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「カメラ、ですか? その、ちゃんとしたデジタルカメラとか?」
「いえ、違います。携帯のカメラです。その人はいつも私に携帯のカメラを向けてました」
(……標的を撮影することが、引き金か)
佐治さんほど直接的ではないにしろ、十分わかりやすい方だろう。火津木さんのダメージが少ないのは単純にその男の能力が弱いのか、あるいは他の要因があるのか。
(まぁ、今の段階で判断することはできないな。佐治さんに相談……は駄目だ)
佐治さんはトカゲを殺す側の人間だ。火津木さんが特に危険のないトカゲである、と納得したなら見逃してくれるかもしれないが、協力まで求めるのは無謀だ。何より佐治さんが本気で火津木さんを殺そうとした場合、僕ではとても止められない。
「火津木さん。恐らくですが、あなたはその男の人から攻撃されています」
「……攻撃、ですか?」
「はい。あなたの言う近い人間――そういった人間の中には、火津木さんのような存在に対して有効な攻撃能力を持っている者がいます。僕もその一人です」
火津木さんと流谷さんの表情が険しいものになる。
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