『無音の温もり』

たまに、理由なく涙が流れる時がある。

そんな時、強がりな私は、誰にも見せずに泣いてきた。

今日も、誰もいない部屋で泣いていた。

だけど。

空気を読まずに部屋に入ってきた君は、部屋の片隅で泣く私の背中に、自分の背中を合わせた。

何も言わない君の体温は私を慰めるようで。

人の温もりがこんなにも涙腺を刺激することを私は初めて知った。

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