57日目 キルりんが羨み恨む体系

リザさんを連れて街に帰ると・・・すでに陽が傾き暗くなっていたため服屋に行くのは明日にして、家に戻り・・・リザさんの体系的にキルりんの服が合うはずという結論からキルりんは何か言いたい事があるような顔をしながら服を着せると・・・・


「だから言ったじゃないですか!?私はこうなると思って貸したくなかったんですよ!!!うぅぅ・・・どうして私だとするっと着れる服がリザさんだと苦しそうな顔をするんですか!?大体・・・そのデカブツがいけないんですよ!!!そのデカブツが・・・・」

「ちょっとキルりん落ち着きなさいよ!?刃物は締まいなさいよ!?

リザもだと思うけど私たちの服じゃぶかぶかになっちゃいそうだし・・・してね?」

「だが、リザさんの体系は人間基準だと割と体系なんだな。一部分を除いて・・・・あの巨体と貫禄だったからもっと大人な体系と思っていたが・・・擬人化薬はどうなるか不思議なものだな。」

「で、そろそろ酒場にいかないか??腹減ったんだが・・・・」

ハルトの発言に4人が出てくると・・・やはり目についたのはキルりんの服をパツンパツンに着ているリザさんの姿で。

その姿をハルトが見るや、キルりんの目は殺意で満ちており・・・懐に手が伸びていた。


「ハルト・・・どこをみているんですか??そのパッツンパッツン!!なと言えば・・・ハルトのピーーーーーーーをぶった切りにしますよ?寝ている間に。」

「地味にやりそうで怖い事を言うんじゃねぇよ!!!別にそんなトコ見てねぇから行くぞ!!!」

「あれはガッツリ見てたわね・・・まぁ、確かにこのだと目を引くのも当然っちゃ当然よね・・・」

「そうだな・・・だからってキルりん、リザさんに危害を加えるのは駄目だぞ??まだ私たちのルールがわかっていないのだからな。」

魔王の話を聞くと・・・キルりんは苦い顔をしながら懐から手を出し、ハルトの隣にスタスタと先に歩いて行った。


「ハルトはこれから・・・リザさんをどうしようと思っているんですか??

元いた場所に帰してあげる方がいいのでは??」

「そうだな、今回はリザさんが俺たちの後を付いてきたからこうなったんだが・・・元いた場所に帰そうにも聞き分けてくれるか心配なんだよなぁ・・・・」

「リザさんは何が食べたい??この辺だと肉とか魚とか野菜がメインになのだが。」

「ウゥゥ??アァァ~~~」

「ん~何言ってるのかさっぱりワケワカメね・・・魔王、リザは何て言ってたの??」

メルトは魔王にリザが言って事を尋ねると・・・・「何でも食べる」と言っていたらしく。

そうと決まればとハルトたちはいつもの酒場で夕食を食べることにした。


「いらっしゃいませ~~アレ??ハルトさん、いつの間にができたんです??」

「違う・・・俺の子供なわけないだろ!?いつもの席に座るが・・・言いふらすんじゃねぇぞ??」

ウェイトレスはリザさんのほっぺをぷにぷにとしてから移動し・・・ハルトたちはいつもの席にリザさんを囲んで座った。


「私、若鳥のから揚げと・・・・シュゴビーとマメマメ!!!」

「メルトお前、毎回言うがほどほどにしておけよ??コッチはいつも面倒かけさせられてんだからな???」

「そうですよ!たまには私にもシュゴビーの1杯や2杯・・・・」

「キルりんにはまだ早いからダメだな。

―――――――で、リズさんは何でもいけるんだったな・・・・すみませ~ん」

「ウゥゥウ???」

リザさんはちょこんと座ってハルトたちを眺めたり・・・キョロキョロと辺りの冒険者たちを見渡していた。


「ハイ、おまたせ~~~このかわいこちゃんには果実のジュースのおまけつき~~」

「悪いな・・・それにしても、リザさんって体系は幼児体系だが中身は何歳なんだ???」

「ウゥゥアアァ??」

「フムフム・・・リザさんは142歳だそうだ。

これでもまだ若くて中には500歳を超えるファイアーリザードもいるそうだ。」

「142歳!?うっは~すごい長生きね~~感心しちゃうわね。

そんじゃさ?シュゴビーも呑めるんじゃない???」

「リザさんにお酒を飲ませるのは見た感じ的にダメだと思うのでやめておいた方がいいんじゃないでしょうか??

その代わりと言っては何ですが・・・・・私がリザさんの分のシュゴビーを・・・・・・」

キルりんが取ろうとしたシュゴビーをメルトが回収すると、魔王たちはシュゴビーで乾杯して並べられた料理を食べ始めた。


「どうだ?リザさんの口に合うか???どれもあの場所では食べた事のないモノだと思うが・・・」

「ウゥゥ!!!ウアウアァァ!!!」

「何を言っているかわからないが・・・この感じだとリザさんは喜んでいるみたいだな・・・・で、どうしてキルりんはマメを転がして遊んでいるんだ??食べねぇとメルトに食べられちまうぞ??」

「もぅ、こうなったらシュゴビーが飲めない分たらふく食べてやりますよ!!!

オイ、そこのウェイトレスさん!!!特性ステーキをもってきて下さい!!!」

「何だかキルりん気合入っちゃってるわね・・・・ングング・・・ぷはぁッ!!!

クゥ~~~熱い仕事の後のシュゴビーは最高ね!!!それにこのマメもから揚げも最高ね!!!」

両手にフォークをもって色々なものを食べるリザさんに対し、キルりんはウェイトレスが運んできたステーキをがつがつと平らげていた。

そして、食事が済むと・・・少し休憩している最中、リザさんは椅子の隙間から抜け出し・・・気になったところがあったのか・・・テーブルで寝ている人の元へとやってきた。


「ウゥゥ??アゥウ??」

「ん~~むにゃむにゃ・・・・私はやればできるんですぅ~~~ドジとか言わないでよぉ~~ん・・・ふぇぇ??誰かいるのですか??」

リザさんはテーブルで寝ていたプリーストのほっぺをぷにぷにと突くと・・・そのプリーストは眠りから覚め、ニコッと笑みを浮かべていた。


「あらあら、どうしたの??迷子になっちゃったの??可愛いお嬢さん。」

「ウゥゥ???アァウゥゥ~~」

リザさんはハルトたちのいる方向に指をさすと・・・そのプリーストはリザさんを連れてハルトたちの元にやってきた。


「みなさんコンバンワ~さっきこの子が私の所にやってきまして・・・・どなたのお子さん何ですか??」

「ん?リザさんをどうもって・・・ジャージーか・・・・その子は今日色々あって知り合った女の子でさ。

ん?ジャージーなんだか目が泳いでないか??もしかして酔ってるのか??」

「そうそう・・・ウップ・・・話そうと思いましたが、ちょっと食べ過ぎて話す気分じゃ・・・・うぅぅ・・・代わりに誰かよろしくです。」

「ウヘヘ・・・しっかたないわねェ~~そのねェ~リザははファイアードレイクなのよぉ~わたひのぉ~~薬品でこんなになっちゃったの~」

「オイ、メルト!!それは秘密だろ!?えっと、その・・・私は魔王と言うだが・・・リザさんを届けてくれて助かった。

―――――――――美しきプリーストよ。」

「ウゥゥウアァァァ!!」

リザさんは魔王に飛びつくと・・・ジャージーは驚くこともせず平然とリザさんのほっぺをツンツンしながらニコニコしていた。


「リザさんっていうんですね、この子ぉ・・・ふぁいあーどれいくってどんなのか知らないですが・・・・私が見たこのリザさんは悪い子じゃないと思いますよぉ??うぇへへ・・・本当にぷにぷにで可愛い。」

「ウアウアウアアアアァ!!!!」

リザさんは喜びの余りに口から火を噴きあげると・・・店の中が火事だと魔法攻撃だのと騒ぎになり、この場を鎮めるためにメルトに悪役を引き受けてもらうことにした。


「オイオイ、メルト!!!酔った勢いで魔法をぶっ放すなよな!!!

ホラ、皆が驚いてるだろ!?あははは・・・みんな悪いな!!!メルトが魔法を酒の勢いで撃っただけなんだ・・・アハハ―――――――」

「ハルトってばぁ~何を言っちゃってるのぉ??わたひが酔った状態で魔法なんて撃てるわけないでひょ???」

「あぁ~こりゃ出来上がっちまってるな・・・・メルトならあり得るな・・・

まぁ、店に被害も出てないし飲みなおすか・・・・」

「そうだな・・・メルトだもんな・・・仕方ない。」

「飲もうぜ飲もうぜ!!!」

メルトの責任として処理すると・・・ハルトたちは会計を済ませてリザさんと共に酒場をでると・・・何故かジャージーも一緒に外に出てきていた。



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