第75話 ボス部屋とオレ。B

 ダンジョン探索38日目。

 12階層のボス部屋前にやってきた。


 「プラム姉。ここのボスは、どんなみゃ?」

 「ここは骨じじぃにゃん。」

 「もう少し、詳しく教えてみゃ?」

 (アンズも11階層でこりたんだな。詳しく聞いている。)


 「正式名は、ジャイアント・スケルトン・ソーサラーで範囲魔法をバンバン唱えてくるにゃん。」

 「聞いて~良かった~。」

 「良かったです~。魔法は~回避難しいです~。」


 ダンジョンの暗闇から黒いひも状の物がオレに巻き付く。

 「なっ?!」


 勢いよく暗闇に引っ張りこまれ、オレは黒のボンテージをまとったオークレディの脇に抱えられる。

 「ブヒィヒィヒィ!!!」

 「にゃ!ボンテージクイーン!ご主人様を返すにゃ!」


 「返すわけないじゃない!人は悪よ!悪よ!お前たちぶっとばしちゃいな!」

 オレを巻き付けている鞭のグリップエンドには、ネズミの頭が細工されている。


 ボンテージクイーンの後ろから、隊列を組んだ魔物たちが仲間たちに襲いかかる。

 「お前たち、あとは任せたよ!」

 ボンテージクイーンはダンジョンの奥へと疾走する。


 「「ごしゅじん~。」」「ご主人様!!」「スキヤキ様!!」


 瞬く間に仲間たちの声や戦闘音が遠ざかり、いくつもの壁を通り抜け・・・・て、奥へ奥へと連れ去れらる。

 「ブヒィヒィヒィ!これで、あたしはコアに認められて、幹部よ!幹部よ!」

 『よくやりました。ボンテージクイーン。コアまで連れて行けば、あなたはダンジョンマスターの右腕になれるでしょう。』

 『おい!何、勝手に契約させようとしてるんだ?!』

 『運命の出会いだと思って、受け入れてください。ことがすむまで、念話は停止いたします。』

 「運命…。」ポッ。

 『出会いってか、拉致だろ!くっ!』

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