8th Flight 影

 暗闇に、影が沈む。影は影としてそこに確かに存在しているはずなのに、同じ影の中にあっては、融けあって、隠れてしまう。

「歌ガ良イ……」

「コノママナンテ、嫌」

「兄貴ナンカイラナイ」

「ワタシダケ見テヨ」

「ミンナ大嫌イ」

「コノママイナクナレバイインダ」

「誰モワタシナンカ見テクレナイ」

 影は、それらを全て笑みながら言った。首にあたるであろう部分を、ほんの少し、傾けながら。

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