第50話 魔王と勇者さま、日本で初の買い物をする (12)

「殿~、これなど、どうかなぁ~?」


「うん、似合うと思うよ~」


「旦那さま~。これは、エヴァに似合うと思いますか~?」


「うん、ばっちり、似合う。似合うよ~。エヴァ~。良くお似合いだ~」


「そうですか~? 旦那さま~。ではエヴァはこれにします~」


「うんうん。それにしな~。それに~」


「殿~? こっちの色と柄もどうかなぁ~? 儂には少しばかり派手ではないか~?」


「いや、いや~、俺のレヴィアは美しいから。それぐらい派手な方が良く似合うよ~」


「そ、そうか~。殿は、儂の事をそんなにも美しいと思っていてくれていたとは知らなかったよ~。儂は今の殿の褒め言葉と。儂への気遣いが、お世辞だとしても。儂は嬉しくて仕方がない~」


「いやいや、俺の言葉は、決してお世辞ではないよ。レヴィア~。俺の奥さまは三国一……。いや、天下一の奥さまだよ~」


「そ、そうか~。殿~。儂もそんなに殿に褒めてもらえると、嬉しくて仕方がないよ~。それに心から幸せ者だと思うよ~」


「そうか~、そうか~。レヴィアが、そんなにも喜んでくれるなら俺も嬉しいよ~」


「ああ~、旦那さまは、レヴィアばかりを褒める~。エ、エヴァは~、妻としてレヴィアよりも劣っているのですか~? 旦那さま~?」


「いやいや、二人とも甲乙つけがたいぐらい綺麗だよ。だから俺はどちらが一番とも決めることなどできないよ~。だから俺の奥さまは、二人揃って天下一だよ~。エヴァ~」


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