第三十九話 解読できない!? 強力な暗号たち!

 窮地に陥っているのに、クエッションと和んでしまった。しかし、クエッションが牙をむいたので、俺たちは再び窮地に追いやられた。和んでしまって、俺は暗号たちの存在をすっかり忘れていた。暗号たちは、俺たちを取り囲むように迫ってくる。


「呪文を唱えるですっ!」


 いち早く、パフェットが手を叩き合わせて呪文を唱えた。

 そうか! 呪文だ!


「解読! 駄目ですっ……!」


 しかし、暗号たちに解読される兆候はなかった。暗号たちは明滅しながら、俺たちをあざ笑っているかのように、小刻みに震えている。怖い存在でなければ、可愛いペットとして飼いたい気分なのに。


「解読! 効きませんわ……!」


 アヒージョも暗号解読スキルがあるようだ。しかし、失敗して歯噛みしている。

 俺も、手を叩き合わせて、呪文を唱える。


「解読! 駄目か……!」


 暗号は、俺たちに追い打ちをかけるように、点滅しながら俺たちに迫ってくる。このまま、暗号が解読できなかったらどうなるんだ。


 俺たちは呪文を唱えまくるが、見事に完敗だった。


 クエッションを一瞥すると、嬉しそうにニヤニヤしていた。俺の焦燥感は半端ない。このままだと確実にやられる。アヒージョとパフェットからも焦りが伝わってくる。


「何で、ことごとく呪文が効かないんですの!?」

「どうやら、力が足りてないみたいですっ!」

「一緒に呪文を唱えよう!」


 俺たちは呼吸を合わせて、呪文を唱える。


「「「解読!」」」


 少し、暗号たちの動きが止まった。しかし、焼け石に水だ。暗号たちは構わず俺たちの半径一メートル以内に侵入した。


「マズい! もう一度呪文を! っ!?」

「きゃあ!」

「何するですかっ!」


 あっという間に俺たちは捕らえられた。察するに、暗号たちは、俺たちの呪文が少し痛かったようだ。ムカッと来たようだ。だから、俺たちが生け捕りにされたようだ。


 クエッションがくつくつと肩を揺らして笑い出した。次第に、弾けたように、口を開けて大笑いし始めた。


「ハーッハハハハハハハハハハ! 残念だったな、ガーリック!」


 気持ち良さそうにクエッションは大笑いし続けている。相当、俺は恨まれているらしい。このままだと、俺たちは確実に暗号の餌食だ。


「クッ! この状況、どう切り抜ければ良いんだ?」

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