一時限目 魔導書について

●魔導書 

 この作品世界内における魔導書は魔術を使う上でほぼ必須となっている。個人作成のものだけでなく、商業用に出版社から刊行、一般販売されているものも多い。現代では紙の魔導書は電子版に持ち運び、取り回しの点で譲っており、紙の魔導書が売れないことが出版不況に拍車をかけている。


・ハードカバー

 旧来の、紙の本の魔導書。特に分厚く堅い表紙で守られているもの。魔術の初期においては床面や地面に図案と呪文を組み合わせた魔法陣を描いて行使されていた。この魔法陣を紙に写し、書籍の形状にまとめたものが魔導書である。複数の魔法陣を同時に携帯出来、状況に応じて即座に使い分けることが出来るという利点から、魔術の重要なアイテムとなった。また、魔法陣を重ねることで魔術の出力・安定性、拡張性を増すことが出来るという思わぬ利点もあったようである。

中世から長きに渡って魔導術の中核をなすものだったが、今やアプリケーション版や文庫本に押されている。重い・かさばる・遅い(発動まで時間がかかる)として、若者の間では不人気。代わりに、安定した出力の魔術が発動しやすい、アプリ版のようにハッキングやデータ消失によって失われたり暴走しにくいという長所がある。世界中で刊行されている、もっとも有名な魔導書の出版社はハイエスト・チェアグループのラジエルブックス。


・ グリモワールテキスト

 教育機関で魔術を指導するための紙の教科書としての魔導書。扱える魔術が文部科学省の指導要領に定められているものに限られ、安全性を重視しているため出力と暴走の危険性は低い。国内の教育出版社から刊行。


・ 魔導書アプリ

「マスタースペルG6」

 電子書籍としての魔導書。スマートフォンにアプリとしてインストールされ、指先で画面を操作、使いたい魔術式をタッチしながら読み上げることで空気中の伝子を操作、魔術を発動させる。魔術を使う早さは旧式の魔導書とは段違いに早い。マスタースペルG6は一般に広く普及しているアプリで、槙野零子の作ったG1から数えて6代目。初代「マスタースペル」はハジメの母、槙野零子が開発、実用化した。


・魔導書魔術出版協会

 個人・企業が作成・出版・販売・流通する魔導書を検閲し、安全管理を行う機関。国際本部のもと、各国の支部がある。違法な魔導書・魔術の作成と流通を警察と連携して取り締まり、魔導書の没収、絶版、禁書指定を行う。禁書に指定された魔導書は特殊な許可を持つ専門家以外は所持が許されない。





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