14. 奇遇な冬の買い物
◇
「こんなところで会うなんて、奇遇ね?」
「あはは、もう4回目だもんね。僕も驚いたよ」
今となっては敬語の影も形もない。丁寧に話していたときよりも距離が近く感じる。
やっぱり直接話すのは違うわ。文章と違って表情と声で気持ちがダイレクトに伝わってくるもの。
「連絡だって取りあってるのに、まさかまた偶然があるなんて思わなかったわ」
「そうだね。来週まで話す機会ないと思ってたよ」
「あたしも。郁弥さん忙しいって言ってたし」
「実際忙しいから…でもま、一応今日でひと段落かな」
「そうなの?だから今日は早帰りなのね」
今日は土曜日。ひと段落ってことはやること終わったってことよね。それにしても…。
「土曜日までお仕事なんて大変じゃない?」
「いや日結花ちゃんが言う?それ」
苦笑いして聞き返してきた。
たしかにあたしも土曜日はお仕事のことが多い。今日は学校だけどいつもはお仕事だし…よく考えたらあたしも十分忙しいわね。
「でもあたしは学校終われば時間取れるようになるわよ?今日はお仕事じゃないし」
「へぇーそうなんだ。日結花ちゃん売れっ子だし、そのぶん仕事増えそうだけどね」
「…やめて。頭痛くなってくる」
「あはは、ごめんごめん」
今やってるお仕事は歌劇に声当てとラジオとナレーションと吹き替えとイベント関連色々。特に声者っぽく歌劇にかかわるお仕事が多い。
個人的にはRIMINYのアニメ関連のお仕事が楽しかったりもする。RIMINYの作品でメインキャラやれるなんてね。一つメインが来てから他のRIMINY作品にもちょくちょく出させてもらえてるし、嬉しいには嬉しいのよ…ただ、ちょっと働きすぎてる気がするわ。学校がなくなってちょうどいいくらいになると思うの。
「それで、ええと…」
「うん?どうしたの?」
うん…話的に郁弥さんこの後暇だろうし誘おうと思ったんだけど…なんでかしら。ちょっと恥ずかしい。
「きょ、今日はスーツなのね!」
「はは、まあね…よく考えたらスーツ姿見せるの初めてかな?」
「あ、そうかも」
スーツかぁ…ぴっしり決まってる。すごい。新鮮。郁弥さんがスーツ着るとこうなるんだ…。
「似合ってるわ」
「え、そ、そうかな。ありがとう」
あたしの褒め言葉にはにかんで応える。
つい自然と褒め言葉が出ちゃった。彼の私服も別に嫌いじゃないけど、やっぱり男の人はスーツがかっこいい。
それにしても…うん、スーツっていいわね。
「……」
「…そんなに見られるとさすがに照れるよ」
「あ、ご、ごめんなさい」
意図せずまじまじと見つめてしまっていたみたい。
すぐに顔を上げると、照れ気味に頬を赤く染めた郁弥さんが目に映る。
「……」
「……」
な、なんで見つめ合うことになるのよ。あたしまで恥ずかしくなってきたじゃない…うう…。
「きょ、今日あたし制服だけど…あたしの方も初めて見せるんじゃない?」
「言われてみれば…」
あたしに言われて気づいたのか、すすっと上から下まで視線を走らせる。
じっと見てたから目の動きよくわかったわ…これはこれでまた恥ずかしい。
「…うん、可愛い」
「あ、ありがと」
あたしが恥ずかしがっていたのもつかの間、さらりとストレートに褒めてくれた。照れる。
「日結花ちゃんほんと何着ても可愛いよね…改めて考えるとすごいよ」
「べ、べつにそんなことないわ」
…ずるい。なんで真面目なトーンでそんなこと言えるのよ…こっちはこんなに動揺してるのに。
「そ、そういえば。郁弥さんはどんな服が好きなの?」
「服?」
「女の人見てて好みの服とかあるでしょ?」
「そりゃ…まあ」
あ、やっぱりあるんだ。
どんな服かしら。可愛い系か綺麗系か…あたしがよく着てるのは可愛い系と綺麗系の中間。どっちでも通用しそうな無難なの。あとは割と大人っぽいのが好きかな。
「うーん、そうだなぁ…柔らかい服かな」
「柔らかい服?」
柔らかい服って…なに?パジャマくらいしか思いつかないんだけど…あ、でも絹の服とかなら柔らかい?のかも。
「うん。基本的にTシャツは全部好きかな」
「へー、結構普通ね」
Tシャツならあたしも結構あるわ。夏とか暑いし寝間着にTシャツ一枚だと涼しいのよ。
「まあね。個人的にはちょっとしたフリルとかレースのある方がいいけど」
「そうなんだ…」
ふふ、あたしの趣味と完全に外れてるわけじゃないみたい。今度ご飯食べるときにでも着てこようかしら。ばんばん褒めてくれそう。
「郁弥さん」
「ん?」
「今度あたしもそういうの着てこようか?」
「うえぇ!?」
「ふふ、どうしたのよ変な声だして」
動揺してる動揺してる。やーもう可愛いなぁこの人はほんとに。
「と、突然変なこと言うから…」
「そう?リクエストぐらい聞いてあげるわよ?」
「リクエストって…いやいやだめでしょ。そういうのは」
なにを考えているのか薄っすら頬が赤く染まっている。
「どこがだめ?」
「どこがって…男に対して服のリクエスト聞くとこかな」
「男の人ねー。それなら大丈夫よ。郁弥さんくらいにしか聞かないから」
「そ、そっか。…ありがとう?」
「ふふ、どういたしまして」
あーなんだろう。久しぶりにこうやってお話するのすっごく楽しい。
―――♪
「む…」
「?どうかした?」
「あ…うん…」
アナウンスで次の駅が流れた…あたし降りないと。
うう…もったいない。もっとお喋りしたい。全然話し足りない。
「…次で降りなきゃ」
「あー、そうなんだ」
「そうなの」
「名残惜しいけど、日結花ちゃんも用事あるみたいだし今日はここまでかな」
「…うん」
はぁ…買い物やめようかな。このまま郁弥さんについていってもいい気がしてきた…どうしよう。ついていくにしてもこの人家に帰るだけよね、きっと。それはちょっと…疲れてるのに悪いかなぁ。
「日結花ちゃん、着いたよ」
「着いちゃったわね…」
ドアも開いちゃったし、あー降りたくない。行きたくない。
「うーーん」
うだうだと悩み続けている間に発車のアナウンスが流れ始めた…あたし、このまま流されてもいいと思うの。
「っと、降りようか」
「え!?」
驚いている間に引っ張られて駅のホームに降り立つ。軽く握られた腕が熱い。
「…郁弥さん、手」
「うわ、ごめんごめん。痛かった?」
「ううん、痛くない。でも掴まれてるのは変でしょ?」
「あ、あはは。そうだね」
ぱっと手を離して照れ気味に笑う。
ちなみにあたしは熱くなった顔がばれないかひやひやしてるとこ。突然腕掴まれたらそうなるに決まってるわ。
「ふふ、なんなら手繋いでもいいのよ?」
「え、ほんと?繋ぐ?」
「っ」
ええと、手繋ぐの、かしら…普通に手差し出してきたし…や、やだ。恥ずかしくなってきた。
「あはは、冗談だよ。いつもやられてばかりだからね。少し悪いことしちゃったかな?」
「~~っ!そういうのなし!もうやっちゃだめだから!」
「あ、あはは。わかったよ。もうやらないから…でも、僕はほんとに手繋いでもよかったよ?」
「う…し、知らない!」
うう、頬が熱い。なんでしれっとそういうこというかなもう!! 顔が笑ってるから冗談だってわかるけど…ずるい!
「そ、それで!どうしてあなたも降りてきたの!?」
「ん?」
強引に話を変えたからか、不思議そうな顔であたしを見てくる。あたしがなにを言いたいのかわかっていない様子。
「だって…ここに用なんてなかったんでしょ?」
あたしは洋服買うつもりで降りた。でも、この人用事も何もないでしょ。この後家に帰るだけで。
「あー、用ね。うん」
「なによその歯切れの悪い言い方…」
「えっとさ。用はあったよ?」
「そう、なの?」
「うん。日結花ちゃんと話すっていう用があったから」
目をそらして頬をかきながらの言葉。
あたしと話す…ってつまり、お話しするためだけにわざわざ付き合ってくれる、ってこと?
「じゃ、じゃあ買い物一緒に来てくれるの?」
「まあね…日結花ちゃんがいいなら、だけど…」
「いいわ!一緒に来て!」
やった。一緒に来てくれるなんて…大歓迎に決まってる。…はー、よかった。まだまだ色々話せるのね。
「それならよかった。日結花ちゃんには久しぶりに会えたからさ。僕も話したかったんだ」
「そ、そうなの?」
薄っすらと頬を染めて恥ずかしげに言う。
あたしだけじゃなくて、彼も同じだったみたい。ちょっと嬉しい。
「うん…」
ちょっと照れてるところとかいつも通りなのに、スーツ着てるだけでこんなに違うなんて…なんだろ。大人っぽくてすっごく年上な感じする。
「ええと、その、そんなに見られると恥ずかしいんだけど…」
「あっ…ご、ごめんなさい」
かぁーっと頬が再び熱を持つ。
ぽーっと無言で見つめていたみたい。全然意識してなかった…恥ずかしい。
「いいよいいよ。それで、どこ行くの?」
「この辺洋服売ってるとこ多いでしょ?そこを回ろうかなぁって」
「なるほど。おーけー着いていくよ」
歩きながら話して、駅の出口についたところで行先を告げる。今の季節、駅から出るだけで冷たい風が吹き付ける。
いつもなら急いで向かうかもだけど、今のあたしには心地良い。少し落ち着いた。
「うわー流石に寒いね」
「もう冬だから…郁弥さんの着てるスーツってあったかかったりする?」
「ん?これ?」
「そそ」
「うーん、そこそこかな?」
「そこそこって…なんとも言えないわね」
冬服なんだし、そこまで寒がってないみたいだから暖かいには暖かいんだと思う。
「あはは、そんな厚手でもないからね。僕の着てる上着も
「ふーん…分厚いのあんまり好きじゃないの?」
「うん。冬でも暑いと汗かくでしょ?それがちょっと嫌でね。日結花ちゃんは?」
「あたしも同じ感じ。でも分厚いのは好きよ?もこもこしたのとか触り心地いいし」
服って着心地が大事だと思うの。肌触り気にするのは当然よね。
「そっか。もしかして、今日買うのもそういうやつだったり?」
「ううん、違うわ」
今日はコートじゃなくて、ニット系の服を買う予定。カーディガンもありかな。あと、冬用の暖かい服に合わせられるような長袖のシャツとかブラウスも。
ま、お店見てみないことにはなんとも言えないわ。
「今日はセーターとかを買うつもりなの」
「うーん?とすると、上着になるのかな」
「うん」
「そっか。あとはズボンだけど、そっちも買う?」
「一応見るわ。ズボン、ね…」
別に変な意味じゃないのよ?ただ最近聞かないなぁって思ってただけで…ふふ、なんか可愛い。
「う、言い方変だった?」
そんな風に不安げな目されると、こう…胸がきゅんきゅんするからやめて。
「変じゃないわ。久しぶりに聞いたなぁって思っただけよ」
「それはだって…パンツとか言ったら変な風に聞こえるし、他の言い方もあんまりしっくりこなかったから…」
「…冷静に考えるとたしかにそうね」
パンツ単体だと下着と混同するし、会話でボトムなんて普通使わないし…単純に下履きとしての言葉がない。スカートはスカートでジーンズやらスラックスは含まないから…予想以上の難題だわ。
「でしょ?やっぱりズボンしかないんだよ」
「そうみたい…ごめんなさい。あたしが間違えてた」
彼には悪いことしちゃった…あたし、久しぶりに話せて浮かれてるのかな。
「いやいや、謝らなくていいよ!全然気にしてないから…それに、僕が君に"ぱんつ"って単語を言いたくなかっただけだから」
「…え、なんで?」
「なんでって…恥ずかしいから。いやほら…買い物に来てるし日結花ちゃん可愛いしどんなもの買うかとかさ、ね?」
ね、って言われても…可愛いとか困る。せっかく気持ちも落ち着いてたのに、また頭に熱が上ってきた。
パンツってだけでそんなに気になるなんて…一緒に下着でも買えばいいの?
「…あたしの下着選びに行く?」
「っげほげほ…い、いきなり何言ってるの!?」
焦りに焦った声に、隣を見れば肌が血色のいい赤色に変わっていた。
そんな姿を見て、自分の言った言葉を思い返す。
「だ、だって、郁弥さんがあたしの買うもの気になるって…」
「それは言葉の綾だよ!」
「じゃああたしの下着選びたくないの?」
「いやそれは…これは罠だよ日結花ちゃん」
「あ、ばれた?」
また恥ずかしいこと言ってた…なによ下着選びって。ちょっと動揺しすぎじゃないのあたし。一応なんとかごまかせそうだけど…セーフよね?
「さすがにね。下着選びに付き合ったりはできないよ。日結花ちゃんも嫌でしょ?」
「むっ、別にいいわよあたしは。郁弥さんなら気にしないから」
「う…だ、だめだよ!それはだめだから!」
あ、照れてる。顔赤くさせちゃって、なに考えたのかしらねーこの人は…やっぱ郁弥さんと話すの楽しい。
「ふふ、わかってるわよー。あたしだってそれくらい
「う、うん…」
現実的な話ね。下着選びするってことは、郁弥さんが選んだ下着をあたしが履くってことで…むりむり!そんなの無理!
「とにかくっ、今日は色々回るわよ!」
考えれば考えたぶんだけ羞恥に襲われるため、強引に話を打ち切った。
これ以上こんな恥ずかしい話を続ける余裕はないわ。
「はいはい、どこにでも行きますよ。お嬢様」
「ふふ、しっかりついてきなさいっ」
会話をしながら歩いていると、タイミングよくお店が並んでいる通りまでやってきていた。
彼の言う通りお嬢様っぽく笑って先を行く。
「ってなんで後ろを歩くのよ」
「え、付き人は普通後ろだよね?」
「…はぁ」
この人は…なんでこう、実直というか生真面目というか。そういうところも嫌いじゃないけど、今日は裏目に出てるわ。だめね。減点。
「ど、どこかまずかった?」
ううう、不安の入った表情ずるい。
「べ、べつにまずくはないの。でもほら、隣歩いてくれないと…困る」
「っ」
動揺して上手く受け答えができなかった。
こんな言い方する予定じゃなかったのに…くぅ、恥ずかしいっ。
「わ、わかった」
一人悶えていたら郁弥さんが顔を背けて返事をしてきた。声もぎこちなくて、あたし以上に動揺しているみたい。
「……」
ここまでの変化は珍しくて、つい無言で近寄り耳を傾ける。
「相変わらず日結花ちゃんは可愛いなぁ」
「んぅ…」
小さな一言が胸に突き刺さる。
うう…き、聞かなきゃよかった。…ううん。聞いてよかった。あぁでも聞かなきゃよかったかも。そんなこと言われたらあたしの方こそ意識しちゃうじゃない。変にドキドキしてきたっ。だいたいこの人可愛い可愛い言いすぎなのよ。そりゃ言われて嬉しいけど、あたしだってドキドキくらいするんだからその辺考えてくれないと…あぁもう、落ち着けあたし。
「ふぅぅ…」
落ち着くのよ日結花。郁弥さんだってあんなこんがらがってたんだから、冷静になるまでもう少し時間がかかるはずだわ。
「それじゃ行こうか日結花ちゃん」
「ひゃっ」
「…くっ」
もう少し時間が取れると思って油断していたところで、突然話しかけられて声をあげてしまった。
そんなあたしの反応に対して、郁弥さんは顔を俯かせて手で覆い隠す。
「…それは反則」
「え、反則?」
ぽつりと漏れた一言の意図が読めなくて、おうむ返しで問いかけた。
まだ完全に落ち着いたわけじゃないからっていうのもある…顔熱くて頭回らないのよ。
「あ、あはは。なんでもないよ。少し驚いただけだから」
「うん…」
薄っすら赤い頬は気のせいじゃないはず…よし、とりあえずお店に入ろう。ここで考え続けているのも時間の無駄。早く買うもの買っちゃった方がいいわ。
「郁弥さん!順番にお店見ていくわよ!」
「あ、うん。いいよ」
ひとまずは目についたお店に入る。
洋服屋さんが並んでいるだけあって、どのお店もそこそこおしゃれで明るい雰囲気。
「うーん…」
季節は冬。もちろん店内の服も冬用。
買いたいものの目安はあるにしても、相変わらず種類が多い。
「どうかした?」
「ええ。何買えばいいか迷ってて…」
「ふむ。そうだね…」
いいタイミングで声をかけてくれた。せっかく一緒にいるんだから、あたしに似合いそうな服選んでくれた方が絶対いい。むしろ選んでくれないと。
「これなんか…どう?」
真剣に悩んで数分。持ち上げたのは袖が広がったベルスリーブの服。前が開いていてボタンで止めるブラウスっぽい見た目。色は淡い水色。シンプルにゆったりと落ち着いた色合いで、肩から先の生地がふわっと柔らかくなっている。
「へぇー…こういうのが好きなんだ」
「う…だめかな?」
「ううん。そんなことない」
別に心配する必要なんてないのに。この服可愛いし、他の服にも合わせやすそうだから悪いとこなんてないわ。
ただ…。
「すごく良いんだけど…これ、冬用じゃないわよ」
「…そうだね」
単純に生地が冬服にしては薄い。春と秋に着るのがベストな感じ。
「まあ買うけど」
「え?買うの?」
「うん」
買う。だって郁弥さんが選んでくれたのよ?買わなきゃもったいないわ。好みからも外れてるわけじゃないし、来年の春にでも着ればいいと思うの。
「ほんとに買う?」
「んん?なに?着て欲しくないの?」
「そりゃ着て欲しいよ。でもこれでいいのかなって…」
あぁ、なるほど。不安なのね。自分じゃなくてあたしが着る服だから心配なんだ……はぁぁ、すっごいほんわかする。
「ぜーんぜんいいのよ。あなたが選んでくれたんだから」
ふわりと微笑んで言うと、不安が解けて安心した顔を見せてくれた。もちろん照れが入って頬は赤く染まっている。
「そ、そっか…よかった」
「ふふ、じゃあ試着しましょうか」
「え…」
唖然としているのは試着まで頭が回っていなかったからか。
なんにしても試着はするのよ?着れるか似合うかしっかり確かめないと。
「そう、だよね。うん。試着だね」
わぁー照れちゃって…ふふ、今日一緒に来れてよかったわ。一人じゃ絶対こんな楽しくなかったと思う。
「さ、これとこれと…これね。全部見てもらうんだからっ」
「うぇ!?いつの間にそんな増えたの!?」
「あはは!せっかくだもんっ。いろいろ見てもらわなきゃもったいないじゃない」
「…お手柔らかにお願いします」
「ふふ、善処してあげる」
選んでもらった服に加えてニットやらロングスカートやら厚手の冬用ブラウスやらを持って行く。いくつかは苦笑を浮かべる彼に持ってもらって、気分良く試着室に入っていった。
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