第169話 第2部のプロローグ (8)

「いこう~」


 エヴァは、自身の父に温かい声をかけられ、照れる我が娘の肩に優しく手を回して、家族の団らんを温かくおこなう場所へと誘うのだよ。


 そう~? 先程迄、儂と殿とエヴァとの三人がくつろぎ会話をしていた日本の和の部屋……。


 これが日本の冬の風物詩だと我が殿が説明をしてくれた、和室の中のコタツ……。


 その物がある部屋へと、我が娘を優しく誘いながら歩き始める。


 すると? 二人に続くように、我が殿も移動を始めだすのだ。


 二人の背を優しく、愛おしく見詰めながら。コタツがある和室へと移動をする。


 そんな三人の様子を儂も凝視すれば。自然とこのまま、儂も三人の背に付き添い。和室へと移動──。今日の国の政をおろそかにして、家族四人の暖かい団らんを満喫したい気持ちになる。


 だから儂は、『今日はこのまま、仕事を休もうか~?』と、心の中で思ってしまうのだよ。太后としてはいけないことだと思うのだが。





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