8th Flight 影
1
暗闇に、影が沈む。影は影としてそこに確かに存在しているはずなのに、同じ影の中にあっては、融けあって、隠れてしまう。
「歌ガ良イ……」
「コノママナンテ、嫌」
「兄貴ナンカイラナイ」
「ワタシダケ見テヨ」
「ミンナ大嫌イ」
「コノママイナクナレバイインダ」
「誰モワタシナンカ見テクレナイ」
影は、それらを全て笑みながら言った。首にあたるであろう部分を、ほんの少し、傾けながら。
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