11―12

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『フェリア帰還』『フェリス帰還』『ルート・ドライアード帰還』『ルート・ニンフ帰還』『ユキコ帰還』


 僕は、『キャンプルーム』へ戻った後、フェリアたちを帰還させた。


「じゃあ、皆さんも店に戻ってください」

「畏まりました」

「ご主人様、失礼いたします」

「ご主人さま……おやすみなさい……」

「おやすみなさいませ、ご主人様」

「はい、おやすみなさい」


『プリティ・キャット』の店員たちが『プリティ・キャット・裏口』の扉から店の地下へ戻っていった。

 扉が閉じられた後、『プリティ・キャット・裏口』の扉を『アイテムストレージ』へ戻す。


『エスプレッソコーヒー』


【料理】スキルでテーブルに『エスプレッソコーヒー』を出して席に着く。


 僕は、『エスプレッソコーヒー』を飲みながら、パーティメンバーが『オークの砦』から帰還するのを待った――。


 ◇ ◇ ◇


 ――ガチャ


「あるじどのぉー!」


 カチューシャが扉を開けて文字通り飛んで来た。


「あ、お帰りなさい」


 そして、いつものように僕の腕に抱きつく。

 カチューシャは、かなりの高齢のはずだが、十代前半で刻印を刻んだためか、口調の割に幼い行動をすることがあるように見える。

 彼女の歳を考えると若干引いてしまうときもあるが、見た目は中学生くらいなので、こんな金髪ゴスロリ美少女に懐かれるのは悪い気はしない。


 一年のときに同じクラスだったオタ友達なら、大喜びして卒倒しそうなシチュエーションだが、僕の好みは、もっとお姉さんタイプの女性なので、そこまでは舞い上がらずに済んだ。


 ――まぁ、【戦闘モード】を起動すれば冷静になれるけどね……。


 ただ、それも良いことばかりではない。

 自分が常に冷静な賢者モードのような状態になったと想像していただければ分かるだろう。喜怒哀楽があるからこそ、人生は面白いのではないだろうか?


 刻印を刻んだ者にも強い感情はある。

 最近では、パーティメンバーを貶したパトリックに対して強い怒りを感じたことがあった。

 しかし、【戦闘モード】を起動した瞬間に怒りの感情は吹き飛んでしまったのだ。

 ただ、平時の状態では、過去の怒りの場面を思い出すと怒りが込み上げてくる感覚はある。

 記憶力が上がった分、鮮明に思い出せるから尚更だ。

 パトリックの場合は、死んでしまったので、今となっては憐れに感じているのだが……。


「ユーイチ」

「お帰りなさい、クリス。今日は、早かったですね」

「ええ、カチューシャ様が言っておられた通り、わたくしたちも撃って出たからでしょう」

「妾が言った通りじゃろう?」

「え、ええ……」

「まっ、オレは、帰るのが早くなって嬉しいぜ。カチューシャ様々だな」

「カーラは、お気楽過ぎですわ」

「面倒事は、早く終わったほうがいいじゃねーか」

「そうね」

「『オークの砦』は効率が良い。ここのところ、毎回一万ゴールドぐらい稼げているからな」

「マジかよ!? オレの倍以上じゃねーか!」

「確かに凄いですわね。わたくしも五千ゴールドくらいですわ」

「そのエルフは、広範囲攻撃魔法を使っておるから、倒したオークの数が多いのじゃろう」


 カチューシャがそう言った。


「確かにレリアの魔法は強力だわ」


 レリアには、精霊系魔術以外の他の系統の【魔術刻印】を刻んではいない。

 彼女は、精霊系魔術のスペシャリストなのだ。

 そのため、レリアの放つ精霊系の攻撃魔法は、かなり強力なダメージをオークに与えているのではないだろうか。


「レリアの【ブリザード】は、オークを一撃で倒せるようになった?」

「いや、高位魔術の【ブリザード】とはいえ、一度の攻撃でオークを倒すのは無理だろう……ユーイチには倒せるのだろうが……」

「まぁ、【ブリザード】なら余裕で倒せるけど……」


 僕の使う【ファイアストーム】や【ブリザード】は、今やトロールですら一撃で倒せる威力になっていた。


「ホントかよ!?」


 何故かカーラが驚いた声を上げた。


「何を驚いておるのじゃ。主殿にとっては、オークなど雑魚に過ぎん。【ブリザード】どころか【マジックアロー】でも大型種を倒せるじゃろうて」

「ユーイチ、それは本当なの?」


 クリスティーナが真剣な表情で聞いてきた。


「ええ……まぁ……」

「ユーイチくんって、本当に凄いのね!」

「じゃあ、あたしたちもユーイチの【マジックアロー】を受けたら死んじゃうのかしら?」

「それは、試してみないと分かりません……装備にもりますし……」

「カーラで試してみては?」

「待て!? 止めろよ? ユーイチに攻撃されるところを想像しただけでチビっちまいそうだぜ……」

「死んでもあたくしが蘇生してあげますわよ」

「待て! 待て! ユーイチも本気でオレを攻撃したりしないよな?」

「じゃあ、僕の貞操を狙ってきたら攻撃しますね」

「な、なん……だと……」

「カーラは、一度攻撃されるべきですわ」


 僕は、疑問に思っていたことを聞いてみることにした。


「そういえば、死んで蘇生された経験がある人は居ますか?」

わたくしたちは、経験ないわ」

「あたしは、あるわよ」


 アリシアがそう言った。

 彼女は、闘技場で剣闘士をやっていたので、負けて死んだことがあるのだろう。


「仮死状態の意識は、睡眠状態と同じなのですか?」

「ええ、そうね。体力がゼロになった瞬間に意識が途絶えたと思ったら、蘇生されて地面の上で寝ていたという感覚ね」

「なるほど……」


 僕がゴブリンの巣穴で魔力――MP――がゼロになったときと似ているかもしれない。

 MP切れの場合、意識を失うのは、ほんの一瞬のことなので、通常だと倒れたりはしないのかもしれないが……。


「じゃあ、みんなでお風呂に入りましょう」


 クリスティーナがそう言った。


「さぁ、主殿。今日も妾の胸を吸ってたもれ……」

「…………」


 僕は、カチューシャに腕を引かれて『キャンプルーム』の浴場へ向かった――。


―――――――――――――――――――――――――――――


 翌日の8月11日(日)は、先週の日曜日と同じようにパーティメンバーと一緒に『プリティ・キャット』の地下から、『夢魔の館』へ移動した。

『ローマの街』では、まだ昼前だったが、時差の関係で『夢魔の館』では、既に午後6時を回っていた。


 僕が『夢魔の館』の地下食堂に入ると、クセニアが『アスタナの街』の教団の幹部を連れて挨拶に来た。


「ご主人様。こちらがアスタナの教団のご教主、アリーナ様です」

「初めまして、アリーナと申します」

「どうも。ユーイチと言います」


 アリーナは、外見年齢が30代後半くらいに見える女性だった。

 身長は、170センチメートルくらいで、髪型は金髪のロングヘアだ。教主らしい豪奢な白いローブを着ていて、ローブの胸元の膨らみはかなり大きい。


「ふふっ、クセニアに聞いていた通り、可愛い御方ですわね」

「い、いえ……」


 アリーナが外見通りの年齢なら、僕くらいの歳の子供が居てもおかしくはないだろう。

 ただ、教団員は、尼僧やシスターのように結婚できないようなので、アリーナもおそらく独身だと思われる。

『女神教』の教団員は、女神に対する信仰はあるにしても、究極的には、商家以外で刻印を刻めるルートというのが暗黙のルールのようだ。


 この世界では、商家に生まれないと刻印を刻むことが極めて難しい。

 女性の場合は、『春夢亭しゅんむてい』の女将だったトモコのように大商家の男性に見初められて愛人となり、刻印を刻んで貰うことが稀にあるようだが、宝くじに当たるよりもずっと低い確率なのではないかと思われる。もしかすると、男娼でも同じようなケースがあるのかもしれないが、知りたくもないので、考えないことにした……。


 そんな中で『女神教』の教団員というのは、女性にとって刻印を刻める確率がそれなりに高い職業のようだ。

 とはいえ、幹部クラスにならないと難しいので、狭き門には違いないのだろう。

 ただ、『ウラジオストクの街』の教団では、騎士団制度のようなものがあり、比較的多くの教団員が刻印を刻んでいたようだ。

 この辺りは、教団ごとにポリシーが違うのだろう。


 アリーナの背後から一人の女性が前に出た。


わたくしは、マイアと申します。お見知りおきください」

「初めまして、ユーイチです」


 マイアは、スレンダーな体型の女性で、髪型がショートカットだからか、アリーナよりも少し若く見えた。身長は、アリーナよりも少し低いので、165センチメートルくらいだと思われる。金髪のショートカットでローブの胸元の膨らみは慎ましい。


 僕がマイアを見ていると、アリーナを挟んでマイアとは反対側から背の高い女性が前に出てきた。


「あたしは、ローザよ。よろしくね」


 ローザは、身長が180センチメートルくらいありそうな長身の女性だった。

 長い黒髪で胸は物凄く大きそうだ。

 外見年齢は、アリーナと同じくらいに見える。


「ユーイチです。よろしくお願いします」

「まぁ、礼儀正しいのね。可愛いわ……」

「ローザ、失礼よ」


 マイアが窘めた。


「申し訳ございません。ユーイチ様」


 アリーナが謝罪する。


「いえ、僕のほうがずっと歳下なのですから、謝る必要はありませんよ」

「ふふっ、ご主人様が寛大な御方で良かったですわ……」

「クセニアさんに聞いていると思いますが、本当に僕の使い魔になるということでよろしいのですか?」

「ええ、ご主人様にお会いするまでは少し不安でしたが、ご主人様になら全てを委ねられますわ」


 僕たちが話しているとレイコが僕の隣に来て耳元に口を寄せた。


「主様、湯船の中でゆっくりと話をされては?」

「でも、いきなり一緒にお風呂に入るのは……」

「彼女たちは、主様の奴隷になるのでしょう?」

「奴隷じゃなくて使い魔ね……」

「同じことです」


 アリーナがおそるおそる話し掛けてくる。


「あの……ご主人様? わたくしたちでしたら、覚悟はできておりますから、ご自由になさって下さいませ……」

「じゃあ、お風呂に入りながら、話の続きをしましょう」


 僕は、そう言って、浴場のほうへ移動する。


 すると、僕の前に数人の女性が移動してきた。

 ボンネル家の商隊の護衛をしていた冒険者のレーナたち3人と『ナホトカの街』の『セヴェルニ亭』でウェイトレスをしていたリリアだ。

 リリアは、確か『夢魔の館』で娼婦をしていたはずだが、最近は見かけなかった。


「ご主人様、お久しぶり!」

「お久しぶりですわ。ご主人様」

「ホント、久しぶりです。ご主人様」

「ご主人様……」

「レーナたちとは、お久しぶりですね。リリアも先週は、見かけなかったけど?」

「はい。この館に娼婦が増えて来たので、レイコ様の薦めで『紅梅亭』に異動しました。レーナ様たちにも会えますし、良かったですわ。ただ、ご主人様に逢う回数が減ってしまったのは残念です……」


 僕たちが話をしていると、レーナたちの背後に数人の女性が移動してきた。


「あたしたちも居るわよ」


『ニイガタの街』の冒険者リョウコだった。近くにリョウコのパーティメンバーたちも並んでいる。


「リョウコたちもお久し振り」

「レーナにユーイチ様が来られると聞いて、ウメコさんに頼んで一緒に来ちゃいました」

「お久しぶりですわ。ご主人様」


『紅梅亭』の女将、ウメコがそう言って前に出た。

 今日は、こっちに来ていたようだ。


「お久しぶりです」

わたくし、ご主人様にお逢いできる日を心待ちにしておりましたのよ。たまには、うちの店に顔を出してくださいな」

「そうですね。今度、寄らせていただきます」

「ええ、お待ちいたしておりますわ……」

「では、立ち話もなんですから……」


 僕は、彼女たちとの会話を中断して、浴場のほうへ移動した。

 浴場へ続く扉を開けて、浴場の中に入り、洗い場で裸になる。


『装備8換装』【エアプロテクション】【フライ】


【エアプロテクション】を一瞬だけ起動した後、【フライ】で湯船の真ん中付近まで移動して湯船に降りて【フライ】もオフにする。


 ――ザバッ、ザバザバザバザバザバザバ……


 背後から使い魔たちが次々と湯船に入ってくる音が聞こえた。

 その音を聞きながら、僕は湯船に腰を下ろす。


 ――ザバザバザバザバザバザバ……


 湯船の中で振り返ると僕を取り囲むように裸の使い魔たちが湯船の中を移動してきている。

 僕は、彼女たちの裸を見ないように目を閉じた。


 ――ザバザバザバザバザバザバ……


 やがて、湯船を移動する音が収まった。


「座って……」


 ――ザバーッ!


 多くの使い魔たちが湯船に一斉に腰を下ろしたため、湯船の水位が少し上がったのが分かる。


 僕は目を開けた。

 湯船の水位は、少しずつ下がっているようだ。増えた分のお湯は、溢れて排水口へ抜けているのだろう。


 僕の少し前には、アリーナが湯船の中で横座りをしていた。

 左右には、レイコやイリーナ、カチューシャやパーティメンバーたちが居て身を寄せてくる。


「アリーナさん。少し確認したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「ええ、勿論ですわ。何でもお聞きくださいな」

「クセニアさんから聞いていると思いますが、僕の使い魔たちの中には【エルフの刻印】を刻むことができる術者が何人も居ます。ですから、『アスタナの街』の教団員の人に【エルフの刻印】を刻むことができますが、その代わり、刻印を刻んだ人たちを僕の使い魔にします」

「はい。クセニアからご主人様にそのお力があることは聞いております」

「まぁ、僕自身は男ですから、【大刻印】を刻むことはできませんけどね。それで、刻印を刻むのは40歳以上の教団員に限定するつもりです」

「クセニアから、聞きましたわ。素晴らしいお考えです。40歳まで教団に尽くした者に対する褒美とすることで、教団員たちもより一層、身を入れて奉仕することでしょう」


 僕は、この機会に『女神教』について知りたかったことをいろいろと聞いてみることにした。


「ところで、教団員の方たちは、皆さん独身なのですよね?」

「ええ、そうですわ。我々は、女神様に身を捧げることを誓った者たちです」

「では、途中で教団を辞めて結婚される人は?」

「稀にそういう者も居りますわ」

「そのときは、どうされるのですか?」

「『女神教』の教団は、条件を満たした女性であれば、教団員として迎え入れますし、教団から去るのも本人の自由です。ただ、結婚した場合や男性と事実婚をしている者は、教団員としての条件を満たしておりませんから、除名いたします」

「なるほど……。『ウラジオストクの街』の教団では、娼館の経営をしているようですが、そういったことは『女神教』の教義として問題はないのでしょうか?」

「それは……難しいところですわ……。我々の使命は、女神様の元へ信者の皆様を送るお手伝いをすることです。わたくしたちは、女神様に身を捧げているので、売春や淫行どころか恋愛ですら御法度と考える者も居ますし、男性信者への奉仕活動の一環として問題はないと考える者も居ます。そういった収入が無いとあまり刻印を刻むことができないということもありますし……実は、わたくしどもの教団も娼館を持っておりますの……」


 ――それだと、僕の使い魔になるのは完全にNGなのではないだろうか?


 しかし、それを指摘するのはお互いのためにならないし、『アスタナの街』の教団の教主であるアリーナがその点に気付いていないとは思えない。


 僕は、話を変えるために別の質問をする。


「ですが、娼館の売上は、それほど多くはないのでは? 性病に感染したら、『女神の秘薬』が必要になるでしょうし……」

「そうでもありませんわ。普通の娼館とは違い、『女神教』が運営する娼館は、娼婦ではなく教団員が奉仕するので、お給金が必要ありません。教団員たちの生活は、教団が見ておりますから……」


 そういえば、前に『ウラジオストクの街』の教団でも同じような話を聞いていた。


「それに、街の有力者たちから多くの寄付を頂くためにも必要なことなのですわ……」


 アリーナは、悲痛な表情でそう続けた。


「歳を取った教団員は、どうなるのですか?」

「60歳で引退します。その後は、教団の援助を得て静かに暮らしておられますわ」

「教団内でですか?」

「いえ、別の場所に館を持っております」

「刻印を刻んでおられる方も60歳で引退されるのでしょうか?」

「いいえ、我々のように刻印を刻んで頂いた者は、永遠に教団に奉仕する義務が発生します」

「永遠にですか!?」


 僕は、驚いた――。


 それは、刻印を刻む代わりに永遠に働けということだからだ。

 自然の摂理に従って老化して死ぬのとどっちが良いか判断が難しいところだろう。楽しく生きていけるならともかく、辛いことが多いのなら、死んだほうがましかもしれない。

 ただ、刻印を刻んだときから老化しなくなるし、仮にモンスターなどに殺されても苦痛はないだろうという点で刻印を刻んだ体には利点が多い。


「ええ、刻印の刻まれたわたくしたちのこの体は、多くの教団員たちの犠牲の上に成り立っているのです。ご主人様のご提案により、全ての教団員に刻印を刻むことができる事となり、本当に感謝していますの……」


 アリーナは、ほっとした表情をしてそう言った。


『同僚たちの中で自分を含む少人数の者だけが刻印を刻むことができたという状況は、凄く心苦しいのかも……』


「『アスタナの街』の教団で刻印を刻んだ女性は、この3人だけですか?」

「いいえ、他にも15人の教団員が刻印を刻まれていますわ」

「まぁ、既に刻印を刻んでいる方は、使い魔になる必要はないです」

わたくしを含め全ての者をご主人様の奴隷にしてください!」

「それは、駄目です。本人が強く望んだ場合にしか使い魔にはしませんよ」

「本人が強く望めばよろしいのですね?」

「ええ、無理強いだけはしないでください」

「畏まりました。では、わたくしからご主人様の奴隷にしていただけますでしょうか?」


 アリーナは、そう言って姿勢を正した。

 正確には、湯船の中で横座りから正座になったのだ。

 大きな乳房が湯船から出て丸見えになる。


「わっ、隠してくださいよ」


 僕は、そう言って見ないように顔を背けた。

 アリーナの胸は、想像した通りの巨乳だった。


「ふふっ、主殿はいつまで経っても初々しいのぅ……」


 カチューシャがそう言って腕に抱きついた。

 小さな胸の膨らみが腕に当たるのを感じる。


「カチューシャさんもあまりくっつかないでください」

「ん? どうしてじゃ? いつも妾の胸を吸って居られるではないか……今さらじゃのぅ……」


 ――ザバーッ


「可愛い御方……さぁ、わたくしを好きにしてください」


 アリーナがすぐ近くまで接近してきた。


「じゃあ、使い魔になってもらうために母乳を吸わせていただきますね」

「え? それは……どういう……?」

「えっと……実は、今の状態であなたに召喚魔法を掛けても成功しないと思います。ですから、心理的な防壁を無くすために僕に授乳して欲しいのです……」


 僕は、言ってて恥ずかしくなってきた。


「勿論ですわ。わたくしなどの母乳でよければ、いくらでも吸ってください……」


 そう言って、アリーナは、大きな乳房を持ち上げて僕の口元に差し出してくる。

 僕は、アリーナの大きな胸に吸い付いた。


「あっ……ん……」


 僕は、アリーナから授乳された――。


―――――――――――――――――――――――――――――

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