸の中に飛び込みたいなぁ」って考えたでしょ?」
「んなッ!?んなわけあるかよ!?べ、別にリザが羨ましいとか何とも思ってない!!ただ・・・リザを無理に洞窟へ戻さずにすんで良かったって喜んだだけだ。それが悪いか??」
「ハハハ、そうだな・・・必要とされるべき場所にリザさんを送れたのは私も嬉しい事だと思うぞ。
ただ、少しだけ寂しいような気もするな。
まだ・・・出会って間もないと言うのに・・・・何だろうなこの寂しさというか
「魔王・・・よし、わかりました!!!そう言う事なら私がリザさんの代わりに魔王の胸にダイブさせていただきます!!!ソーレッ!アイタッ!?ちょっ!?避けなくていいんですよ~~~私が寂しくならないようにしてあげますよ~~~」
2人のやり取りを見ていたリザさんは魔王の所へトテトテと歩いて行くと・・・・
「ウゥゥァァァアァ!!!ア~ア!!」
「あぁ、リザさん・・・また見に来るからプリーストの方たちをしっかりと守るんだぞ??間違って食べたり火を吹いたりしないようにな?」
「そんなに心配しなくても大丈夫よ・・・何せ私たちの家から少ししか距離が離れてないのよ??何かあれば助けに来れるし・・・まぁ、この教会を狙う輩と言えば女遊びの激しい連中くらいでしょうけど。」
「俺を見ながら言うんじゃねぇ!?まぁ、無事にリザさんの寝床が決まったんだ・・・俺たちも帰ろう。
だからほら、魔王・・・帰ろうぜ?」
「ですね、魔王帰りましょう!!こういう日はパッと寝るのが一番ですよ!!」
魔王はコクリと頷いてリザさんとジャージーに手を振って家に戻ると・・・メルトたちは気を利かせて魔王を引っ張って3人で風呂に入った。
「ぶくぶくぶくぶくぶく・・・・・・」
「魔王、いつまでそうしているんですかぁ~~あと、魔王はのぼせたりしないのですかね??」
「火耐性とか高そうだからしないんじゃないの??
でも、リザがプリーストに迎えられるなんて・・・・世の中はかなり変わったわね。
でも、それだけ平和になったって事かしら??それともこれも魔王たちの影響・・・はたまた王の何かしらの力が働いているのか・・・謎ね。」
メルトは浴槽にぷかぷかと浮きながら話し、魔王は少し気がまぎれたのかのぼせないかという質問に答え始めた。
「私は生まれてから一度ものぼせたことはないな・・・・何でも水の加護があるとか?それも父からの話でどこまで正しいものなのか不明だが・・・のぼせたり水による被害を受けたことが無いのから否定もできないんだがな。」
「そう言えば魔王ってばシュゴビーを何杯飲んでも酔わないもんね・・・・本当にそうなら・・・その能力はズルイわね。」
「どうせ、メルトことですから永遠にお酒を飲み続けられるとかいうんでしょうね・・・・それより・・・2人とも私に喧嘩を売っているように凶器をこちらに向けないでもらえませんか???あぁッ!?私の服を返してもらってないです!?!?」
キルりんはリザさんに貸した服を思い出したが・・・今さら返せと言う事もできず・・・今度は魔王から代わりキルりんがぶくぶくぶくとテンションが下がりはじめていた。
「それじゃ、私はこれで上がって寝るから・・・また明日な。」
「ぶくぶくぶくぶく(また明日・・・)・・・・・・・・・・」
「ハイハ~イおつおつ~ほら、キルりん・・・服ならまた明日にでも買いに行けばいいじゃない??それに・・・リザさんが着ていたのならあの服はもうある部分が伸びてるかもしれないわよ??」
魔王が風呂から上がると・・・メルトはもし服が帰ってきたとしても服に起こった惨状を語ると・・・キルりんは新しい服を買う事を覚悟して浴槽から2人は出て行った。
「ふわぁぁ~~~あいつらはまだ風呂に入ってんのか??まぁ今回は魔王が落ち込んでるから今日くらいは大目に見るか・・・」
部屋で寝転がりながら本を読んでいると・・・部屋を誰かがノックし開けてみると・・・・
「ハルト・・・その、今・・・大丈夫だったか??
メルトが言うには男の夜の時間は神聖な時間と聞かされていたのだが・・・・」
「ちょっと部屋の中で待ってろ――――――」
魔王は部屋の中で待っていると・・・どこかしらからメルトの泣き叫ぶ声が聞こえたと思ったら、ハルトが戻ってきた。
「待たせたな・・・いやぁ~それにしても今日は色々あったな。
で、大丈夫なのか??なんだか帰ってくるときも浮かない顔だったけどさ?」
「あぁ・・・メルトとキルりんにまで気を遣わせてしまったからな。
それに、会いに行こうと思えばリザさんに会えると思えば何とかなった。
だが、寂しくないと言えばうそになるかもしれないな・・・私らしくないな本当に・・・・」
再びシュンとする魔王の頭に優しくチョップを決めながらハルトは魔王を見ずに照れた顔を見せないようにしつつ話し始めた。
「その、元気出せよ・・・明日はまた依頼を受けて稼がねぇとだし・・・・
それにさ・・・魔王が元気な顔じゃねぇと俺たちも本調子じゃないって言うか・・・わかるだろ??」
「あぁ・・・ハルトの言う通りだ。
さて、ハルトからも鼓舞してもらった事だし・・・神聖な時間の邪魔をしてすまなかった。
そして、ありがとうハルト・・・おやすみ。」
魔王はニコっと礼を言いながら部屋から出て行くと・・・メルトやキルりんたちと出くわし、久々に3人で寝ようと魔王が言い出しワイワイと騒ぎながら夜は過ぎて行った―――――――――
そして、翌日・・・・ポロッピッピーーー
3人でワイワイと騒いで嫌なことを話してスッキリしたのか・・・魔王の顔に昨日までの曇った顔はなく、いつもの明るく振舞う魔王であったが―――――――
「お前らのせいで全然寝られなかったんだ・・・・今日は少し楽な依頼にするからな・・・いいな!?」
「わ・・・わかりましたから・・・だから、早く朝ご飯を食べに行きましょう!!!」
「そ、そうね!!それがいいわ!!朝ご飯を求めて酒場へレッゴーよ!!!」
分が悪くなったと感じたキルりんとメルトはまずはご飯と言って酒場へと4人で歩いて行った。
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