第2話:メインプレイ:エンディング1

GM:ではエンディング1、戦闘直後の場面からだ。

 君たちの前には、力尽きたポイズンウェイバーが倒れている。その奥にある洗脳電波装置は、宣言だけで完全破壊が可能だ。

昭人:装置からFHの手がかりとか得られないかな?

GM:彼は単独犯なので、すまないが手がかりは特にない。ただ……。

昭人:お?

ローザ:ん? なになに?

GM:「DOKU-DENPA」という文字がロックな字体で刻んである。

 彼の趣味の悪さが垣間見える、そんな刻印でしたとさ。


ローザ:頭の悪さも垣間見えてる気がする(笑)

昭人:期待させておいてこれである(笑)


ローザ:壊そう、徹底的に(笑)

GM:では装置は完全に破壊されました。再起動の心配もありません。

ポイズンウェイバー(GM):「く、おのれ……UGN……!」

ローザ:「あ、まだ息があったっスか」

 ライフルを頭にごりっと押し付けるよ。

ポイズンウェイバー(GM):「ふふ、私に勝ったご褒美に、ブルーフロントの現状を教えてあげようじゃないか」

昭人:「……聞かせてもらおうか」

ポイズンウェイバー(GM):「ブルーフロントにはUGNの介入がない。FHの間ではそう周知されている……これがどういうことか、わかるかい?」

ローザ:「好き勝手できる、ってことっスか?」

ポイズンウェイバー(GM):「ブルーフロントは、FHにとって楽園のような場所なのさ。

 ここで私を倒したところで、第二、第三のFHが、ブルーフロントの支配を狙うだろう。

 既にいくつものセル、複数のエージェントが、実権獲得に向けて動き出しているはずだ」

昭人:「一つ訊きたい。ここを支配することに、なんの旨みがある?」

ポイズンウェイバー(GM):「旨みならいくらでもあるさ。星条グループの利権に、利用できる多数の人間、完結した都市機能……。

 もっとも、この都市にも謎はあるようだがね……とはいえ、FHは必ずここを手中に収めようとするはずさ。

 それは大きなうねりとなって、この島を襲う……わかるかい、UGNがどれだけ戦おうと、最後に勝つのはFHなのさ!」

ローザ:「言いたいことはそれだけっスか?」

ポイズンウェイバー(GM):「ああ、私は、君たちに絶望を植え付け死ぬ……ハハハハ、フハハハハ……ハハ、ハ――」

GM:最後に笑い、ポイズンウェイバーは事切れた。ま、FH的な最後だったと言えるだろう。

 彼の渇いた笑い声は、ブルーフロントの潮風に乗り、やけに耳に残って聞こえた。

昭人:「……最後までやりたい放題だったな」

ローザ:「所属組織の情報を漏らすことが、敵への反抗になるわけないっス……バカな人」

GM:それすらわからないほど、彼はジャームだったというわけだ。

 では、これにてこのシーンを終了しよう。

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