4-2 フィールド

「……そんな感じ? あのさぁ、ほんとの事言うと僕───」

「なに?」

 冬樹が言葉を止めたので海輝は不機嫌な顔をした。

「叶依と海輝君見てて『この二人絶対おかしいぞ』って思ってたんだけど」

「───」

「今思えばこの、Pin*lueも結構おかしいなって思って」

「つまり私はおかしすぎ?」

 叶依は他の三人に問いかけたけれど、誰もそれには答えなかった。

「……重大発表していい?」

 悔しいので、話題を変えた。

「じゅーだいはっぴょーって何よ?」

「Pin*lue関連の何か?」

 冬樹が聞いた。

「ううん。私個人の問題」

「何なの?」

 珠里亜と冬樹、それから海輝も叶依に注目した。

「最近さぁ、海輝とすごいニュースになってるやん?」

「あぁ───あのこと言うの?」

 海輝は笑っていた。

「うん。詳しいことは言わんけど……」

「……早く言ってよ!」

 叶依の横で珠里亜が叫んだ。

「聞きたい?」

「気になるやん! っていうか重大発表するって言ったの誰よ?」

「ふぅ……う……あかん、なんか緊張する」

 溜まっているものを吐き出すように叶依は深呼吸した。

「どうしたの?」

「───ははは!」

「何よ? めっちゃ気になるやん!」

「海輝君は何か知ってるの?」

 笑いながら冬樹が聞いた。

「知ってるっていうか……。結構言いにくいね」

「うん。海輝言って」

「なんで俺なの?」

「あかんの?」

「良いけど別に……でもそういうことは叶依が言わないとさぁ」

「また二人で何かやるの?」

 冬樹は謎の笑みを浮かべていた。

「……何なんよ早く言ってーや!」

 珠里亜は笑いながら叶依をベチベチ叩いた。

「痛いなもぉ~! なんでこんなんがお姉ちゃんなんよ」

「あのー……俺らの事件の真相はトウも知ってるけど、叶依が言おうとしてることは俺以外まだ誰にも言ってないから……多分二人ともびっくりすると思うよ」

 叶依と海輝に何もないことを、冬樹は知っていた。

 だから二人の関係ではないと思いながらも、少し不安になった。叶依と海輝、それから珠里亜を順番に見て、最後に叶依に注目した。

 叶依は深呼吸してから口を開いた。

「───私、結婚します!」

「ええええぇぇぇぇぇえええええうそおおおぉぉぉおおおっ!」

「……それ、いつ決まったの?」

 大声で叫ぶ珠里亜の前で冬樹は目を丸くしていた。

「びっくりしたでしょ?」

「こないだ……関西の大学でPASTUREのライブやったやん? あの日の夜」

「え? それってうちらが高校行った次の日?」

「うん」

「なんで教えてくれんかったんよ?」

「なんでって……」

「というか相手は誰なの? 海輝君……?」

 海輝はただ笑うだけで何も答えない。

「さあねぇ~。そのうちまた発表するから」

「そのうちって何よ? 誰なんよ? 海輝ょんなん?」

「珠里亜しつこいで」

 叶依は珠里亜をバチンと叩いた。

「さあ、そんな叶依にピッタリの曲がありますので───というか叶依の曲だからお願い」

「はーい……ええっ、これかけんの? ……では……聴いてください『フィールド』」

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