08-07 いま少し考えただろ
千代田怜が滑る段になると、俺と柳井さんは話に戻った――わけではなかった。例の負のオーラが頭をよぎったのか、二人して
千代田怜は、俺たちに気づいたらしい。
最初、俺たちを
その後は俺と柳井さんも女連中と合流して
ただ、
まあ二時間も遊べば
こうして手稲プールから
文化棟玄関前へ到着したのは午後三時二〇分。
玄関前に柳井さんと千代田怜の車を横づけして、
そりゃそうだよ。水泳とは言わないまでも、水中での運動はスポーツの中でも
「なあ怜よ、お前……本当にこのあと夏祭りに行く気か?」
問われた怜は、少し口ごもったあとムキになった。
「……あ、当たり前でしょ!」
「いま少し考えただろ。いま少し考えたよなあ」
俺の
「千代田さん、夏祭りまだ明日ありますから今日は
と、ちばちゃんに
って、俺は悪くないよな?
千代田怜の
気を取り直して荷物の運び出しを
「
「あーサバゲーか」
「マルイのG3SASHCだ。
榛名はケースを開けて銃を取り出した。
「これはサブマシンガンか?」
「うんにゃ、アサルトライフルだぞ。とは言ってもかなり
「なるほどな。俺にはサッパリだが、やはり銃を見ると
「軽いぞ。女でも扱いやすいってことでMP5
「榛名は前回VSR―10なんて持ってきてたからな。いきなりエアコッキングなんてみんなして笑ったもんだが」
と柳井さんもにやにやしながら話に加わってくる。のだが、
……まったくもって話についていけねえ。
「いや、あれも親父から借りたやつだからさ……。今回は会長やペストマスクの人に色々アドバイスもらってたから助かったけどな」
「ペストマスクの人?」
「有明の定例会によく遊びにくる人で、ペストマスク
荷物を降ろし終わり、解散となった。
翌日、八月十四日の正午。
文化棟のオカ研部室に到着した。
こっちの世界の三馬さんとお会いできるからだ。
部室のドアをあけると、柳井さんと竹内千尋とちばちゃんが部室にいた。
霧島榛名は午後は模型研で
「そういえば怜は?」
「ああ、千代田なら夕方に部室にくるようだぞ。疲れが出たんだろう」
怜の疲れは
そりゃ俺たちでさえ昨日はぐったりしてたのに、一日でサークル旅行を組み立てて、それをこなし切ったんだから。とはいえ、そんなに頑張らなくたって夏休みはまだつづくだろうに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます