第85話 アゲ○とオレ。

 アゲハの様子を見に肩の島の冒険者ギルドへ行くと、職員から、2年前、成体になり故郷に飛んで行ったと知らされる。

 「かなり、放置しちゃったしな。申し訳なかったな…。」

 「それで、去年戻ってきて、卵おいてった。ほら。」


 大玉のスイカサイズの、白い卵が渡される。

 良かったでちゅ。家族もできたんでちゅね。って、何故に卵でちゅか?


 『アゲハのしゅは、もっとも頼れる相手に一つ卵をたくします。』

 放置されたこと恨んでなかったでちゅ。


 『広い所で、魔力を注いでみてください。』

 『ん?わかった。』


 原っぱで、アゲハの卵に魔力を注ぐ。


 ≪ギフト≫


 卵は少しづつ大きくなる。

 2倍。

 3倍。

 4倍。

 5倍。


 「にゃにゃにゃにゃにゃ!」

 『いやいやいや。何の罰ゲーム?!アゲハの卵、爆発しちゃわない?!』

 『大丈夫です。注ぎ続けてください。』

 自分の魔力が少なくなってきたので、黒真珠のネックレスに有り余っている魔力を≪ドレイン≫しながら注ぎ続ける。

 8倍。

 9倍。


 「みゃみゃみゃみゃみゃ!」

 プラムより、大きくなり、ハーナより大きくなる。

 『いやいやいや。爆発するよね?!』

 『大丈夫です。注ぎ続けてください。』


 ハーナとナーナを足したより、大きくなり、一軒家くらいの大きさになる。

 『こんな所です。これで、アゲハ同様に乗れますよ。』


 「えぇ?!卵に乗れるの!浮くの?!」

 『キューーー!』

 巨大な卵が、ひと鳴きして、浮かび上がる。


 「アゲたま~ういた~。」

 ハーナが、なんとなく呼んだ略称りゃくしょうが名前として定着することになった。

 アゲたまでちゅ!

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