雪国のアイドル

作者 板野かも

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★★★ Excellent!!!

この方は以前からアイドルものを書かれているイメージがあり、どんな感じなのだろうと短編から入ってみました。
アイドルらしいキラキラとした世界が描かれるのかと思えば、そんなことはない。
丁寧な描写とともに、リアリティーあふれる厳しい現実が語られます。想像以上に深かった。
この短編をきっかけに他の作品も読んでみたくなる、完成度の高い一作です。

★★★ Excellent!!!

精緻な筆致ですすんでいく、メイドと御主人様の静かな対話にレトロな趣をかさねながら余韻たっぷりに読める一作です!

熟読玩味すべき濃厚な、純文学。
常に流行の先頭をいくアイコン的存在、アイドル。

斜陽のアイドルという、今作の板野かもさんの独特の世界観をあらわすのにぴたりとあてはまった、2つの掛け算=おもしろい!

★★★ Excellent!!!

アイドルがアイドルを志した理由は
愛されたかったから?
人を笑顔にしたかったから?

多くのアイドルは見つけられず隔絶され。願いは形を変えていく。

しかし、彼女が諦観の中にそれでも捨てなかったものは人としてきっと貴いものだと思う。

アイドルという浮ついた外見とは裏腹に余りに刹那的なその生の本質に悲しみと美しさを覚えずにはいられない。

★★★ Excellent!!!

1970年代に生まれた萌芽が紆余曲折の末に満開の花を咲かせ、そこから実ったいくつもの種がやがて新たな生態系を作り出す――そんな「アイドル」の世界、華々しい成功を収める人もいれば、しんしんと積もる雪の中で活動し、まるでその白い中に消えていきそうな人もいる。でも、そんな彼女でも、ずっと想い続けている人がいる……。

静かな情景、寂しさ、でもその中でもしっかりと息づく何かがある。
あるアイドルに纏わる出会いを描いた、どこか文学的な作品です。

★★ Very Good!!

世の中の流行り廃りに翻弄され、あっと言う間に通り過ぎる時代に必死にしがみ付き、喰らい付くアイドル達。

顔には出ずとも、きっと心の中は鬼の形相だろう。

そして差し出す手に、人の温もりは宿っているのだろうか。
発する言葉に、想いは宿っているのだろうか。

変わらずにそこにある、そしてそこにいる。
この安心感を、もう一度思い出してほしい。