あのドラゴン、差押えます~県税職員のおっさんが異世界で税金取立~

作者 猶(ゆう)

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★★★ Excellent!!!

かつて「滞納税金の差し押さえのために異世界召喚された主人公」などあっただろうか、いやない……たぶんないと思う。異世界モノはもはや何でもあると聞くので自信はない。
そんな前置きはさておき。

本作の主人公・佐久間は作者様の前作「この財産、差押さえます!」に登場した主要人物の一人だ。
なので本作はそのスピンオフや外伝に相当すると言える。もちろん前作を読まなくとも今作は楽しめるが、彼の懸想人について詳しく知りたければ読んでおくとよいだろう。

前作でもそうだったが、今作でもその見どころは人間ドラマにある。
現代だろうが異世界だろうが、そこには経済があり法律があり、罰もある。国家運営のためにも税収制度があり、滞納者や脱税者からは強制的に差し押さえることもある。それぞれの登場人物にはそれぞれの事情があり、立場があり、責任がある。
とはいえ今作は舞台が異世界、法も違えば罰則も違う。いやそもそも初夜税ってなんだよ!? となることもある。そして時には厳しく時には人情を交え、徴税官となった主人公はその業務に勤しむのだ。

主人公は現実世界でも徴税員であった意外には多少球技が得意というだけで、チートを授かることもなければ戦闘能力など欠片もない。ただ、ひたすら勤勉ではある。自動翻訳のおかげで会話に支障はないのに、わざわざ文字を覚えるのだからなかなかの努力家と言えよう。普段は酒やらタバコやらに傾倒して不真面目なのかと思いきや、そういえば任された仕事はしっかりこなす人間であると思い出した。何気に一途だし。
そのひたむきさが厄介な案件を解決に導き、人心を解きほぐし、最後には良くも悪くも世界に大きな変化をもたらすことになる。それこそ最後の難題の解決策には膝を打って「やりやがった!」と漏らすほどだ。

悩み、揺れ動きながらも前を向いて生きるその姿、とくと見てほしい。

★★★ Excellent!!!

異世界転移の物語は多いけれど、主人公が何の能力もプラスされずに放り出される……というところがポイント。

そのため、無双の強さを誇るどころか、ただただ戸惑うばかりの主人公・佐久間に共感を覚えます。

しかしこの佐久間、突然見知らぬ世界に放り込まれたからといって腐ったりしない。
元いた世界での能力、即ち県税職員のスキルを最大限に活かし、己の力でこの世界を生きようとするのです。

決して逞しいわけではなく強くもない、普通のおっさん。けれどその芯にあるものは熱く優しく、多くの登場人物と共に読者である私も魅了されてしまいました。

数々の困難な任務、仕事を通じて出会った様々な人々や生物達、そして深まっていく絆。
心温まる人情話から白熱のアクションシーンまで、どこまでも心を揺り動かし続けられ、佐久間と共にこの世界を楽しませていただきました。

出会えて良かった、この物語を知ることができて良かったと心から思える名作です。

★★★ Excellent!!!

県税職員の佐久間は税金徴収のエキスパート。
どんな困難な案件でも必ず徴収し、刺されてもしぶとく生き残る彼を人々は「不死身の取立人」と呼ぶ。
そんな彼がある日突然、飲んでいたストロングゼロと共に異世界へ召還。
突然ドラゴンに襲われるも、佐久間はストロングゼロを飲み干すと空き缶を蹴飛ばし、「おもしれぇ、そのドラゴン、俺が差押えてやる」と笑うのだった。

って、TVドラマ化にあたってこんな感じに設定を弄ろうと思うのですが、どうですか?
え、ダメ?
佐久間はそんな特別な人間じゃないし、飲んでいたチューハイもストロングゼロじゃない?
いや、確かに佐久間は普通の人間で、そんな平凡な彼が誠意をもって仕事にあたり、やがて世界を変えるような大きな事をやってのけるのが今作の魅力ですけど、主演が竹内力さんなんですからこれぐらいの設定変更が必要なんですってば。
え、そもそもなんで佐久間役が竹内力なのかって?
もっと若い人がいい、ですか・・・・・・。
分かりました、じゃあ『闇金ウシジマくん』の山田孝之さんで。
ええっ、これもダメ? 金貸し関係から離れろ?
そんなぁ、山田さんがダメなら後は思い切ってスマップの中居さんを考えていたんですけど……『ナニワ金融道』のドラマやってましたし。

かくして『あのドラゴン、差押えます』のTVドラマ化会議は今日も続き、さらには異世界側のキャストを巡っての論議も白熱するのであるが、それはまた別の話。

★★★ Excellent!!!

人と土地があり、支配者と被支配者がいる限り、成る程税はあるのだろう。

だからといって、まさか異世界でやるなんて!
アイディアが先制パンチを放つような作品ですが、しかし、そのパンチの重みたるや。重厚に練り込まれた世界観にストーリー、読み始めると目を離せないテンポ。初撃から嵐のような乱打を受けること請け合いです。

魅力的で独創的な世界で生き生きと生きる、キャラクターたちもまた、とても魅力的です。
それぞれの持つ光と闇とが、きっと、魅力の根幹なのでしょう。人格に深みがあり、物語にリアリティーを与えていると思います。

幻想的な現実感、とても面白かったです!

★★★ Excellent!!!

というアイデアの面白さもさることながら、もうこのキュンキュンが止まらないのをどうしてくれればいいんですか! と楢さんに声を大にしてお届けしたい。

また、奴隷制度等々、色々と考えさせられるところもあり、全てにおいて美味しいと思う作品です。異世界ファンタジーであり、恋愛モノであり、友情も垣間見えつつも社会問題をそっと提示してくれる。

そんな作品だと思います。完結お疲れ様です

★★★ Excellent!!!

召喚ミスで異世界に召喚された、県税職員の佐久間。
城も竜も当たり前に存在する世界で、召喚魔法の効力が切れるまで統括徴税官詰所で働く、作者様の知識を存分に活かした異世界お仕事小説。

異世界でもお仕事モノは多くありますが、竜や奴隷など、「異世界での常識」に対して、「現代の知識」を応用して対応していくスタイルがとてもうまく融合されていて、税という一見現実に引き戻されそうなファクターがファンタジーの雰囲気を邪魔しません。

また、佐久間が登場する別作品、『この財産、差押えます!』でもそうでしたが、例え未納の人でも、そこにはドラマがあり、悩みがあり……完璧な悪人などいない、というメッセージが出ていて、ハートフルな展開に心を掴まれるでしょう。

一風変わったファンタジー、皆さまもぜひお楽しみください!

★★★ Excellent!!!

現代日本の公務員が突然連れてこられた先は、地球ではない国でした。

国家元首は王様だし、乗り物は馬やドラゴンだし、選挙の代わりに世襲制度が、銃の代わりに魔法がある、そんな国。
だけど、人が生きていること、それをまとめて『守る』国という組織があることは同じ。
国を動かすためにお金が必要で、税金を納めてもらわなきゃいけないのも同じ。
人が豊かに生きるために富が求められているのも、同じ。


本当に、世の中って世知辛い。何をするにも、金、金、カネ! Money!! そして税金!


「違い」と「同じ」に振り回されながら、彼は懸命に生きて生きて――果たして日本に帰るか。帰れるのか。
その時、別れなければいけない人たち(とドラゴン)は、どんな顔をするのか。

このワクワク、是非ご一緒しませんか?

★★★ Excellent!!!

現代ドラマを主戦場とする筆者の得意技を、異世界にそっくり転生させた本作。
アプローチの方法が、普通の異世界モノとはまったく違うのが本作の魅力!

それは、理路整然とした思考と知識を持つ筆者、そして主人公ならでは。
現代社会でも財務局徴収部で辣腕を振るった主人公――佐久間が、異世界でもその知見を存分に活かして活躍してゆく!

それは、決して武力や権力に頼るものではなく、ひとの心にそうっと寄り添うようなアプローチ。
唯一無二の世界観。人情ドラマを思わせる、やさしい異世界転生譚が、ここにあるっ!

★★★ Excellent!!!

前作「この財産、差押えます!」で徴税業務の裏側に潜む人間の情をありありと描き出してくれた作者様が、まさかのファンタジー世界に舞台を移して再び描く徴税ドラマ。
強制労働や初夜税、奴隷制など、現代日本では馴染みのない――けれど近代以前においては「当たり前のもの」であった現実に挑む、転生主人公・佐久間の心の動きに読者もハラハラさせられます。
また、前作ではほとんど触れられることのなかった、佐久間と「あの子」の恋模様も匂わされており、シリーズとしての物語の広がりに心を踊らせずにはいられない一作です。

★★ Very Good!!

 「俺、還ったらあの娘に告白するんだ…」

 空には竜、人には魔法。文化も倫理観も違う、そんな異世界。
33歳独身、県税職員の佐久間真は間違いで召喚されてしまう―――
召喚魔法の効力が切れるまで元の世界には戻れない。
偶然にも召喚主は同業者、戻れるまでは統括徴税官詰所で働くことに…



 文化も制度も倫理観も違う異世界。
武力行使も、強制労働も、奴隷制度もある世界です。
徴収される人にも、徴収される"差押財産"にも背景があって…
 サクマは、明るい未来の見えないみんなの運命を開けないかと苦悩します。
そんなサクマの武器は、知恵と"良心"、そして異世界で繋いだ仲間たちです!

 彼はみんなを救い、無事、元の世界に還ることができるのでしょうか?
そして、思いを遂げることができるのでしょうか?


 追伸

 佐久間の前日譚、『この財産、差押えます!』を読まれると、よりこのお話が楽しめるかもしれません。
読まなくても大丈夫ですが、ぜひ!併せてお読みいただきたいお話です。

【この財産、差押えます!】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882779520

★★★ Excellent!!!

 人を勇者たらしめる力は一つだけではない。
 この物語の主人公は異世界で特別な力や恵まれた境遇を得た訳ではないが、自らの経験や知識と状況を照らし合わせ、常に最善の方法を求め続ける。その結果として大きな国のシステムの中で踏みつけられそうになる少数者を守り、また数多くの人を支えるシステムも守っていく。
 佐久間は皆を救う優しい勇者で、そんな彼の物語をもっと見たいと思わされた。もっと多くの人に読まれて欲しい作品だ。

★★★ Excellent!!!

ひょんなことから現世を離れ、異世界に飛ばされることになってしまったサクマ。
新たに踏み入れた世界でも、現世と同じく税金徴収の仕事につくことになり……?

そんなところから始まるこの物語は、なんといってもサクマの器量の良さが随所に光るところが見所です。勝手の違う、前時代的な風習の残る異世界で、サクマが税金滞納者らとどう戦い抜いていくのか、あなたもぜひ見届けてみてください。あっぱれ、と言いたくなるような鮮やかさですよ。

また、突然異世界に飛ばされてしまうというハプニングに見舞われたサクマの心情に説得力があり、もし自分が異世界に飛ばされたら絶対こうなるだろうなあ……と思わずにはいられませんでした。現世での思い出が詰まった使えないスマホをいつまでも大切に持っている姿などは、誰しもが共感してしまうところでしょう。

サクマと異世界の住人達との温かいドラマ、心優しいドラゴン・エパとの出逢い、そして、別れ。
タイトルを拾うラストシーンでは、胸が熱くなること間違いなし!
貴方もエパの背中に乗って、サクマとともに異世界を冒険してみませんか?

★★★ Excellent!!!

と誰しも思ってしまう傑作。
戦うことはほぼなく、殺伐とした世界に落とされても出来ることを精一杯こなす男。
自分は剣を振るわず、ただその世界にある法と頭脳を駆使して戦う異色の異世界ファンタジー。

現世に比べれば稚拙な法律ばかりではあるものの、この法はどうしてこう制定されたのかを分かりやすく教えてくれる側面もあり、法や税を考えるきっかけもくれる作品。

★★★ Excellent!!!

舞台は異世界ファンタジーな世界。
そこに全然ファンタジーじゃない現実世界日本の主人公が飛ばされます。
主人公は勿論チートではありません。
だって普通の日本人ですから。
でも現実世界のスキルを使い異世界で大活躍します。
読んでいて何だか懐かしい気持ちになってきましたが、多分昔読んだ角川の名作ロードス島戦記を思い出したからでしょう。
しかしロードス島と違うのは普通の日本人が大活躍する所。
そこが既存の作品とは全く違う新しさを持っています。
大人のライトノベル、大人のスニーカー文庫。
ライトノベルに興味が無い層にも受ける作品だと思います。

★★★ Excellent!!!

現世で税に関する仕事をしていた男、佐久間が異世界に転生。
そこで出会った税金徴税官詰所の人たちに加わり、転生前の現世で培った知識と経験を活かして活躍するというお話。
しかし税といってもそこは異世界!
やはりその世界特有の税に関する問題が次々と起こります。
税を払えない人には様々な事情があり、それを知っていても私情を押し殺して割りきった仕事をする。そんな葛藤の中でも佐久間は諦めず、法に則った最良の解決策を模索する。
本作を名作へと押し上げているのは、やはりここにあるのだと思います。
解決へと導いた瞬間、思わず「おお!」と声を出してしまうほど見事でした。

意外とこういうモチーフとなる設定をブレずに書くのは難しいと思うのですが、一切ブレることなく税に関する問題と解決を書ききっていました。
そして異世界ならではの人間ドラマ、過去エピソードもしっかりしています。


面白い異世界転生はこうやって書くのか!
そんなふうに思わせられ、とても勉強になる作品でした。

★★★ Excellent!!!

異世界転生ものですが、当作品の特徴であり特長は、なんといっても税の徴収人であるということ。
別世界特有の変な税もあれば差し押さえるのも題名通りドラゴンまで、という独特かつ創造的な世界観に惹かれました。
何より気に入ったのが、主人公が文字を覚えようとするなど、仕事に真摯なことです。
文章も軽快で読みやすいので、是非とも読んでほしい作品です。

オススメです

★★★ Excellent!!!

あまり異世界ものを読まないのですが、そんな僕でもスラスラ読めるこの安定感はすごいと思いました。

「徴税」という、ある意味では厳しく冷徹な態度を求められる仕事をしながらも、登場する人物全てが朴訥としていて優しくて。主人公・佐久間が提示する解決策も、すごく優しさに溢れてるんですよね。少なくとも、第22話までは、悪人らしい悪人は登場していません。

しかし、やはりどこかで「厳しさ」に直面することもあるんじゃないかと思います。「徴税」ですから。どうしようもない現実もあると思います。そういうものに、佐久間の「優しさ」がいかに対峙していくか――楽しみに待ちたいと思います。

★★★ Excellent!!!

タイトルでもう面白そうというのもそうそうないこの作品。中身もまた看板通り、とても斬新で面白い作品でした。

主人公の佐久間は県税職員のオッサンということですが、チーレムの跋扈する異世界転移モノの中でも異彩を放つほどに等身大のオッサンが描かれていて、そのリアルさにまず驚きます。

そして突如現れたドラゴンに対する佐久間の最初の行動がとにかく最高。人間、超常めいたものに相対した時はこうなるんだなぁとその様が映像でありありと浮かんでくるようです。

流石に異世界モノだけあって、その世界観もしっかりと構成されているのが見事。魔法の体系は勿論のこと、その土地や国の風習や習慣、宗教観や確立された王政そして税法に至るまで。かなり骨太に作られていて安心して読むことが出来ます。異世界モノは多くの場合設定が薄くて辟易するものが多い中、この造形力は流石の一言です。

無論バトル描写も映像が浮かぶ程に緻密に書かれているのですが、個人的に一番の魅力は佐久間の現実世界で擦り切れながらもまだ持っていたその『優しさ』とヒューマニズムで『税』という問題を解決してゆくところ。

元の世界の税法や回収方法でバリバリ解決してゆくかと思いきや、思わぬヒューマンドラマが待っていて、そして筆者が体験したであろう『税とは』という問いかけが佐久間の爽快ながらも温かみのある快進撃から伝わってくるようです。

兎にも角にも、このカクヨムの中で類を見ないほどの斬新な『異世界転移』モノ。

等身大のオッサンは異世界で何を成せるのか!? あと個人的にはエパとの絆がホンワカしてとてもいい感じ!

続編を楽しみにしています!!

★★★ Excellent!!!

税金制度がある異世界というのは、確かにある。
しかし、それを取り立てる側に回るファンタジーって、見たことありませんでした。

税についてはもちろん、それ以外の文化についても綿密に描写されており、異世界の様子が楽しく見ることができます。
最新話はじつにスリリング!
是非今のうちに、ご覧になってみてください!

★★★ Excellent!!!

異世界に税が存在する、というアイデアにまず凄いな、と思いました。また主人公が県税職員で、異世界転移し、税を平和的に取り立てる、という物語で、上手くマッチしていて面白いです!
続きも期待しています!

★★★ Excellent!!!

以前、お仕事コンで税の差し押さえについて物語を描いて下さった作者さんが今度は異世界で差し押さえの物語を展開!
タイトルからもわかる通り、税金が払えないなら差し押さえるものが……ドラゴン。「どうやって差し押さえるんだよ!?」と思ったあなた、それはもうこの作品を読んでみるしかありません。それだけインパクトのあるタイトルにあなたは引かれたのです。

果たして主人公の佐久間あらためサクマは異世界で何を成すのか。元の世界に戻ることはできるのか。
ゆったりペースで進行していきます。今からでも遅くはありません。是非どうぞ!

★★★ Excellent!!!

BGM: “Stars” -Madina Lake-

 華々しい、スターの活躍で満ちている。それはこの世界でもどこの世界でも変わりはないだろう。どんな人間でも輝ける場所があり、幸福を感じることができる世界がある。なのに佐久間は、異世界へと呼ばれてしまった。

 どこへ行こうと世界の本質は変わらず、輝かしい星々の影で、小さな星が回っている。だが果たして、どちらが恒星として巨大なのか。それは星空を見上げるだけではわからないのだ。


(以降、読了後追記 2018/1/22)

 見上げるだけでは惑星の動きを説明できなかったように、星の読み方は決して見上げるだけではない。そして一人の人間が持つ恐ろしい力がある。自分の正しい輝きを、あるいは何によって輝けているかを、間違った視点で誤ってしまうことだ。
 そして一つの誤り・間違った納得が、自らの持つ問題と向き合うことを避けさせ、停滞を招く。
 だが決してその誤りは恥じるべき過ちではない。神の奇跡も、チートも要らず人間は自らの行動と、胸の内を巣食う問題と向き合う勇気によって、それを正すことができる。それをいつだってサクマは証明してきたのだ。


 これは、異世界に天国を求める小説ではなかった。ひたすらに地続く現実と法則の中で、人間が人間らしく、心ある者がその権利を持って輝いている、そんな世界を求める物語なのだ。
 単なるスピンオフとしてではなく、マツリと佐久間のその後にあり得た未来としてではなく、単なる私たちの周りを取り囲むトレンドへの回答ではなく。
 しがない一読者だが、私は人間の物語として、優れた構成と練られた世界観を持ちながら必ず人の心を感銘という渦へ飲み込ませてしまうこの作品を推していきたい。

 

★★★ Excellent!!!

手違いでドラゴンの存在するような異世界に召喚されてしまった主人公。
そこからアクションな冒険活劇が開始される……かと思いきや、自分を喚び出したのは時代は違えど同じような職種(税金の取り立て)の方々だったので、
主人公は現実世界での経験を活かして異世界の統括徴税官詰所で協力をすることになります。
前作『その財産、差し押さえます』も読ませていただいており、そちらもまさしくお仕事現代ドラマって感じでよかったのですが、
今作の夢ある異世界なファンタジー色で描かれた堅実で地味な(しかし実際は大変な仕事なのですが)公務員的な職業のバランスは面白いなと思います。
そういえば税の取り立てという仕事は、ある程度集団で生活するようになったら即座に発生するので、
大体どんな時代にも存在するんだなと改めて考えさせられましたね。

まだ途中読みにはなりますが、
おすすめだと思ったのでレビューさせていただきました。

★★★ Excellent!!!

不思議な魅力のある作品。

同作者さんの「その財産、差し押さえます!」の登場人物、佐久間がファンタジー異世界に転移。ですが、元の作品を知らなくても楽しめます。

元の作品の方がかなりハードな話だったのに対し、こちらは世界の違いのせいかスローペースのまったりした進行。しかし、そんな中でも税金という制度の狭間で起こる事件は容赦なく人を追い詰める。
人権意識の希薄な時代であることから、のんびりした雰囲気でも罰則やトラブルは現代以上にヤバいものになりがちというギャップも面白いです。

また、中世ヨーロッパ風世界の生活や制度などもしっかりとリサーチの上再現されており、そこに慣れようとする登場人物の姿も共感をそそります。


続きが気になりつつも、なんとなく登場人物と一緒に過ごしているような気になる本作。でもきっと、このままでは終わらないんでしょうね…

引き続きたのしみにしております!