第35話 ダウンする俺。

 「よし!まずは、旅支度だ。いっぱい、持たせるから覚悟しろよ。」

 「持てないにゃんよ?猫獣人だし、体重の3割くらいが限界にゃん。」

 「・・・」


 「ほ、ほんと?」

 「本当にゃん。」


 「まじ?」

 「なんで、言い直したか分らにゃいが、まじにゃん。」


 頭を抱えてうずくまる。

 (・・・男になるよ・・・恋をしてやる・・・うじうじ悩まない・・・言葉からだぜ・・・)


 「よし!奴隷商に戻るぞ!」

 「にゃ!返品不可にゃん!酷いにゃん!」


 プラムが、ひっかきまくる。

 「酷いにゃん!酷いにゃん!」


 「痛い!痛い!返品しないよ!プラムの7年前の行動には本当に感謝してるんだから。荷物持ちの奴隷を一人契約するんだよ、だぜ!」

 「感謝にゃん?」


 7年前の僕の事情は、都の偉い人達と各ギルドマスターしか知らないでちゅ。

 「さぁ!戻ろう!」


 「おかえりなさいませ。もう、されたのですか?」

 「ああ。(荷物が持てないなんて、失敗)した。」

 「お若いですし、そういうこともありますよ。」

 「今度は、パワーのある子を紹介してくれ!あっ。安いのはもう見ない!フリじゃないからな!」

 「そんなに気づだらけでも、パワーですか?誠にごりっぱです。」


 紹介された4人目までは何故か妖艶なおねーさん、5人目は牛獣人で背の高い赤髪の少女。

 「あたいは~ハーナ。のろまだけど~。力はあるよ~?」


 「良さそうだ!金貨60枚か。さすがにプラムとは違うな。」

 「にゃにゃ!にゃーが先輩にゃんよ!先輩のが上にゃん!」

 「先輩って…時間的にちょっとだよね?」


 ハーナはただの奴隷のため、奴隷契約書には制約魔法の付加はされていなかった。


 その後、プラムとハーナを連れて、旅の買い出しでちゅ。

 「荷物はこんなもんか。よし。装備を買いに行くぞ。ハーナはバトルアックスとか似合いそうだな。」

 「ごしゅじん~。ハーナ、戦えないよー?」

 「へ?」


 「買い物中に、思ったけどー。ごしゅじん~って、奴隷より冒険者ギルドに依頼したほうが~。よかった~?」


 (護衛依頼すればよかったのか!!まーぃの付き添いで討伐依頼ばかりしてたので気づけなかった・・・まともじゃない猫。荷物を持つだけの牛。金貨76枚。し、し、失敗?!)

 前世の知識では、奴隷に失敗はないはずでちゅ・・・


 頭を抱えてうずくまる。

 (・・・男になるよ・・・恋をしてやる・・・うじうじ悩まない・・・言葉からだぜ・・・)


 し、しばらく、立てそうにないでちゅ。

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