空を見てる



すっかりぬるくなっちまった烏龍茶みたいに

味気ない気持ちだけが残ってる

このことの意義を探してみたいけど

夜中に数える羊ぐらい意味のないことだ

だから気持ちが萎えてしまう

萎えてしまうと歩かなくなる

すると太ってしまう

ああこれはとんでもない悪循環だと気づくけれど

どうしようもないことだったし

しかもまるで大発見じゃない当たり前のことだった

だから日々は進んでいく

ルーティンワークを繰り返すことが正義

改めて改革など探したりはしないもの

お気に入りのパンを食べ続ける毎日

くだらねえな

ああ

空ばっかり見てた

阿呆みたいになってた

危なかった

だってあんなもの

すぐ近くを小学生の女の子が歩いてる

シャボン玉を飛ばしてる

まだ世の中に素敵なお花屋さんがあると思ってる

ばかみてえだな

くだらねえな

思ってはすぐ消えていく感覚

視線はさ迷う

行き着くところは

ああ

空ばっかり見てた

阿呆みたいになってた

危なかった

あんなものに憧れるなんて愚かしさも極まれり

月夜まであとわずかの隙間に

入り込んで呼吸をする

ひとつずつゆっくり吸って吐くと

ああ僕も生きているんだなと思う

だからって

烏龍茶はぬるくなっちまったままだし

出口なんかないし

ああ

また空を見てた

阿呆みたいになってた




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