第9話 おとたまがきた!!!

きたんです。

おとたま。


もう帰っていったんですけど。


数か月前に連れ合いを亡くしたおとたまが。


まあてておやの視点から見た母親と、子供(私)から見た母親とは、

だいぶ違った温度差があるかとは思いますし、それでも亡くなった瞬間に、

(実況中継を受けてた)私に「お疲れ様」と言われたてておやですから。


はっきり言ってプラスにもマイナスにも、まだショックの波を抜け切れてません。


私のほうもそれを知ってて、

やれおススメのカレー屋さんあるから食べに行こうとか、

いろいろ誘ってきたわけです。


で、今回の下り。


前からてておやは、「もうちょっと落ち着いたら」「もうすこし寒くなったら」と、渋ってたんですが、今回落語会があるから行かないか、

との誘いに乗ってきたんです。


ここでもその落語家さんのお名前を出していいのかどうなのかわからないんで、

師匠とお呼びしますが。


その師匠の落語を聴けるのは、今回が最後かもしれないという方で。


私は最初付き添いで、と思ってましたが。


結果。


良い。


これにつきます。


落語会、という今回、その師匠含めて5名の噺家さんが来、

入れ替わり立ち代わり、本当にその弁だけが売りという中で、

私初寄席だったんですけれども、この噺家さんたちに強烈に引き付けられました。


また行って帰ってな作業になるんですけども、お付き合いいただけたら幸いです。


まずひとりひとりの噺家さんの、いわゆる「名字」部分。

ああ、この方は〇〇師匠系列だな、この方は××師匠だな、とはっきりわかる。


で、5名のうち一番初めに出た方って、言い方悪いんですけども、

下っ端だと推測します。


でもね、その方がまた良い仕事されていた。


私落語を聴いたことありませんが、そのAさん(にしましょう)、

自分が話し終わったあと、続く3名の座布団を、毎回話し終わると出てきて、

くるっと一回転して去っていくんです。


毎回その繰り返しなんですけれども、まあ行儀がいい(?)


それと着物。


落語お初な人間の言うことですから、右から左へと流してくれると助かりますが、

Aさんだけ羽織?着てなかったですね、今思い出すと。


そのあと続く4名の噺家さんたちは着てたと思います。

それで、その羽織を脱ぐタイミング、ってのがわからない(笑)


・・・今ちょっと調べましたら、ああそういうことだったのか、

と思いましたが、まっさらな状態から感想を言ったほうがいいかなと言うことで。


でもねえ、大御所(師匠)の体調は、噺家さんそれぞれも気を使ってたみたいで、

話口調にも出る方もいましたが、聴く私自身もだいじょぶか!?と、

ホントに師匠が出てくる「まで」やきもきしてたことも事実です。


それだけ体調が悪いのも関わらず、良く出てきてくれました、師匠、天晴!


吸入器つけてはいましたし、からだ本体(?)も、ものすごく痩せてましたが、

話し出すとああ、師匠が今、目の前でしゃべってるんだなぁと、

感慨深かったんです。


だってね、私と父親が座ってた席が、舞台に近くて!

取ってくれたのが私の旦那さんでしたが、良い席取ってくれたなぁと思いました。


そうそう、ナマ落語ってね、例えて言うなら流しの芸人さんが次々出てくる、

みたいな。


コンサートとかライヴとかって、大まかに曲決まってるじゃないですか、

だいたい。

落語って、大御所以外は、決まってないみたいなんです。


それというのも、その日の天気や時事ネタ等をちりばめるもんですから、

そりゃ決めらんないよね、って。


あとは落語家なんて、右向いて、左向いて、また右向いてしかやりませんから、

とかね。


この右向いて左向いて~ってのはまあ、わかるんです。

噺家さんなんてそんなもんです、右向いて「Dさん役」左向いて「Gさん役」。

それが面白いって人がこんなにいるんですもんね。


リアルな高座の上は、きっと景色が違うんでしょうなぁ・・・




~~~~~~~~~~~ちょっと数日空いてしまってからの更新です~~~~~~~~~~~~


落語のお話は、いずれまた、ということで。


まあ父親と私、師匠が話して聴かせてくれた数十分のうちに、笑ったり、

時に涙したりしてましたが、そろそろお開きと言うことで、

盛大な拍手を送りまして。


ああいうとこって投げ銭とか無粋なんだろうか。

そうまで思った数十分でした。

トリは1時間弱だよ、しゃべってたの!

後で時計見て、そんなにしゃべってたの!?って驚いた。


で、おとたまがお土産買ってくっていうもんですから、

だったらこういうのはどう?と聴いたら、

それにするといったんで、途中下車してk界隈に到着。


そこだったら、昔母親連れてきたうどん屋も近いから、と。


父親曰く、そういうのお母さんがやってたからと、

オレ何やっていいのかわかんなくて、と。

そのお土産屋さんについたら、まあお菓子が右から左へずらーーーーっと(笑)


おススメは、と父親が聞いて、日持ちするものをと言ってから、

店員さんと父親に任して、私は「傍観者」となり、

お店からどうぞと出されたお茶をすすり。


父親決まったみたいで、買ってきてからのうどんコンボ、と。


まーねー・・・

最初はねー・・・


母親の面影がだいぶ薄れては来てるんですが、ありゃ一生消えないだろうなーと。


「お母さんには切ってやってたからなぁ。」と、

そのうどん屋さんに行くたびに言われるんでしょうなぁ・・・


まあいいですけど。

死ぬまで私は娘なんで、できるだけいい方向へと策略してますが。


そして自宅へ帰り、翌朝てておやは「どうもありがとう」の書置きを置いて、

去っていきました。


私はまだベッドの上で、なんかガチャガチャやってんなー、

ああもう行ったなーと、朝弱いもんでぼーっとしてたみたいです。


父親は嫌いではないけど、生活リズムが狂っちゃうんで厄介なんですよね。


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