第4話:メインプレイ:エンディング4

GM:さて、昭人。《聖痕》の累計使用回数は何回になりましたか?

昭人:今回で9回だね。

GM:なるほど。では、最後に君の記憶に関するシーンを挟もうか。

 シチュエーションは、学生寮の自室でオルゴールを聞いている最中、としましょう。

昭人:「ふぅ……今回は危なかったな。ジョーカーの助けが無かったら……俺はアイツに勝てたかな?」

 先日の戦闘を省みる昭人の脳裏に響くのは、「この、モノマネ野郎がぁぁぁ!」心の破壊者が叫んだ言葉だった。

「モノマネ……モノマネか。

 確かに俺の力は、他者の姿形、能力をコピーして戦う……オリジナルには及ばない。決して本物にはなりえない、偽りの力……あれ?」

 そこで昭人は、1つの疑問に行き着く。

「俺の“輪廻の獣”の姿……最初から使えてたけど、あれって本当に“俺の力”なのかな……」


GM:素晴らしい。今回の記憶にぴったりの導入だ!

昭人:やったぜ。


GM:では昭人。君の右手の聖痕が、熱を持って疼き出す。

 それはまるで脈打つように、君に何かを伝えてくる。そして昭人の脳裏に、ある光景が蘇る……。

昭人:「ぐっ……!? これって……」




???(GM):「……君に、ぼくの宝物を上げるよ。受け取ってくれると嬉しいな」

GM:そう言って、目の前の何者かはオルゴールを差し出してくる。

???(GM):「約束だ。君は生きて。生きて、いつかきっと――(口だけが動く)」

GM:眼前の人物が、君に何かを語りかける。その内容は、しかしまだ思い出せない。

 彼(彼女?)と君が、何かを約束し終えた、次の瞬間。

輪廻の獣(GM):「ヴォオォォォォォッ!」


昭人:(!? あれって……!)


GM:君と同じ姿を持つ獣の咆哮が、辺りに響き渡った。

 そしてその獣は君たちへと近づき、ついさっきまで昭人と話していた人物を叩き潰し、血溜まりへと沈める。

輪廻の獣(GM):「ヴォオオオオオ――ッ!」

GM:それを見つめる君の目に、心に。咆哮する獣の異形が、その圧倒的な“力”が強く焼き付けられる。

 君はオルゴールを抱え、何も出来ずにそれを見ていることしか出来なかった……。

 といったところで、今回の回想は終了だ。




昭人:「俺の力は、あの姿は……あれも、俺の力じゃない……。

 じゃあ、俺の力は。このオルゴールは……」

 そこで、昭人の頭に激痛が走る。それ以上、何かを思い出すのを拒むかのように。

昭人:「っ――!? …………」

 昭人はもう何も喋らない。個室からは、オルゴールの音だけが、いつまでも聞こえていたそうな。

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