06-05 様子を見にきただけだから
そもそも霧島姉からして大きいのだから、ちばちゃんも大きいのは
幸いそんなことはなく、霧島榛名は大きく、その妹の
と、いうことは――
俺の中の意識が
そう、千代田怜、青葉綾乃、霧島千葉の順に背が小さくなって行くのに
何カップとかは知らん。とりあえず本人に訊いたら刺されることは確かだ。
――
言い方をかえれば、ショート、トール、そしてグランデ。千代田怜に関してはSSと言ってもいいかもしれない。控えめなものにさらにスーパーが付くのだ。スーパー
――ちなみにここ最近の日本人はAカップが激減しているらしい。
日本全体の約八パーセント。それよりも小さいと言うことはつまり、レア度的にはSSRなのかもしれない。つまり星5だ。……いや、星5って、1%だよな。てことは、星4? 星4って何パーセントだっけ?
まあレアだ。
そんなことを考えているうちに、なんてことだ! 俺の
どうも青葉綾乃が調子に乗ってちばちゃんの胸を千代田怜の背中に押し付けているらしい。
ときどき聴こえてくるちばちゃんの「……嫌………やめて」という囁くような
って! なんだこの白い光は。光どけろよく見えないだろ!
……ダメだ、すっかりのぼせちまった。
……マジもう無理。
……ちょっと休ませてく……れ……。
ドンという音に気がつく。
遠くから聞こえてくるその音が花火だと気づいたときには、すでに暗くなっていた。
また入れ替わりか?
……いや、しばらく寝ていたのか。
「目が覚めた?」
女の声が近くにあった。
意識を天井に向けると、
「なんだ、怜か」
「なんだって、なんだよ」
そうは言ってみたが、先ほどまで妄想とはいえ、
……ていうか、なんで男子部屋にいるんだよ。
だがそんなことより、怜の吐息が妙に俺の首辺りにかかる。
……これは、少なからず動揺を誘う。
そもそも、こいつは黙っていれば
ふだんは
「ああ、いや悪い……なんだ、付き添ってくれてたのか」
「え? いや、そんなんじゃなくて……いまさっき様子を見にきただけだから」
顔をそらし、頬を染める千代田怜。
顔を別へと向けてくれたお陰で、彼女の
ふだんなら、そんないじらしい
……今回ばかりはちがう。
露天風呂での妄想による裸体、さきほどの吐息、そして、本人は気づいていないが絶妙に崩れた浴衣姿。このようなものが目の前にあれば誰だって
――だが、胸は無い。
いや、今回は口に出しては言わない。面倒見のいい怜のことだ、いまさっき来たというのも嘘だろうし、てことは数時間とはいわないまでも、しばらくのあいだは付き添ってもらってたってことだろう? そんな相手に胸のことをとやかく言うほど俺は
「みんなは?」
「晩ごはんが終わって花火を見に行ってるよ。ロケハンで最初に行った湖岸」
そういえば夜になったら花火大会があるって言ってたな。てことは、いまは夜の八時?
「磯野も行く? 晩ごはんは旅館の人にとっておいてもらってるから、もしお腹空いてるならさきに食べてからでも大丈夫だけど」
「大丈夫だ。まだ食欲ないし俺も行くかな」
そう言って上体を起こすと、若干のふらつきがあった。それでも、風呂に行くときよりはマシになっていた。やはり三時間程度といっても睡眠は大事だな。
そのまま立ち上がろうとしたとき、俺の
かたむくさきには、同じく立ち上がろうとする千代田怜。
「きゃっ」
女の子らしい小さな悲鳴が部屋に
え?
気がつくと千代田怜を押し倒した状態。
互いの顔と顔がもう少しで触れ合いそうになる距離にあることに気づいた。
目を見開いて俺を見る怜。
――ヤバい、めっちゃ可愛い!
いやいや……いかんだろ、これは。
気まずさに腕に力を入れて体を起こそうとしたとき、
「……まって」
花火と重なりながら、囁くような声が、耳に届いた。
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