第141話 帰宅の途 (13)

「う~ん、いいのぅ~、上島?」


「ん? 何がいいねぇ~、おじさん?」


「な、何がいいって~。上島のところの女房二人が、牡蠣ソフトや儂の所の竹輪を食する姿じゃよ……」


「…………」


 まあ、あれだよ? 相変わらずというか? いつものことだと言えば、いつものことなのだけれど。


 家がお菓子を販売する店頭のブースの横で店を出店するちくわのおじさん……。


 まあ、九十歳を過ぎても果てることもない男としての性! 果てることもない異性への性欲心が長寿の秘訣なのかな? と、俺はついついと思ってしまったのだが。


 まあ、ちくわのおじさんおの果てる事もない異性への性は別に良いとして?


 た、只ね? 俺がおじさんとの会話で黙り込んでしまったのは……。


 た、頼むから家の妻二人の牡蠣ソフトや、おじさんが販売をしているちくわを。家の妻達二人が『ペロペロ』と舌を出して食べたりする様子や、自身の口を大きく開けてちくわを咥え食べる姿を凝視しては喜ばないでくれるかな?


 と、俺はついついと思ってしまうから。呆れ返って黙り込み沈黙をした。



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