あとがき

 2017年9月に回文作りを再開した際に、回文を行分けして書いている人が多いことに気付きました。


 そういうスタイルの方は、現代詩や短歌を意識しているようでした。


 自分も試しに、長くなりすぎた回文を行分けしてみると、読みようによっては「誰かの書いた日記」と見なすことができるのではないか、と考えるようになりました。


 また同時に、そのような見方によって、言葉が妙に生々しい温度や響きを帯びることも発見しました。不自然な前提や枷があった方が、かえって言葉が動き出し、脈打ち、誰かの肉声が聞こえてくるようにすら思えました。


 一ヶ月で30作ほど試作してみた中から、とりあえず20作に絞って回文日記をまとめました。この試みがこれでお終いになるのか、第一歩なのか、感覚的に自分でもまだよく分かりません。


 通常の創作にはない新鮮な感触があるので、できればこの独自の形式を続けていきたいとは考えています。


 ただでさえ書く人の少ない「回文」の中で、さらに「架空の人物の日記」という、より狭いジャンルを一人で作ってしまったようなものなので、トボトボとこの道を歩いていきます。


 けっして難しい内容ではないので「10秒で終わるショート・ムービー」のようなものをイメージしていただければ読みやすいかと思われます。

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回文日記集「卑怯者にも土耳古の酒」 @-me

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