3-2 久々の再会

 そんな珠里亜のところに数日後、叶依から遊びの誘いが来た。

 珠里亜がまだ東京に慣れていないことを考慮して、場所は海帆の部屋になったらしい。当日は叶依が珠里亜を迎えに行き、それから海帆の部屋へ行くことになっていた。

 叶依と海帆、それから珠里亜の三人がそろうのは、夏に北海道で会って以来だ。

「でも、すごい久々な気がする」

 叶依がしみじみと言った。

「なぁ~。あれからまだ一ヶ月も経ってないのに。夏休みって早いな……」

「海帆、明日から大学始まるんやったっけ?」

「うん。夏休み今日で終わりやねん」

「夏休みか~。……学生やめて何年になのかな……」

 叶依の最終学歴は高校卒業だ。

 海帆は四年制の大学へ進学したし、珠里亜も短大へ進学したので、一応去年も夏休みを経験している。

「ところで珠里亜って今、短大どうなってんの?」

 一人で海帆の部屋を歩き回っている珠里亜に海帆が聞いた。

「一応休学届け出してきた。でも戻るかどうかわからん」

「やめの?」

「わからん。でも行っても暇やしなー。やめよっかな」

「今年行ったら卒業じゃないん?」

「そうやけど叶依がさぁ。早く上京しろって言うから……」

「何よ。デビューしたいって言ってたの珠里亜やん」

 叶依と珠里亜でよく出かけるようになった頃から『もし二人でデビューしたらどうなるか』ということを想像していたことはあったし、Pin*lueという名前は二人一緒に考えた。けれど叶依は既にデビューしていたし、Pin*lueの話を大きくしたのは珠里亜だった。

「そうやピンルーデビューってゆーた言ったのうちやーわかってるわーもー」

 なぜか珠里亜は怒っていた。

「そういえばみんなさぁ……全然関西弁抜けてないよな」

 海帆が呟いた。

「あー! ほんまやー! うちらさっきから関西弁しか喋ってない!」

 珠里亜は今度は一人で笑っていた。

「関西弁……っていうか大阪人ってどこまで行っても大阪弁やろ?」

 騒ぐ珠里亜とは対象的に叶依は冷静だった。

「らしいな。あ、でも叶依ってときどき標準語喋ってない? 高校のとき既に喋ってたけど」

「うん……だって普段こっちで仕事してるし、家、っていうか海輝のところ戻っても海輝こっちの言葉喋ってるし……つられてくねん。それより珠里亜さぁ。どうなん?」

「どうなんて何よ?」

とちゃんとやっての?」

「やってるよ!」

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