〈ま行〉
ま
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。
●~枚
選手を数える時は「~人」の他に「~枚」も使われる事が多い。
特に、ピッチャーや代打要員に使われる機会が多い気がする。「左ピッチャーが1枚だけ」「代打は2枚残している」など。
監督やコーチは「~枚」と言わないかも。
●マイナー(マイナーリーグ)(MiLB/Minor League Baseball)
メジャーリーグの下のリーグの事で、日本風に言うと2軍から8軍。
・AAA(トリプルエー) ※3Aとも書く
・AA(ダブルエー) ※2A
・クラスAアドバンスド(アドバンスドエー) ※A+
・クラスA(シングルエー) ※A(1A)
・クラスAショートシーズン ※A-
・ルーキーアドバンスド
・ルーキー
マイナーの1番上(メジャーの1つ下)のAAAが日本風に言うと2軍になるのだが、そのレベルはプロ野球の1軍と同等。
日本に移籍する選手は、AAAから移籍する選手が多い。「元メジャーリーガー」の場合は「一時的にメジャーに昇格しただけ」の選手が多くいる。ガチなメジャーリーガーは少ない。
プロ野球の1軍と2軍では、選手の扱いに極端な差はない。しかし、メジャーとマイナーでは、選手の扱いの差は極端。食事から何から雲泥の差で、それがハングリー精神を育むとか育まないとか。
「マイナーの選手は給料が安くてハンバーガーばっかり食べている」という意味で、案外誇張表現でもなく、ハンバーガーばっかり食べてるとか。
(ホットドッグ派が増えたら「ホットドッグリーグ」と呼ばれるようになるかも?)
栄養があるのを食べて体を作った方がいいような気もするが……。マイナーリーグでは、あまり食事のサポートをしてくれないっぽい。
※プロ野球では、若手の2軍選手は寮に入るのが普通。食事に困る事はまずない。むしろ、しっかり食べるのが推奨されるくらいだと思う。
メジャーの主力選手がケガなどでマイナーで調整をした場合、マイナーの選手に食事をおごる習慣があるらしい。流石に、おごるのはハンバーガーやホットドッグではないと思う。
ハンバーガーを食べてハングリー精神を養ってメジャー昇格を果たした選手は、メジャーとマイナーの格差が大きいため、今度は「もうマイナーには戻りたくない」という思いが強くなるはず。
一方のメジャーリーグは「メジャーリーガーは豪華にステーキばっかり食べている」という意味で「ステーキリーグ」と呼ばれる。
メジャーリーグでは、クラブハウスにも食事を用意してくれるっぽい。「これを持って帰って家族と食べなよ!」と包んだりもしてくれるっぽい。酷い時はリンゴ1個しか支給されないというマイナーとは雲泥の差である。
●マイナーオプション(マイナーリーグオプション)
40人枠(メジャー契約)の選手は、最初に40人枠に入った時にマイナーオプションを3つ得る。オプションが残っている選手は、メジャーからマイナーに降格させたりマイナーからメジャーに昇格させたりを何度も出来る。
※1度マイナーに降格した選手は、ケガ人が出た場合などの例外を除き、メジャーに再昇格するまで10日(2020年からは15日)待つ必要になる。そのため、昇格・降格させ放題という訳ではない。
オプションを持っている選手は、1シーズン中にマイナーにいる(40人枠には入っていてもメジャーの25人枠(2020年からは26人枠)に入っていない)期間が20日以上になるとオプションを1つ消費する。
年に何度も昇格・降格しても1年に消費するオプションは1つだけなので、オプションを3つ消費するまでは最低3年かかる。ただし、5年経たない内に3つ消費した選手の場合は新たにオプション(計4つ目のオプション)が追加される。
3つ(あるいは4つ)のオプションを消費しきった選手は、メジャーからマイナーに降格させる際には「25人枠(26人枠)からだけでなく40人枠からも外す」もしくは「故障者リストに入れる」などが必要。
40人枠から外す場合は「トレードで他の球団に移籍させる」「ウェイバー公示をする」などが必要になる。ウェイバー公示中に獲得を希望する球団があったなら、その球団に選手を移籍させる事になる。
つまり、オプションが残っていない選手をマイナーに降格させる場合、その選手が自軍のマイナーではなく他の球団に行ってしまう恐れがある。
(故障者リストに入れるなら移籍の心配はない)
球団からするとマイナーオプションが多い方が都合がいいだろうが、マイナーオプションのルールは、40人枠には入っていながらもメジャー昇格出来ずに何年も過ごす飼い殺し状態の選手を救済するためのもの。「マイナーに落とすくらいなら他の球団に移籍させなさい」という感じ。
メジャーリーグはプロ野球と比べて移籍がかなり頻繁に行われるが、マイナーオプションが要因の1つになっている。どこかの球団で燻っていた選手が移籍して活躍する事も多い。
(飼い殺しになっている選手は、救済措置がなかったら飼い殺しのままで終わりかねない)
●マイナー契約/メジャー契約
メジャーリーグの選手の契約は「メジャー契約」と「マイナー契約」とに大別される。メジャー契約の方が良い契約(マイナー契約とは雲泥の差)なので、選手はメジャー契約を取るのを目指す。
メジャー契約になると最低年俸が6000万円くらいなのだが、マイナー契約だと最低年俸が一気に下がり、AAA(マイナーの中では1番上)の選手でも1000万円くらい。下の階級になるとバイトの方が収入が良いくらいかもしれない。
「メジャーリーガー」は各球団40人で、この40人がメジャー契約している選手になる。
※この40人の内、実際にメジャーの舞台で戦うのは25人(2020年からは26人)のみ。日本風に言うと、1軍選手が25人(26人)で、1軍候補(準メジャーリーガーという感じ)が15人(14人)。準メジャーリーガーはマイナーの試合に出ながらメジャー昇格を待つ。
40人枠にも入っていない他の選手はマイナー契約で、空きが出来て40人枠に入る事が出来ればメジャー契約になる。
(40人枠に入れたい選手のために空きを作る場合もある)
大谷翔平は、2017年12月にエンジェルスとマイナー契約を結んだ。アメリカやカナダなどの選手を除き、25歳以上じゃないとメジャー契約を結べないルールがあるため、当時23歳だった大谷はマイナー契約しか結べなかった。
2018年のシーズン開幕に合わせてメジャー契約に切り替わったが、ルールの関係でメジャー契約における最低年俸になった。25歳だったら最初からメジャー契約を結んだはずなので、年俸は6000万円とか7000万円というレベルではなかったと思う。
●マイル(mi)
長さを表す単位。メジャーリーグにおいては、球速や打球速度を表す際に「時速~マイル(MPH)」を用いる。
1mi≒1.609km
90mi≒145km 95mi≒153km 100mi≒161km
130km≒81mi 140km≒87mi 145km≒90mi
150km≒93mi 154km≒96mi 156km≒97mi
159km≒99ml 161km≒100mi 165km≒103mi
●マイルストーン
節目の記録の事。
※元々の意味のマイルストーンは、距離(マイル)が分かるように一定間隔で置かれていたもの。日本では、江戸時代になって主要な街道に一里塚が1里(約4キロ)毎に設置された。
●マイルハイ
コロラド・ロッキーズの本拠地であるクアーズフィールドは、標高約1マイルという高地に存在する。
ちょうど1マイルの高さにある客席は、他の客席とは色が違う。選手がプレーするグラウンドは、1マイル弱の高さにある。
高地ゆえに空気が薄く、空気抵抗がどうとかの関係で、この球場ではボールが飛びやすい。メジャーリーグには30の本拠地が存在するが、最もバッター有利と言える球場である。
ピッチャーにとっては不利な球場という事で、この球場では1度しかノーヒットノーランが達成されていない。
(達成したのは野茂英雄)
●マウンド
内野の真ん中にある土が盛り上がった部分の事。ピッチャーは、ここから投球する事になる。
「マウンド」は略称で、本来は「ピッチャーズマウンド」と言う。日本では「ピッチャーマウンド」と言う事も多い。
ソフトボールの場合は、マウンドではなく「ピッチャーズサークル」と呼ばれる円の内側にピッチャーが立つ。
(土を盛っていないので、マウンドにはなっていない)
「登板(=マウンドに上がる)」という意味で「マウンド」という事もある。「今シーズン初マウンド」なら「今シーズン最初の登板」という意味。
●マウンド捌き
マウンドでのピッチャーの立ち居振る舞いの事。投球そのものだけでなく、投げるまでの仕草なども含まれている。
マウンド捌きがいいピッチャーは、投球も良くなりやすい。
マウンド捌きが悪いと投球も悪くなり、投球が悪いと打ち込まれ、打ち込まれるとますますマウンド捌きが悪くなる。悪循環である。
主に、以下のようなものがマウンド捌きの要素になると思う。
・投球テンポ
ピッチャーは、テンポ良くボールを投げる方がいいとされる。テンポがいい方が野手も守りやすいと言われている。
キャッチャーとの相性もあるが、サインがなかなか決まらないとテンポが悪くなっていく。
サインが決まったらポンポン投げればいいのだが、そうもいかないのが実情。
通常、テンポが悪い時にマウンド捌きがいいという事はないと思う。
・汗をぬぐう
マウンド上で常に動き続けるので、ピッチャーは汗をかきやすい。
しかし、やたらと汗をぬぐう選手は、自分でテンポを悪くしてしまう。1球ごとに汗をぬぐうような選手もいる。
ストレスがかかると人は自分に触りたがるようで、ピンチに陥いると汗をぬぐう事が多くなる気がする。
・ユニフォームなどに触る
打たれると、ユニフォームに触りたがったり帽子に触りたがったりロジンバッグに触りたがったりするピッチャーが多い気がする。
無意識かもしれないが、何かに触る事で気を紛らわせているのかも。
・マウンドの周りを歩く
ルーティーン的に歩くピッチャーもいるが、打たれ始めると歩数が増えるピッチャーもいる。
さっさとプレートまで歩けばいいのに、遠回りをしてプレートを踏みに行ったりする。プレートを踏まないと、投げられないどころかサインを決める事も出来ない。
これも投球テンポに影響してくる。
・ランナーを気にする
ランナーを意識すると、投球が悪くなりがち。全く警戒しないのも困り物だが、警戒しすぎると投球が悪くなり、かえってランナーが増えていく。
ランナーを見ていると(普通は)バッターに投げられないので、ランナーを見る時間が長いとテンポが悪くなる。
牽制が多いのもテンポを悪くする要因になる。
・雰囲気
堂々としているピッチャーもいれば、少し打たれただけでオドオド・ソワソワし始めるピッチャーもいる。
前者はマウンド捌きが良く、後者は悪い。
オドオド・ソワソワすると、やたらと汗をぬぐったり、やたらと何かに触ったり、やたらと歩きたがったり、やたらとランナーを見たりする。
おおむね、マウンド捌きがいいピッチャーは、堂々とした雰囲気を放っている。
マウンド捌きが悪いピッチャーは、懸念事項が多いせいか、表情に覇気がない気がする。
●マウンド訪問(MV/Mound Visit)
監督やピッチングコーチがマウンドに行き、ピッチャーに声をかける事。ケガや病気などの場合を除き、同一イニング中に同一投手の所に行けるのは1回まで。2回行ったら投手交代になる。
投手と相談するために野手がマウンドに行く(もしくは投手の方から行く)のもカウントされるが、野手が1イニング中に2回行っても投手交代にはならない。
メジャーリーグでは、2019年には1試合5回まで(2018年は1試合6回まで)に制限された。延長に入った場合は1イニング中1回まで。プロ野球では2019年に6回までに制限され、アメリカに合わせて2020年には5回に減るかもしれない。
※投手交代のためにマウンドに行った回数はカウントしない。アメリカでルールが変わると、日本でも次の年にルールが変わる傾向がある。
メジャーリーグでは、球場によっては「マウンド訪問数(MV)」もしくは「マウンド訪問の残数(MVR/Mound Visits Remaining)」が表示される。
●(バッターの)前の手・足
ピッチャー側の手や足の事。手は下の手で、足は軸足じゃない方。右打ちなら左手と左足。
●曲がり球
変化球の事。特に、スライダー・カーブ系の球種。
●負け投手(敗戦投手)(L/Losing pitcher)
「この投手が失点したから負けた」と見なされる投手の事。負けたチームの1人が負け投手になる。
「敗け投手」「敗北投手」「負けピッチャー」でも意味は通じると思うが、これらの言い方はあまりしない。
詳しくは「勝ち投手と負け投手について」で解説。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054886142033
●負け星
勝利を「勝ち星」や「白星」、負けを「負け星」や「黒星」と表現する。「星を五分に戻す」なら「白星と黒星(勝ちと負け)が同じになる」という意味。
白星/黒星は、記号では「○/●」を使う。「☆/★」は使わないと思う。
おそらくは相撲に由来するもので、遅くとも江戸時代には相撲で「○/●」が勝敗を表すのに使われていたらしい。
(「○/●」という書き方が先にあって、それを「白星/黒星」と言うようになった……のかも。逆かも)
相撲で勝敗の結果を表す表(こんな感じのやつ→ ○○○●○●)を「星取表」と言うが、それに倣ってか、野球でも星取表という言い方をする事がある。
なお、平幕力士(=三役未満(前頭)の力士)が横綱に勝つ事を「金星(きんぼし)」と言う。大関などが横綱に勝っても金星ではなく白星。前頭の中でも上位ではない力士(下位すぎると基本的に横綱と当たらない)が横綱に勝つと「大金星(だいきんぼし)」と言われる。
●マサカリ投法
自由な足(=軸足じゃない方の足=利き腕と反対側の足)を大きく上げ、利き腕は地面に向けて下げるピッチングフォームの事。
このフォームでの投球が「振りかぶったマサカリを振り下ろす動作に似ている」という事で「マサカリ投法」と呼ばれるようになった。
どうして「斧投法」じゃなくて「マサカリ投法」だったんだろう……?
(マサカリ投法とは関係ないけど、青森県の下北半島は「マサカリ半島」とも呼ばれている。どうして「斧半島」じゃないのかは知らない)
マサカリ投法は、地面と平行になるぐらいまで足を上げる。この体勢で片足立ちをする事になるので、強靭な足腰が必要。
(片足立ちする時、一旦、かかとを浮かせるフォームだった。一瞬ではあるが、つま先立ちのような形になる)
マサカリ投法を編み出した村田兆治は、電車で吊り革を使わずに立って足腰を鍛えていたとかいなかったとか。
マサカリ投法には、いくつか弱点があった。
溜めが長いフォームで、クイックモーションでの投球には向かない。
もっとも、村田は「ランナーが盗塁してもバッターを抑えればいい」という考えだったらしい。
また、利き腕を下ろす際にボールの握りが丸見えになるため、投げる前に球種の判断が出来た。
(主にストレートとフォークを使う人だった)
こちらは、投げる直前に「ストレートからフォークに握り直す」「フォークからストレートに握り直す」という技術で弱点を克服している。
●マジック(マジックナンバー)
「あと何勝すれば優勝になるか」を示す数字。この数字が減るほど優勝に近付く事になる。
プロ野球では、2位以下のチームに自力優勝の可能性がなくなった段階で、1位のチームにマジックが出現する。これを「マジック点灯」と言う。
※残り試合数に差が出る事もあるため、1位にマジックが点灯せずに2位に点灯する事もある。
1位のチームが負けたりすると、2位以下のチームに自力優勝の可能性が復活する事がある。このような時に「マジック消滅」が起きる。
(マジックが「消える」とは言うが、マジックが「消灯する」とは普通は言わない)
●真芯
バットの芯の中でも、特にボールが飛ぶ所。
●マシン打撃
打撃練習の1つ。ピッチングマシンが投げるボールを打つ。
●マスク
キャッチャーマスクの事。視野は意外と狭く、慣れない内はキャッチボールも満足に出来ない……と思う。
キャッチャーフライを捕る時などは、視野を確保するために、キャッチャーマスクを外すのが普通。
キャッチャーとして出場する事は「マスクをかぶる」と表現される。
メジャーリーグでは、アイスホッケー風のマスクを使うキャッチャーが多い。
(日本だと、あまりいないと思う)
●マスコットバット
素振り用の重いバット。ネクストバッターズサークルで次のバッターが振ってたりする。
●マダックス(Maddux)
100球未満で完封する事。グレッグ・マダックスに由来する呼び名で、彼は13回のマダックスを達成している。
マダックス13回というのは突出した数字で、2位の選手でも半分程度の7回しか達成していない。
100球未満で完封となると「100球未満で9イニング」と「9イニングで無失点」を同時に成し遂げる事になるが、一方だけでも難しい。
先発ピッチャーとしては、6イニングを100球3失点でも御の字なくらい。マダックスは相当レベルが高いピッチングになる。
グレッグ・マダックスは精密機械に例えられるコントロールの持ち主で、グラウンドボールピッチャー(=ゴロでアウトを重ねるタイプのピッチャー)の代表格。
少ない球数で長いイニングを投げるピッチャーは、低めに制球してゴロを打たせるピッチャーが多い。
(三振は最低3球投げないとアウトを取れないが、ゴロは1球で複数のアウトを取る事も可能)
コントロールが悪いとフォアボールが多くなり、球数も多くなってしまう。マダックス達成には向かない。
●まっすぐ
ストレート(フォーシーム)の事。
●まっスラ
まっすぐ(ストレート)とスライダーの間のような球種の日本風の言い方。
「ナチュラルにスライダーのように変化する速球(ストレートのつもりで投げても微妙に変化する)」もしくは「カットボール」の事。
※日本でカットボールがあまり知られていなかった頃、カットボールも「まっスラ」と呼ばれていたらしい。
●マッドボール
泥などで汚したボールの事。バッターが危険に晒される恐れがあるため、このようなボールを投球に使う事は禁止されている。
●松ヤニ(パインタール)
野球では、滑り止めとして松ヤニが使われている。ロジンバッグの中身(の一部)にもなっている。
メジャーリーガーが使う白っぽい色(木の色)のバットの一部が黒くなっているのは、そこに松ヤニを塗っているから。
(黒いバットでも、目立たないだけで塗られている事が多い)
※バッターが危険に晒される恐れがあるため、松ヤニを塗ったボールを投球に使う事は禁止されている。
●的を絞らせないピッチング
コース・高さ・球種・球速などを変え、バッターが狙いを絞れないようにするピッチングの事。同じ所に同じボールを投げていると狙い打ちされやすくなる。
●マニキュア
メジャーリーグでは、キャッチャーがマニキュアを塗っている事が多い。最近、日本でも塗ってる人が増えた。
これはオシャレではなく、どの指(サイン)を出しているかを分かりやすくするためである。
(オシャレで塗ってる人もいるかもしれないけど)
マニキュアではなく、シールを使う選手もいる。マニキュアにせよシールにせよ、蛍光オレンジや蛍光グリーンを使う選手が多い気がする。爪ではなく指の背に色を付ける選手もいる。
●マネージャー(manager)
日本語(カタカナ語)でのマネージャーとは違い、英語のmanagerは監督の事を指す。
●マネーピッチ
そのピッチャーが得意としている球種の事。主に、三振を取れる決め球(ウイニングショット)の事。
「マネーピッチ」と言うと「お金(年俸)を稼げる球」みたいな意味が含まれる気がする。
●幻のホームラン
以下のようなホームランを「幻のホームラン」と言う。
・本当はホームランなのにファールと判定された(誤審)
・本当はホームランなのにフェンス直撃と判定された(誤審)
・普通ならホームランになるのに外野手の好守備に阻まれた(仕方ない)
・ホームランを打ったのに試合不成立で試合そのものがなくなった(仕方ない)
・ホームランを打ったのにベースを踏み忘れた(自分が悪い)
何十年も前の事だが、コールドゲームでホームランがなくならないように、グラウンドに火を着けた例がある。
雨が降って試合が中断。雨が上がってもグラウンドは水浸しで、試合続行不可能と思われたのだが……。
後に三冠王となる野村克也が「ガソリンを撒いて火を着ければグラウンドが乾くはずだ」というナイスアイディア(?)を閃き、その案が実行された。結果、見事にグラウンドが渇いて試合続行。
ホームランも記録として残り、それまでの日本記録を1本上回る52本で新記録となった。火を着けずにホームランが幻に終わっていたら、日本タイ記録止まりだったかもしれない。翌年、王貞治に記録を塗り替えられてしまった……。
※現在の消防法的には、グラウンドに火を着けるなんていう暴挙は認められていません。グラウンドが水浸しになってホームランが幻になりそうでも、決してマネしないでください。
●マメ(肉刺)
マメは水ぶくれ(水疱)の一種で、専門的な呼び方では「外傷性水疱」と言う。
マメが潰れると傷口からバイ菌が入りやすくなるので、無闇に潰さない方がいいと言われる。潰れてしまったら、水で洗って絆創膏を貼って感染防止。
なお、マメは短期間で出来るもので、タコは長時間かかって出来るもの。
マメは「皮膚の内側に水分が溜まったもの」だが、タコは「皮膚そのものが硬くなったもの」である。
ピッチャーは手にマメが出来やすく、マメが潰れて降板したり登板を回避したりする。潰れるまで行かなくても、マメに引っかかって上手く投げられなくなる事も。
「いいバッターは手の平にマメが出来ない」とも言われる。これは、手に無駄な力が入っていない状態で振っているから。
(力いっぱい握った方が飛距離が出そうだが、案外、力を抜くのも大事)
マメがなかった人がマメが出来るようになったら、無駄な力が入っている証拠かもしれない。
指導者に「手にマメが出来るまでバットを振れ!」と言われたら「いいバッターは手の平にマメなんて出来ないんすよ」と言ってみるといい……かも?
(保証は出来ません)
●魔物
甲子園に頻繁に出没する存在。どのような姿をしているのかは不明。
「あと1アウトで3アウトになる」というタイミングで平凡な打球を捕り損ねたら、魔物が出現したのかもしれない。
そのエラーが逆転に繋がった場合、かなりの確率で魔物がコンニチワしている。
(魔物の出現時間帯は決まっておらず、午前中でも夕方でも出現する)
「あと1アウトで試合終了」のタイミングでエラーをして逆転負けしたら、ほぼ確実に魔物の餌食になっている。
※現実的な事を言うと、魔物の正体は緊張とかプレッシャーとか。カクヨム甲子園にも魔物が……?
●守れる~
守備が重視されるポジションの選手でありながら打撃が良い選手を「打てるショート」のように言う。ピッチャー・キャッチャー・セカンド・ショートなどに使う。
ファーストなどは打撃が重視されるので、あまり「打てるファースト」とは言わない。守備が良ければ「守れるファースト」とは言われる。
キャッチャーやファーストは足が遅い選手も多く、足が速ければ「走れるキャッチャー」のように言われる。サードも遅めの選手が比較的多い。
●マルチヒット(複数安打)
1試合で2本以上のヒットを打つ事。
●~回り目(~巡目)
打順について「1巡目」「2回り目」などと使う。
「1番の第1打席」から「9番の第1打席」までが「1巡目(1回り目)」になる。
「1番の第2打席」から「9番の第2打席」までが「2巡目(2回り目)」になる。
●回る
「バットが回る」「打席(打順)が回る」「塁を回る」などで使われる言葉。
「バットが回る」は「空振りをする」「ハーフスイングがスイング(ストライク)の判定になる」という意味。
ここでの「回る」は「回転する」という意味になっている。
「打席が回る」の「回る」は「出番が来る」という意味。
「塁を回る」の時は「移動する」や「駆け巡る」とかの「回る」である。
●間(ま)を嫌う
「ピッチャーとバッター」あるいは「ピッチャーとキャッチャー」の呼吸が合わない時に、バッターが打席から出たりピッチャーがプレートから足を外したりする事。
相撲の立ち合いの時に、力士が「すんません」みたいな動作をして立ち上がる事があるが、あれと同じような感じ。
(相撲の立ち合いでも「間を嫌う」と表現する)
自分のタイミングで打ったり投げたりしたいので、タイミングが合わない時には一呼吸置いて仕切り直す。
●満塁
ランナーが一塁・二塁・三塁にいる事。「フルベース」や「塁が埋まっている」とも言う。
●満塁策
バッターをフォアボールで歩かせて、意図的に満塁を作る事を「満塁策」と言う。基本的に、満塁策を実施するのは「ランナーが二塁・三塁の時」か「ランナーが一塁・三塁の時」である。
(よほどの事がない限り、三塁が空いている状況での満塁策にはメリットがない)
時には、満塁の方が守りやすい事がある。
1アウトでランナーが二塁・三塁の時、バッターがショートゴロを打ったとする。ショートからファーストに送球されても2アウト止まり。
1アウトで満塁の時、バッターがショートゴロを打ったとする。ショートからセカンドに送球で2アウト。そこからファーストに送球で3アウトに出来る。
●満塁で敬遠
「押し出しで1点を失うが、満塁ホームランで4点を失うよりはマシ」という時には満塁で敬遠する事がある。満塁で敬遠されるバッターは、それだけ恐れられているバッターという事である。
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