10日目 死の宣告に参りましたぁ♪

翌朝、目が覚めると・・・・俺は暗い空間で目が覚めた・・・・

そこには何もなく・・・目の前に祭壇のようなモノがあったくらいでいつもうるさいメルトの姿も暗殺ロリなキルりんの姿もどこにもなかった―――――


すると、突然黒い翼を生やした天使が空から舞い降り・・・俺に挨拶をしてきた。


「ヤッホー私は死の天使のアズラえるだよ♪

君に死の宣告を伝えに来たんだ!」

「そうか、なら引き返してくんねぇ??

目が覚めたらこんな場所にいるわ、何なんだよここの異世界の連中は!?どんだけ人を振り回したら気が済むんだ!!!

つ~か、ここまで来て・・・死の天使が出てくるとか急展開すぎんだろ!!!

――――――――空気読めよ!!」

翼をしまい・・・ヒールをこつこつと響かせながら俺の後ろに不意に瞬間移動しすると・・・気が付いたころには巨大な鎌が俺の体を抉っていた―――――


「ん~ガチで狙ったつもりだったケド・・・君ィ~マジで何者??

この鎌で抉れないソウルはないはずなんだけど、おっかし~な~エイッ!!!エイエイエイ!!!え~い!!!頭ならどうだッ!!!」

「アズラえる・・・だっけか???このはこの異世界に来てから、ココでは俺は絶対不滅の不死者らしい。

――――――つまりだ、お前の死のお告げも宣告も無効ってわけだな。

でだ、頭の狂ったバカな魔法使いとを持つ暗殺者のいる場所に帰してくんねぇか???」

不死者と言う単語にアズラえるはチェーンで繋いだ小さな本を取り出し、ページをペラペラとめくり・・・とあるページを読むと、驚きの余り声を上げた。


「うわ、びっくりした!?どうしたんだ??まさか帰せないとかいうんじゃないだろうな???」

「えっと、君を・・・ハルトを帰せるのは簡単なんだけど・・・私たち死を司る天使は対象者が死ななかった、場合、その対象者がスキを見せるか死にそうになるまで一緒に同行しなくちゃいけない決まりがあって・・・ダメもとでき――――――」

アズラえるが何か嫌なことを言おうとした瞬間・・・アズラえるの口を塞ぎ発言を途中で止めるが、アズラえるも必死なのか・・・俺の腕を切り裂いて無理矢理に話を続けた。


「えっと・・・私を助けると思って協力してくれないかな???

今回のチャンスを逃せば魂狩りの正社員になれないのよ・・・・ね?

―――――――お願い!?」

「お前、ダメ天使なのか・・・・んな事はどうだっていいんだよ!!!そんなことより俺を元いた場所に帰して―――――」

やっと俺の思いが通じたのか・・・アズラえるは考えてから手をポンっと叩き提案してきた。


「よし、それじゃ・・・「君がまで私と一緒」の条件を飲めば私もハルトを元いた場所に戻してあげるよ??これでどう??」

「くッ・・・天使のくせにハッピーじゃない提案だが・・・この状況じゃ仕方ない!!わかったから早く元いた場所に戻してくれェェ!!!」

なんとも滅茶苦茶なアズラえるの条件を飲むと、アズラえるは不思議な粉を振りまくと意識がだんだんと薄れていった。


「おぉ~~~いおっきろ~~~朝だぞ~~~」

「んん??何だってんだ??くそ・・・嫌な夢を見て・・・・あぁ・・・こう言う事ね・・・悪夢じゃねぇか!!!」

俺の隣で煩い声がしたかと思えば・・・あの不思議な空間にいたダメ天使が寝転がっていた。


「お前・・・マジで来たんだな・・・」

「うん!マジで来ちゃったっス!!!ハルトのお命を奪うためにね!!!」

「ねぇ、ハルト~~起きてるなら早く出てきなさいよ~~

モーニング食べたら狩りに行くわよ!!

―――――・・・・えッ!?ハルトが女をベッドに連れ込んでる!?」

「メルト、常識的に考えて勝手に入ったらダメ・・・・じゃ、ない・・・です・・・か?

―――――――こんな所にも非常識なハルトがッ!?」

この場面で見つかるとは思いもしなかったわけではないが・・・アズラえるが俺を狙ってここまでやってきたと言う事を説明し、自己紹介を済ませた所で酒場で食事を済ませてさっそく害獣駆除のクエストに出発した。


「のわぁぁ~~~お前らぁ~~早くコイツを何とかしろ!!!!」

「何々!?巨大イノシシとかけっこしてるの!?私も走る走る♪」

「ちょッ!?あの天使さんが邪魔でハルトだけならともかく・・・死の天使にカスリでもしたら何をされるのやらで怖いのですが!?」

「そ、そんなこと言ってる場合!?

早くしないとイノシシが逃げちゃうわよ!!!

こうなったら・・・炎よ貫けゴー・バウ!!!」

メルトの放つ炎の魔法はアズラえると俺の腹を貫通してイノシシに直撃して倒すことができたのだが――――――


「メルト!?先ほどの魔法が天使さんにも直撃したように見えたのですが!?」

「いや、見えたじゃなくてモロに貫通してたぞ??アチチ・・・お前はもう少し手加減と言うやつをだな・・・」

「えっと・・・アズラえる??さっきの魔法はワザとじゃないから・・・ノーカンと言う事で―――――」

「大丈夫大丈夫・・・体を貫いただけだから・・・超痛かった・・・」

体を貫くのに少しも何もないと思いつつ狼煙を上げて回収してもらうと・・・次のイノシシを見つけに移動すると・・・


「ハルト、いましたよ・・・あそこにいますよ・・・今回もさっきと同じような作戦で・・・・」

「そうだな・・・それじゃあとは任せたから―――――――」

「この丸っこくて大きなイノシシを倒せばいいんでしょ???えいやッ!!!!」

「あの天使・・・マジでやっちゃったわ!?

ハルト!!あれ・・・マジで本物の死の天使じゃないの!?

だって見たでしょ??あの魂狩りソウルレイズ!!!

って・・・アレは討伐のカウントに入るのかしら??」

狼煙を上げると・・・運送者がやってきて、きっちりカウントしてからイノシシをもって帰って行った。


「それにしても驚きました・・・まさかあの大きなイノシシを一撃で倒すとは・・・・死の天使の前ではすべての魂が無に等しいと言う事ですね・・・」

「そう言う事ぉ~でも制限があって・・・人とかこの世界を動かしているだったりする生き物は無闇に消しちゃダメだって言う決まりなの。

だって、衝動で殺りたい放題にしちゃったら世界がめちゃくちゃになっちゃうでしょ??

権力者だったり魔王だったりどこかの王様だったり??」

「それなら私は大丈夫そうね!!!」

「いや逆だろ!!!お前はキーはキーでもトラブルを起こすキーであって、世界を回すだけの力も頭も何もないだろうが!!!」

メルトの勘に触れたのか・・・メルトは息を漏らしながら俺に掴みかかり、力勝負を仕掛けてきたがこちらは力勝負では負ける気はせず・・・グイッとメルトをエビぞり状態にまで押し込んで泣かすと、今回の害獣駆除を引き上げて報酬をもらって家に帰った。


「それじゃ、俺から風呂に入るから・・・・ふんふふ~ん♪」

「――――――やぁ~ハルト~待ってた・・・・」

風呂場のドアを開くと浴槽に浸かるアズラえるが羽をパタパタとさせるのが見え・・・その瞬間にドアを強く閉めると奥からアズラエルがドアの前にやってきた。


「ねぇねぇ~一緒にお風呂入ろうよ~~~ねぇねぇハルト~~~ハルトってば~~」

「だまらっしゃい!!!こんな場面を2人にでも見られたら本当にデキてるとか思われるだろうに!!!!

言っておくがお前は気にしないだろうが俺は気にするんだよ!!!

わかったら、さっさと交代して出てってくれェ!!!」

怒鳴り散らして咆えたがアズラえるは気にせずドアを吹っ飛ばし・・・俺の腕を掴んで浴槽に投げ込み、ホールインワンしたところでアズラえるは沈んだ俺の隣にそっと浸かった。


「ハルトってばもしかして女の子と一緒にお風呂入るのが恥ずかしいの???」

「ぶはぁッ!?そ、そんなんじゃないわい!!!ただ、お前との関係が悪化しないようにだな・・・・」

先程投げ込まれた衝撃で湯気が立ち上り、その衝撃音を聞きつけたメルトとキルりんが風呂場に駆け付け・・・中を覗くが・・・・


「やぁ~2人とも~ここのお風呂はいい湯だね~~~」

「それはいいのですが・・・ハルトはどこに??

ハルトが帰って来るや否や最初に入るとか言い出して消えたはずなのですが・・・・」

「何だか怪しいわね・・・それにこの湯気は普通じゃないわ!!!

――――――――霧払いミストバニッシュ!!!」

「お前なぁ・・・こういう時に限って頭が回るって・・・どういう作りしてんだよバカ野郎が!!!!!」

メルトの魔法で湯気が無くなったと思えば・・・アズラえるの後ろに隠れていたのが簡単にバレ・・・騒ぎになるまでマッハであった―――――――――



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