40日目 呪いの剣の使い道
酒場に着くと、肉料理を無理矢理口に捻じ込まれ・・・・魔王のトドメの一撃を口に捻じ込まれ、ある程度の栄養が体にいきわたりハルトは意識を取り戻した。
「は、ハルトが目を覚ましましたよ!!!
いやぁ・・・倒れたときは驚きましたよ!!!モシャモシャモシャ・・・・」
「ほんとよねぇ!!!モシャモシャ・・・・
まったくハルトは・・・体の鍛錬が足りないわよ!!!呪いの剣の一本や二本耐え抜いてもらわないと・・・・・モシャモシャモシャッ!!!」
「だが、何事もなく目覚めてよかった・・・こういう剣の類は抜けば死に至るモノから鬼人の如く暴れるようになってしまう呪いまであると聞く。」
「お前ら好き勝手に人の口にモノを捻じ込み過ぎだろ・・・・ってか何でお前らが本腰入れて食べてるんだよ!!!俺の分はないのか??」
メルトたちの煩い声で意識がはっきりすると・・・3人は料理をモシャモシャと食べており・・・ため息をつきながらウェイトレスに注文を入れて俺も晩飯を食べることにした。
「で、本当に体に違和感や気持ち悪さなどありませんか??
メルトが言うには呪われたら働く気が無くなるレベルで疲れると聞きましたので。」
「そうよ~呪われるとね・・・何もしたくなるような疲れと、頭痛、めまい、吐き気と色々な症状が出るのよ??
でも、この様子からだとあの剣は血を吸っただけで問題は無いようね。」
「いやいや、問題しかないだろ!?なんで血を吸ったかが不明過ぎんだろ!!
で、その剣はどこにあるんだ?」
「その剣なら・・・そこにある・・・何かあればその剣が何かの役にたつと思って持ってきておいたんだ。」
魔王は壁にかけられた剣に指をさし・・・再び料理を食べ始め、少し剣に違和感を感じながら俺も飯を食べ・・・・
「ふぁ~~満腹満腹!!!もう飲めないし食べれないわ~~~
ハルト~ごちそ~さん。」
「いやぁ~今日は介抱した甲斐がありましたぁ~~うぇへへ・・・」
「ハルト、私の分はこれで・・・・」
「いや、今回は俺が奢ってやるよ・・・何だか助けてもらったようだしな・・・・アイツらは何の役になったのかわからんが――――――」
ただ俺の口に無理矢理モノを捻じ込んでいた2人を見てブツブツ言うと・・・魔王がコソコソっと話をし始めた。
「実はな・・・あの2人が一番必死にハルトを助けようとしていたんだ・・・・
私はメルトが言ったようにやっただけで2人がいなければハルトは動くこともできないくらい体力が消耗していたはずだと言っていた。」
「はぁ~魔王にそう言われたら信じるしかないか・・・・ハイハイ、会計は済んだし・・・・帰るか――――――――」
「おぉ~~~お家に帰ってさっさと寝ちゃいましょ!!!で、明日は何しようかしらね!!!」
「私は害獣駆除に行きたいですね!!!このあったらしいダガーの切れ味を試してみたいので!!!」
帰る道中、明日の予定をどうするかと話しながら帰っていると家に着き・・・ボソッと3人に礼を言い剣をもって自分の部屋に入ると――――――
「ハルトは私が召喚した使い魔なんだから・・・簡単にくたばってもらったら困るんだからね!!だから・・・今日の事は気にしなくていいわ。
でも・・・・ハルトがどうしてもって言うのなら・・・300万ゴールドほどくれちゃっても・・・・いだだだだ!?この流れはくれる流れでしょうがッ!!!」
「ほら、メルト・・・私たちは部屋に戻って寝ますよ~~~それではハルトおやすみなさいです~ふわぁぁぁ~」
「それじゃ私も寝るとするか・・・ハルト、体をしっかりと休めておくのだぞ?」
魔王は何だかワクワクしたような顔をしながら自室に入り・・・今日の事に対して俺は3人に感謝はしているのだが帰りに話していた明日の害獣駆除の話がエラく気にはなっていたがそこまで酷いモノを駆除することもないだろうと安心して眠りについたのだが――――――――――――
翌朝、張り切って起きた魔王たちに無理矢理起こされ・・・適当に朝食を済ませると、さっそくギルドで害獣駆除の依頼を選び始め・・・魔王の選んだ害獣駆除の案件が採用されてすぐに移動するが・・・・
「おい、この竹林って・・・・もしかして猛獣系じゃないだろうなッ!?
猛獣系じゃないだろうなッ!?!?!?」
「ハルト、二度も同じこと言わなくてもちゃんと聞こえてるわよ?
でも、ハルトにしてはいい読みね・・・・そう、今回は猛獣の中の猛獣・・・シマシマタイガーのガルルングよ!!!」
「ってッ!?メルトッ!!!!後ろにガルルングがいますよ!!!!」
「もらったぁぁぁ!!!!」
魔王は縦一閃に切り倒し・・・メルトが動いていれば真っ二つになっている程に見事に断たれており、ガルルングも何かしたわけではないのだが魔王に駆除されていた。
「ちょッ・・・ちょっと!!!危ないじゃないの!!!私諸共切ろうとしてなかった!?そうよね!?きっと一緒に切ろうとしてたわよね!?!?どう思うキルりん!?」
「ん~そうですねぇ~~それはそれで良いとして、魔王の剣は実に見事な切れ味ですね!!!私には到底扱えない大きさの剣を軽々と・・・・
ですが、私のこの新しいダガーで・・・・んあ?何ですか??このねばねばした液体・・・・わッ!?」
「ハルト!!!キルりんの岩の方にもいるぞ!!!」
「あいよ!!!猛獣相手にするとは思ってなかったが・・・鞘で叩いても何とかなるだろ!!!!おりゃぁッ!!どうだっ!」
「甘いわよハルト!!!!やるなら徹底的にやっちゃわないと駄目よ!!!
――――――――――燃えろメラメラボーボー!!!」
叩いただけではガルルングを気絶させることもできず・・・それを見ていたメルトが適当な魔法を唱えると現れた火がガルルングを飲み込み骨だけにしていた。
「お前やりすぎだろうがッ!!!こっちまで少し焦げたわッ!!!
だ、大丈夫か?き・・・キルりん??」
「何か言いたいことがあるのであれば言って聞かせてください・・・・私が多少焦げている事について謝りたいというのであればそれはよし・・・NO言えばメルトをキル!!!!」
「ご、ごめん・・・キルりんを助けようと下だけなんだけど・・・ハルトは別として・・・あぁ・・・キャラメルあげるから許して?」
「そんな下らない事をしている暇はなさそうだぞ!!!見ろ!!仲間の窮地に駆け付けたガルルングの群れがこんなにも沢山!!!あぁ・・・・何て言う斬り甲斐のある害獣駆除なんだ・・・・サイコーだ!!!」
と、魔王は俺たちを置き去りにして試し切りに行ってくると言ってガルルングたちと竹林の奥へと消え・・・ガルルングの断末魔的な鳴き声が聞こえたあと、魔王はガルルングの足に縄を括り付けて引っ張って戻ってきた。
「どうだハルト!!これなら問題ないだろ??
で、この狼煙を上げればいいのだったな??えいッえいッ・・・・」
「ホラ、貸してみ・・・・こうやってやるんだ・・・よっと。」
「さすが狼煙マスターハルト。
で、予定以上にガルルングを狩れたのはいいのですが・・・規定数を超えた分の報酬出るのでしょうかね??」
「出る出ないじゃなくて貰うわ!!!だって頑張って頑張ったんだもん!!ちゃんともらえるものはもらわないと!!!うぇへへ・・・いくらになるかしら~~」
メルトは悪い顔をしながらにやにやと笑い・・・狼煙を元にやってきた業者にガルルングを持って帰ってもらい、引き換え用の紙を受け取ると俺たちはギルドに帰り報酬をもらう事になったのだが・・・・
「ハァッ!?予定数以上の討伐は絶滅する可能性があるから減額ゥ!?
あんた、そんな事最初に入ってなかったじゃないの!!!って・・・アレ?やめて・・・・警察は止めてェ!!!酔ってないから!!!全然シラフだから!!!もぅわかったわかったから・・・その報酬額でいいから・・・グスン・・・」
「あぁ・・・全部聞こえてたが・・・合計でいくらになったんだ?減額されて・・・・」
メルトはしょぼくれた顔をしながら金の入った袋を目の前に置くと・・・想定以上に軽い音が響いた――――――
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