蛹
入学式の日の夜、
母 「乾杯!あーちゃん、入学おめでとう!」
父 「あーも、もう高校生か。感慨深いな」
紅雨「あはは。なにそれ、おじいちゃんみたい。」
母 「高校生になって、やってみたいこととか何か、ないの?」
紅雨「やってみたいこと、?」
父 「ほら、楽しみなこととかさ」
紅雨「うーん、文化祭とか、楽しそうだなって。去年見に行った時に思ったかな」
母 「高校の文化祭って楽しいわよ~。お母さん、高校の時に文化祭の実行委員やったなぁ。」
父 「懐かしいなぁ」
紅雨「実行委員?」
母 「そ、文化祭の準備とか運営を仕切るのよ。まぁ当日もすっごく忙しくて文化祭自体を楽しめたかっていうと、どうかなって感じだったけど。楽しかったわよ。文化祭も一回じゃないんだし、一度そういうのをやってみるのもいいんじゃないかしら?」
紅雨「でも、私はみんなを仕切るなんて、そんなこと」
父 「お父さん、あーが昔のお母さんみたいに頑張ってるとこ、見てみたいなぁ」
紅雨「うーん。わかった。私、やってみるよ。実行委員。」
母 「よっ、あーちゃんさすが~。ほら飲め飲め~。」
紅雨「はいはい、ただのりんごジュースでしょ」
そう啖呵を切って来た。だから上手く実行委員に立候補出来て安心した。
他に立候補がいなかったことも手助けした。いれば私は譲っていたと思う。
喜雨「紅雨さん、おんなじ班になろーよ」
紅雨「うん、いいよ。」
喜雨「あ、霧雨さんもー。おーい」
霧雨「あ、うん」
日向「はいはーい。私も一緒!四人で決まりね」
嬉しかった。今までこうやって私の周りに人が集まることなんてなかったから。グループ分けやペア決めなんて大嫌いだった。あの瞬間までずっと。
入学式の後から、中々上手くは話せていないと思う。
けど
友達ができる秘伝の技
か。初めて学校に行ったあの日、私は確かに一歩前に進んだ。私は変わることが出来るのかな。まだ自信はない。けど
藤沢で二泊三日。今は楽しみだって思える。
華のJK1なんだが受験に失敗したので高校に行くのが極めて憂鬱である 霧雨 蘭 @k_ran
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