くも

八本足の怯えが今も

大地の震えで敏感になっていた

巨大を恐怖に

地響きを畏怖に

本能のままに

怯え慄き暮らすのが人生と

口にする餌もなく迷い込む

適当ですむならそれでいい

出会いもなければ別れもなく

欲が疼けば素直に吐いた

朝には空っぽの白澄の空

涙も出ない青の空

いつになったら雨が降るのと

そうしたら張り巡らせた糸に滴り

月夜に輝けば、この巣も素敵と

誰かの睦言が聞けるはずなのに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る