風が吹いている

空気を裂いて激流のような風が

人や葉を、モノを吹き飛ばし

風はごうごうと音をたてて吹いている

木はしなり、葉がこすれ合い、建物が揺れる

物干し竿がしなり、金属同士がぶつかり合う音がする

風が吹くだけで色々なものが変わっていった

空は曇天、雨粒は刃、切れる電線、暗い街

騒ぐ人の声、告げる警報、闇に光る携帯電話

昔ならば呪いだの怒りなど言われていたと思う

それか「そういうものだ」と納得していたかもしれない

千年以上経って分かったのは知識と便利

また千年後など天候を操れるに違いない

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