6―36

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主様ぬしさま


 レイコに呼ばれた。ミナを連れて帰ってきたのだろう。

 これで全員がそろったので、トロール討伐に出かけられる。


「おかえり」

「あぁ……ぬしさまぁ……」


 レイコがマットに乱入してきた。

 そろそろ、トロール討伐に出かけたかったのだが、仕方がないので母乳を吸ってあげることにした――。


 ◇ ◇ ◇


 まだ、使い魔にはなっていなかった、元娼婦のアオイ、エリコ、ナツメと娼婦希望者のアヤカとリエを使い魔にした。


 栗色の髪をした小ぶりな胸のアオイは、スミレの使い魔にした。

 背が高く、巨乳で長い髪のエリコは、ユリの使い魔になった。

 ショートカットで巨乳のナツメは、マドカの使い魔にした。

 180センチくらいの長身で髪が長く巨乳なアヤカは、アヤメの使い魔になった。

 セミロングの髪型で小柄なロリ巨乳のリエは、年齢が近いスミレの使い魔とした。


 こうして、レイコの使い魔の系譜は、以下のようになった――。


―――――――――――――――――――――――――――――


■レイコ

 ●イリーナ

  ◆アザミ

   ・ヨウコ

   ・ハルカ

   ・トモコ

  ◆マドカ

   ・マキ

   ・ナツメ

 ●カオリ

  ◆イズミ

   ・ミスズ

   ・サヤカ

   ・トモエ

  ◆タカコ

 ●サユリ

  ◆サクラコ

   ・ケイコ

   ・ランコ

   ・メグミ

  ◆ユリ

   ・エミ

   ・エリコ

 ●ミナ

  ◆アヤメ

   ・チエコ

   ・マユミ

   ・アヤカ

  ◆ユキ

 ●アズサ

  ◆ショウコ

   ・ミチコ

   ・サツキ

   ・ミワコ

   ・ヤスコ

  ◆スミレ

   ・サトコ

   ・アオイ

   ・リエ

 ●ユウコ

 ●スズカ


―――――――――――――――――――――――――――――


 総勢41人だ。

 全ての部屋を回せる64人には届かなかったが、これでとりあえずは営業していけるのではないだろうか。

 人数を半分に分けて、奇数週と偶数週に割り当て、片方をリザーブとして、客が多いときには、ヘルプしてもらうという感じで回せばいいだろう。


 僕は、レイコたちの母乳を吸ったあと、湯船につかっていた。


『現在時刻』


 現在の時刻は、【01:11】だった。


『そろそろ、出よう……』


 僕は湯船から立ち上がった――。


 ◇ ◇ ◇


『ロッジ』に戻った僕は、使い魔たちに指示を出す。


「では、これからトロール討伐へ行きます。僕とフェリアとルート・ドライアードだけが、現地へ移動しますので、他の使い魔たちは、ここで待機していてください」

「「はいっ」」


 ルート・ニンフに指示を出す。


「ニンフたちを帰還させて」

「分かった」


 ニンフ1とニンフ2を帰還させた。彼女たちもトロール討伐の戦力だ。彼女たちの下に連なるニンフも居るからだ。


『ロッジ』


 僕は、『ロッジ』の扉を召喚した。フェリアを見ると彼女は、白い光に包まれて全身鎧の甲冑姿となった。

 そして、フェリアは『ロッジ』の扉を開けて外へ出る。僕は、彼女に続いて外へ出た。甲冑姿のルート・ドライアードが外に出て扉を閉めたのを確認してから『ロッジ』の扉を『アイテムストレージ』に戻した。

 僕の身体が回復系魔術のエフェクトに包まれた。フェリアがバフをかけ直してくれたのだ。


「じゃあ、見つからないように【インビジブル】をかけて移動しよう」

「ハッ!」

「御意!」


【インビジブル】【ナイトサイト】


 夜中なので、【ナイトサイト】も同時に起動しておく。ちなみに【トゥルーサイト】は、24時間起動しっぱなしだ。


「【ハイ・マニューバ】で一気に移動する」

「畏まりました」

「御意のままに」


 僕はフェリアを見てうなずく。


「フェリア、先導して」

「ハッ!」


【ハイ・マニューバ】


 フェリアが空中へ舞い上がった。

 僕とルート・ドライアードは、それを追う。


 あっという間に西門を超えた。

【ハイ・マニューバ】の速度ならば、富士山のふもとまででも、そんなに時間はかからないだろう。

【ナイトサイト】をかけているので、夜でも曇りの日程度の明るさで周囲が見える。

 久しぶりに空を飛ぶのは、気持ちが良かった。

【ハイ・マニューバ】は、空気の流れを感じられないので、その点は残念だったが……。


 フェリアが森の上空で速度を上げた。

 物凄い速さで地面が後方へ流れていく。富士山がみるみる大きくなった。ちょっと恐いくらいだ。

 10分と経たずにトロールの洞窟の前に着いてしまった。


 僕は、【ハイ・マニューバ】をオフにして、【フライ】を起動した。

【フライ】を移動に使うのも久しぶりな気がする。

 ここのところ、街中での生活であまり使っていなかったのだ。使っても問題ない『ロッジ』の中でも歩いて移動していた。

 洞窟の入り口の外側の壁を右に100メートルほど進んだところに移動した。


「ルート・ドライアード、ここに君の『密談部屋』の扉を出してくれ」

「御意!」


 ルート・ドライアードが『密談部屋3・裏口』の扉を出現させた。


「中に入って」

「了解です」


 ルート・ドライアードは、扉の中へ入った。


『密談部屋3』


 僕は、『密談部屋3』の扉を目の前に召喚した。

 扉を開けて中へ入る。

 中には、ルート・ドライアードが居た。


「裏口の扉を帰還させて」

「御意!」


 壁際に設置してあった『密談部屋』の扉が消えた。


「じゃあ、ここから出よう」


 ルート・ドライアードと一緒に外に出る。

 僕は、『密談部屋3』の扉を閉めて、帰還させた。

 これで、いつでもここに来ることができるだろう。

 フェリアとルート・ドライアードは、いつも僕についているので、連絡用の『密談部屋』は必要性が低い。

 新たに専用のマジックアイテムを作って空間を接続してもいいが、ここに来るのにそんなに時間はかからないので、一時的なもので十分だろう。


 僕は、トロールの棲む洞窟の入り口に戻った。


『ロッジ』


『ロッジ』の扉を召喚して、扉を開けた。

 そして、手招きをして『ロッジ』の中の使い魔たちを呼ぶ。扉の外からでは、声が中に届かないのだ。


 中から、40人以上の使い魔が出てきた。

 全員が何故か裸だった。おそらく、『ハーレム』から出て裸のままだったのだろう。


『指示しないと服を着ないんだよな……』


 白無垢しろむくなどの装備をまだ渡していない使い魔も居るので、別に裸でもいいだろう。


「ドライアードとニンフたちを召喚して」

「御意!」

「分かったわ」


 500人以上の使い魔たちが召喚された。


「「わっ……」」


 最近、新しく使い魔になった者たちが驚いている。


「フェリア、再召喚したら、君の使い魔も全員出して」

「畏まりました」


『装備1換装』


 僕は、使い魔たちに作戦の概要がいようを伝える。


「じゃあ、これからこの洞窟に棲む約4千体のトロールを殲滅せんめつします」

「4千体じゃと……?」


 ユウコが驚いている。


「洞窟の中央付近に行くとトロールが出てくるので、フェリアがおとりになります。トロールが出現したら、フェリアを帰還させて、再召喚してから、トロール達を広範囲攻撃魔法でぎ払います。最近、使い魔になった人は、手を出さずに後ろで見ていてください」


 僕は、フェリスに指示を出す。


「フェリス、背後からゾンビが来る可能性もあるから、気をつけていて」

「分かりましたわ」


 作戦を開始する。


「フェリア」

「ハッ!」


 フェリアが洞窟の中央に向かって飛んでいく。

 洞窟の中央に差し掛かった辺りでトロール達が一斉に出てきた。


「「――っ!?」」


 フェリアがトロールの集団に呑み込まれるところを見て背後から緊張したような声が聞こえてくる。


『フェリア帰還』


 フェリアを帰還させた。


『フェリア召喚』


 僕の右側にフェリアを召喚する。白い光に包まれてフェリアが召喚された。


【戦闘モード起動】【ハイ・ブースト】


 今回は、短期決戦だし、以前よりもMPが高くなっていたり、MP消費対策もしているので、【ハイ・ブースト】を使っても問題ないだろう。


【ファイアストーム】


 ――シュボボゴゴォオオオーーー!!


 トロールが密集しているところに【ファイアストーム】で攻撃をした。

 すると、攻撃範囲内のトロールが一撃で白い光に包まれて消え去った。


『え……?』


 自分でも驚いたが、【ハイ・ブースト】によるステータス強化で【ファイアストーム】の威力が格段に上がったようだ。


 ――シュボボゴゴォオオオーーー!!


 ――シュボボゴゴォオオオーーー!!


 ――シュボボゴゴォオオオーーー!!


 ・

 ・

 ・


 何百発という【ファイアストーム】が洞窟内に乱れ飛んだ。

 洞窟の中から、熱風が流れてくる。

 通常は、術の効果範囲内から離れると熱はあまり感じないはずなのだが、おそらく、【ファイアストーム】で温められた空気が術が終了した後にも残っていて、それが空気の膨張で外に漏れ出ているのではないだろうか。


 数分と掛からずにトロールは殲滅された。


『最短記録だな』


 僕は、1発しか呪文を使わなかった。


 戦闘が終了したので、【戦闘モード】と不要な自己強化型魔術をオフにする。


「じゃあ、使い魔たちを戻して」


 白い光に包まれて、500人以上の使い魔たちが消え去った。

 フェリアもアーシュや妖精たちを帰還させた。


「フェリアとルート・ドライアード以外は、『ロッジ』に戻って」

「「はいっ」」


 ユウコが僕のところに来た。まだ、全裸だった。


主殿あるじどの……御身おんみは一体……?」

「どうしましたか?」

「あれだけのトロールをあの短時間で殲滅するなど常軌じょうきいっしておる!」

「と言われましても……」

「それだけの力を持って、どうするつもりなのじゃ?」

「成り行きで強くなってしまった感がありますからね。とりあえず、娼館を作ったら、ゾンビ討伐に行こうかと」

「まぁよい、わしも主殿の使い魔なのじゃから……」


 そう言ってユウコは、『ロッジ』の中へ入っていった。

 僕が持つ大きすぎる力を危惧きぐしているのだろう。『エドの街』でこんな力を振るったら、街が壊滅してしまう。

『組合』に長く勤めているユウコが僕の力を危険視するのもうなずける。


 僕は、フェリアとルート・ドライアード以外が中へ入ったのを確認して扉を帰還させた。


「じゃあ、帰ろうか」

「ハッ!」

「御意!」

「次からは、ルート・ドライアードの『密談部屋』で簡単に来られるようになるよ」


【ハイ・マニューバ】


 僕は、『エドの街』へ向かって飛び立った――。


 ◇ ◇ ◇


 10分とかからずに『エドの街』の西門へ着いた。

【ハイ・マニューバ】をオフにして城壁の上に降り立つ。


『そういえば、雨の降るところを見てみたいな……』


『現在時刻』


 時刻は、まだ【01:50】だった。

 確か、2~5時くらいの間に不定期に降るという話だったはずだ。


「雨が降るところを見てみたいんだよね」

「これから、3時間くらいの間に降る確率は高いと思われます」


『装備2換装』


 僕は、着替えてから城壁の上に仰向けに寝た。

【ナイトサイト】をオフにして空を見ると星空だが、先日みたような満天の星空という感じでもない。

 少し曇っているように見える。もうすぐ、雨が降るのだろうか?


「フェリア、雨が降ってきたら起こして」

「畏まりました」


『3時間睡眠』


 僕は、眠った――。


―――――――――――――――――――――――――――――


 僕は、身体を揺すられる感覚で目を覚ました。


「ご主人様」


 顔に水滴が当たる。


「あ……雨……?」


 見るとパラパラと雨が降って来ている。

 雨音も少しずつ大きくなっているようだ。

 それでも、春雨のような弱い雨だ。


『現在時刻』


 時刻は、【03:07】だった。


【ナイトサイト】【フライ】


 僕は、この世界で降る雨を自分の目で確認するという目的を達成したため、城壁から『ユミコの酒場』の近くの路地へゆっくりと飛行した。


『ロッジ』


 いつもの場所で『ロッジ』の扉を召喚して中へ入る。


「「お帰りなさいませ」」

「ただいま」


 フェリアとルート・ドライアードが中へ入ったのを確認してから、扉を帰還させる。

 すると、レイコが近づいてきた。


「遅かったですね」

「ああ、雨が見たくて降るまで城壁の上で待っていたんだよ」

「そうでしたか」


 トロール討伐で新しく使い魔になった者にも経験値が入ったか確認しておこうか。


「タカコさん」

「はい、何でしょうか? ご主人様?」

「魔法のリストを見てください。そこに【サモン】という魔法がありますか?」

「はい、ございます」

「あなたは、かなり強くなっていますので、今後は気をつけてください。並の冒険者なんか簡単に殺せてしまいますから」

「まぁっ……それは恐ろしいですわね」

「戦闘になったら、防御に徹して逃げればいいのですよ」

「分かりましたわ」


 もう一人くらい聞いておいたほうがいいだろうか。


「アヤカさん」


 長身のアヤカを呼ぶ。


「はい。何ですか? ご主人様?」

「使える魔法のリストに【サモン】はありますか?」

「……はい、あります」

「ありがとう」

「礼は不要です……貴方は、私のご主人様なのですから……フフッ……」


『目がイッちゃってるんですけど……』


 この女性は、少し恐い気がする。メンヘラというか、思い詰めたら刺して来そうなタイプだ。

 トモコに次いで要注意人物かもしれない。


 そう言えば、ニンフ2からの報告を聞いていないな。


「ルート・ニンフ、ニンフ2からの報告はどうなってる?」


 僕はいつもの席に座り、斜め向かいに座っているルート・ニンフに聞いてみた。


「ええ、特に重要なことは無かったそうよ」

「そうか、ならいいよ。それから、ニンフ1とニンフ2を召喚してくれ」

「分かったわ、旦那さま」


 白い光に包まれて、くノ一スタイルのニンフ1とニンフ2が召喚された。


「「あっ、旦那さま」」

「ご苦労さん」


 ニンフ1が赤色でニンフ2が青色のコスチュームを着ている。

 いっそのこと、5人分のコスチュームを作って戦隊ものにでもしようか?


『「五人そろって、ゴニンフ!」……駄目だな、語呂ごろが悪すぎる……『ゴニンジャイ』ならいいかも……いや、やっぱりそれもどうかと……』


 僕は、徹夜明けでハイになった状態のような思考を止めた。


『朝までもう少し時間があるな……』


 僕は、『ハーレム』の扉の前に向かった。


「じゃあ、マットプレイの練習がしたい人はついてきて」

「「はいっ!」」


 僕は、『ハーレム』の扉を開けて中へ入った。

 そして、【フライ】で廊下を移動して大浴場の引き戸を開けて中へ入る。

 城壁の上から【フライ】は、起動しっぱなしだった。

 久々に使ったので、ずっと起動していたい気分だったのだ。


『装備8換装』


 裸になり、洗い場の一番奥へ移動する。


『ラブマット』


 マットを召喚した。


「じゃあ、2~3人で組んで、それぞれ練習して」

「「はいっ」」


 フェリアとフェリスが僕の前に来た。


「さぁ、ご主人様。マットに寝てください」

「フフフ……たっぷりとご奉仕させていただきますわ」


 僕はマットに寝て、フェリアたちの奉仕を受けた――。


―――――――――――――――――――――――――――――

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