5―19
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次はどうしようかと考えていると、『倉庫』の扉が開いてフェリスが入ってきた。彼女は何故か全裸だった。
その後に全裸の村人たちが続いている。最後にルート・ニンフが入ってきた。こちらも全裸になっていた。
フェリスは、僕のまえを横切り、少し進んだところで止まった。
「ご主人サマ、村人たちに刻印を刻み終えましたわ」
「ありがと。でも、服を着てよ……」
「フフフ……気にしないで下さいな。気になるのなら、じっくりとご覧ください」
「もう、からかわないでよ」
村人たちは、フェリスの後に続いて僕の前に並んだ。
彼女たちは、刻印を施されて腋毛や陰毛が無くなり、ホクロなども全て消え去り、文字通りシミ一つない肌となっている。特に年長者は、更に若返った印象だ。
『もしかしたら、かなり高齢の女性でも凄く若返るんじゃないだろうか?』
僕は、『組合』で【リザレクション】を刻印してくれたユウコを思い出した。
あの人ほど、年齢不詳という言葉が似合う女性を他には知らない。
サクラコが一歩前に出た後、僕のすぐ目の前までやってきた。
そして、僕の足下に
「ご主人様、この度は、何と御礼を言ったら良いか……まさか、刻印を刻んでいただけるなんて。本当に夢のようです」
サクラコは、涙ぐんでいた。刻印を施されたことがよほど嬉しかったらしい。
『普通だと10万ゴールドかかるらしいからな……』
「あの、何か服を着て欲しいのですが……」
僕は、目を逸らしてサクラコに言った。
「まあっ、ふふっ……。お気になさらず。私は貴方様の持ち物なのですから」
横からフェリアが口を挟む。
「ご主人様の奴隷として仕える覚悟があるのですね?」
甲冑を着たままなので、くぐもった声だ。
「勿論ですわ」
見ると『倉庫』の扉は戻したようで消えていた。
「フェリア、ルート・ドライアード、甲冑は脱いでもいいよ」
「ハッ!」
「御意!」
フェリアとルート・ドライアードが白い光に包まれて全裸となる。
メイド服でいいと思うのだが、他の面子に合わせたのだろうか。
甲冑の中から、緑色の髪をした女性が現れたことにレイコたちは少し驚いたようだ。
「サクラコさん、もし僕の使い魔になるのがお嫌でしたら、冒険者になるという選択肢もありますよ?」
「私たちに戦うのは無理ですわ」
「ある程度、強くなるまで面倒を見ても構いませんが?」
「いいえ、後生ですから、私たちをご主人様の奴隷にしてくださいっ!」
サクラコは、僕の手を強く握って懇願した。
「そこまで言われるのでしたら、もう何も言いませんが、後悔しない様によく考えてから決めてください」
そう言って僕は、サクラコに戻るよう指示した。
目の前で大きな乳房がブルンブルンと揺れる様は目の毒だったからだ。
「では、今後の予定ですが……」
僕は、全員を見回してから、今後の予定を語った。
―――――――――――――――――――――――――――――
(1) ここを出たら、富士山の
(2) トロールと戦い、レイコが召喚魔法を使えるようにする。
(3) レイコがパーティメンバーをテイムする。
(4) レイコのパーティメンバーが召喚魔法を使えるようになるまでトロールと戦う。
(5) 村人たちをテイムする。
(6) トロールを
(7) 『エドの街』へ行く。
(8) 娼館を買収する。
―――――――――――――――――――――――――――――
「それにしても、トロールでござるか……」
「聞いたことある、すっごく強いんでしょ?」
イリーナとミナがトロールについて話し始めた。
「トロールは、冒険者が太刀打ちできる相手ではないと言われているでござる」
「そんなの倒しちゃうんだ? ユーイチって凄すぎるわね」
僕もトロール談義に付き合うことにした。
「一対一なら、それほど強い相手でもないんだけど、数が多いからね。あの数は、ちょっとした脅威だよ。僕も最初、フェリアと罠に
「へぇ、どれくらいの数が居るの?」
「ちゃんと数えたことないけど、3000匹は居ると思う」
「ご主人サマ、富士のトロールはおそらく4000体前後ですわ」
フェリスが補足してくれた。どうやら、彼女はトロールの数を割と正確に把握していたようだ。
「数えたの?」
「ええ、【レーダー】で大まかに数えましたわ」
「すっご~いっ! そんな数のトロールを倒しちゃうなんて……」
「流石でござるな……」
「ああっ……ぬしさまぁ……」
「やるねっ!」
「流石ですわ」
「……凄い……」
レイコのパーティメンバーが口々に賞賛する。
『何か、こそばゆいな……全てフェリアのおかげなのに……』
フェリアのおかげでここまで成長できたのだ。トロールから逃げられたのもフェリアの献身があってこそだった。
急に居心地が悪くなった僕は、話を元に戻した。
「えーと、何か質問はありますか?」
サクラコが小さく手を挙げた。
「ご主人様、娼館の買収というのは?」
「フェリアの提案で『エドの街』の娼館を買収することにしたんだ」
「どうしてですか?」
「娼館で働く娼婦たちを救うためかな……?」
「素晴らしいですわ。良かったら私たちも娼館で働かせてください」
「どうして?」
「私たちは、このままでは、ご主人様のお役に立つことができません。ですから、そういったところで私たちをお使いください」
「好きでもない男に抱かれるのは嫌じゃないの?」
「ご主人様のためなら喜んで。それにこの身体なら
イリーナは、オークに犯された身体を穢れたと表現した。
サクラコは、刻印を刻んだ身体は穢れないと言っている。
この辺りの感覚の違いは何だろう……妊娠しないという点では、サクラコの言っていることも分かるが、精神的に割り切れるものなのだろうか?
「分かった、考えておくね」
僕は、他に質問が無いか聞いてみる。
「他には?」
「「…………」」
どうやら、他に質問は無いようだ。
「じゃあ、明日の朝までは待機ということで。眠りたい人は、そこの扉を入って少し進んだ左側に寝間があるので使ってください。右側は大浴場です」
「「わぁ……」」
村人たちが大浴場という言葉に反応した。
オークに10日近く囚われていたのだから、風呂に入りたいのは当然かもしれない。
「ご主人様」
アザミが声をかけてきた。
「どうしたのですか?」
「一緒にお風呂に入りましょうよ? それに、あたしは貴方様の奴隷なんですから、敬語は止めてくださいな」
「分かった。聞きたいこともあるし、お風呂に入ろう」
僕は、『ハーレム』の扉に向かった――。
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