第38話 俺と魔王さんと勇者さん (22)

 家の奥さまは、俺の大きな声に対して、不快感をあらわにしながら不満を漏らしてきた。


 でもね? 俺が真横で思案をしていたのは知っていた筈なのだ。


 なのに、無視をして……。


 もう許さん! 御仕置だべぇ~。


 と、叫びたくなる衝動に駆られる。でも駆られるのだが。先ずは、先程から俺と会話をしていたエルフのお嬢さまへと御仕置だべぇ~。


 俺はそう思うと、家の奥さまから、俺のエルフさまへと視線を変える。


「エヴァ~、何で今迄、俺に黙っていた~? 俺は先程からエヴァに相談をしていなかったけぇ~?」


 まあ、俺はこんな感じで、低い声色でエヴァへと訊ねた。


 何で今迄素知らぬ振りをしていたのかとね。


「あ、あの~。旦那さまが、エヴァの耳が大変にチャーミングで可愛いと言ってくれたので。もっとエヴァの耳を見せてあげて堪能してもらおうかと思いまして……」


 我が家の勇者さまは、俺にこう告げると、自身の両耳を垂らし始め。


「ごめんなさい~。旦那さま~。エヴァは別に悪気があった訳ではないのです~。お許しください。旦那さま~」


 俺に謝罪の言葉を告げながら。抱きついてきた。


 でもね~、先程も俺が不満の漏らした通りで、俺の可愛いエルフさまには、少々御仕置だべぇ~。


 と、俺は思うから。抱き付いてきた可愛いエヴァの脇や腰に、俺自身指を当て──。


 そのまま、くすぐりと言う名の悪戯御仕置行為を始めだす。


『クチュ、クチュ』といった様子で。


 すると我が家の可愛いエルフさまは、気が触れたように、笑いもがき始める。こんな絶叫をあげながら。


「だ、旦那さま~。やめてください~。エヴァは~。くすぐったい余り、気が触れてしまいそうです~。だから許して旦那さま~」


「いいや~、許さないよ。エヴァ~。自分の主人を蔑ろにすると、どんな酷い御仕置仕があるか、自分の身を持って味わうように~」


 俺は可愛いエヴァにこんな愛情一杯の言葉を告げた。


 自分自身の唇の端をつり上げ笑みを浮かべながらだよ。


 だって俺のエルフさまの笑いもがく姿は本当に可愛い。


 だから更に、俺の両指は、これでもか? と、思う程。エヴァの脇や腰に悪戯行為を続ける。


「あっ、あぁ~ん。あなたぁ~。是が非も無い所業を続けるのは、おやめください~。あなた~。このままだとエヴァは、あなたの指だけで~。本当に~。あっ、ああっ、あああ~。許してあなたぁ~」


 まあ、最後はこんな感じだよ。家のエルフさまは……。嬌声を多々漏らして桃源郷と羽ばたいたみたいだ。



 ◇◇◇◇◇

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