第65話 ダメ姉は、引き留める

 コマが陸上部助っ人として参加する陸上競技大会。その大会は私たちが住む町から新幹線で5時間はかかる他県にて開催され……しかも最悪な事に予選・決勝は平日に行われることが判明した。


「ね、ねえコマ……本当に行くの……?行っちゃうの……?」

「はい。行きます」


 てっきり近場で行われる大会だとばかり思い込んで、応援に行く気満々だっただけに流石にそれは想定外だった私。一時はコマの助っ人の件を認めたはずだったけど、そういう事なら話は別。

 そんなわけでこの私立花マコは、出発当日の朝になってもコマに大会出場を止めるように説得をしていた。


「で、でもさコマ!3日、いや4日は私たち会えないんだよ……!?それでも行くって言うの……!?い、今からでも助っ人の話、無かったことに出来ないかな……?今ならまだ間に合うと思うんだけど……な、なんなら私が部長さんに直談判をしても良いんだよ……?」

「もう……そんな事言っちゃダメですよ姉さま。すでに出場登録は済まされています。ここで出場しないなら何のための助っ人か、そして何のための昨日までの練習かわかりませんよ」

「ぐっ……そ、それは……そうなんだけど……」

「それに……こんなギリギリで今更『出ません』だなんて―――私を頼ってくださった部長さまや託してくださった方に申し訳ありませんでしょう?」


 必死にコマに進言するも、コマの意志はまるで揺らぐことなく正論で返してくる。むぅ……ダメだ、正論すぎて私じゃ何も言い返せない……


「だ、だったら私が学校を休む!そんでもってコマの応援兼コマ専属マネージャーとしてコマについて行くよ!それなら問題ないでしょ!?」

「それもダメです。問題大ありです。姉さまは授業がありますからね。そんな事しちゃったら、また先生に怒られちゃいますよ」

「うー……!で、でも……でもぉ……!」


 私に優しく諭すように、コマはやんわりと私の申し出に断りを入れる。お、怒られるくらい私にとってはいつもの事だし別に構やしないのに……。

 ぐぬぬ……何か……何かないのか……!?他にコマを引き留める方法とか……私がこっそり付いて行く方法とか……


「…………ったく。マコさぁ……オメーまだやってたのかよ。往生際悪いなオイ。それとコマ、時間的にそろそろ行かないと集合時間に遅れるぞ」

「あ、はい。わかりました叔母さま。……と言うわけです。姉さま、私出発したいのですが……」

「あ、ああ!?ま、待って待って!?お願いコマ!もうちょっとだけ待って!?」


 どうにかコマと離れ離れにならぬよう死ぬ気で案を巡らしていた私にぴしゃりと言い放ちつつ叔母さんがリビングから顔を出す。や、ヤバい……このままじゃホントにコマが行っちゃう……!?


 ……何故私がこれ程までにコマが私の元を離れることを嫌がっているのか不思議に思われるかもしれない。念のため言っておくが、自他共に認める超弩級のシスコンだから……ちょーっと妹と会えないと分かり寂しさのあまり取り乱してコマを引き留めている―――というワケでは無いのでそこのところは誤解のないように。

 …………いやまあ……3日、4日もコマと会えないなんて……食事も喉に透らないくらい死ぬほど辛すぎる事なのは認めるけどさ……


 けれど、ただ単に私が寂しいからコマを引き留めているってわけじゃない。それだけじゃないんだ……私がここまで必死になってコマを止めるのは、一つ重大な理由がある。


「わ、わかってんのコマ!?私と3日ないし4日も離れるって事はさ……その間って事なんだよ!?ご飯の味がわかんないんだよ!?」


 そう……一番の問題はコレだ。


 ご存知の通り、味覚障害及び私との口づけで味覚が戻るという特異体質を持っているコマ。6年前からずっと食事の前になると必ず口づけを交わしてコマの失われた味覚を取り戻していた私達。……だから私とコマが離れるという事は、それ即ちその期間コマは完全に味覚を感じられないというわけで。

 一応最近は改善されつつあるとはいえ、コマの味覚の持続時間は最長でたったの3時間。つまり……今から私と口づけを交わしたとしても、コマが宿泊先のホテルに着く頃には味覚は失われてしまう事だろう。


「わかっていますよ姉さま。……ですが、今までずっと姉さまのご厚意に甘えてきた私が言って良い事ではありませんが、数日だけ味気ないご飯を我慢すれば済むだけの話ですので」

「我慢すれば済むだけの話って……!」


 味覚を感じることが出来ない……その辛さはコマが一番よくわかっているハズ。なのに気丈にもコマはそう言う。


「……まあ、行かせたくない気持ちはわからんでもないけどよ。本人がこう言ってるんだし行かせてやりなよマコ。どんだけ辛くても自分で決めた事ならやり遂げるのが立花コマって奴だろう?」

「そ……それは……それは確かにその通りだよ。……で、でもさ!?これでもし、コマの味覚障害が今以上に悪化したらどうすんのさ!?」

「「……」」


 叫ぶように涙交じりにコマと叔母さんに訴える。そうだ。私が何より恐れているのは、しばしのコマとの別れが……コマの味覚障害を悪化させてしまわないかという事。

 3日ないし4日、それ程の長期間コマが味覚を失ったままになるのは今回が初めて。初めてだからこそ……それがコマに一体どんな影響を与えるかは私にもコマにもわからない。もしかしたらしばらく私と接触しない事が原因で、味覚障害もあっさり治ってくれるかもしれない。それなら万事OK、私としても願ったり叶ったり。


 だけど……もしその逆だったら?


「丸3日も味覚を失っていたせいで味覚の戻し方がわからなくなって……そのせいで帰って来てコマの味覚が戻りにくくなったらどうするの?」


 ……いや、戻りにくくなるくらいならまだ良い方だ。これがもしも……


「もしも……今以上に悪化して私とコマが口づけを交わしても……もう一生味覚が戻らなくなったとしたらどうするの?……そんなの私嫌だよ!?これで今以上にコマが苦しむことになるくらいなら……だったら私、何が何でもここでコマを止めるよ!もう、あの時見たいな過ちはご免なんだよ……っ!」

「姉さま……」

「マコ、お前……」


 ……それが私は堪らなく恐ろしい。ここでコマを行かせてしまった結果……6年前のようにまた後悔してしまうような事態になったらと思うと私は……


「……泣かないで、姉さま」

「ふぇ……?」


 コマに縋りついていた私の瞳に貯めた涙を優しくハンカチで拭い、荷物を置いてコマはギュッと私を抱きしめてくれる。


「姉さまの私を想う気持ち……痛いほど伝わりました。ありがとうございます姉さま。本当に……本当に嬉しいです」

「こ、コマ……!よかった、わかってくれたんだね!だ、だったら―――」

「ですが……。それでも私、行きます。どうか行かせてください姉さま」

「えっ……!?」


 分かってくれたのかと思ったけれど、予想に反して私から離れるコマ。ご、ごめんなさいって……


「……ある意味、これも良い機会だと思っているんです」

「良い……機会……?な、何の話……?」

「私はですね、姉さま。……これまでずっと姉さまに甘えすぎていたんだと思います」

「…………は?」


 コマの言葉に面食らう。いやあのすみませんコマさんや?……キミは一体いつどこで私に甘えていたというんですかね……!?私コマに甘えてもらった覚えなんざこれっぽっちも無いんですけど……!?全然記憶にないんですけど……!?いつももっと遠慮なく甘えて欲しいと思ってるくらいなんですけど……!?


「そうです……本来なら6年前のあの日、姉さまに命を救って貰っただけで十分すぎるというのに……味覚が感じられない程度、別に命に係わるような事でもないというのに。ちょっと我慢すれば良かっただけなのに……私ったら今までずっと姉さまの優しさに付け込んで、依存して、何かにつけて口づけしてもらって……本当に甘えすぎていました。情けないですよね私……」

「い、いやコマ……依存してるのはコマじゃなくて……そのぅ……」


 ゴメン、コマの味覚障害が一時的にも治るという口実に付け込んで、依存して、妹との口づけを堪能しまくっているのは寧ろ私の方なんだけど……


「だから……今のままじゃ私、ダメなんだって思ったんです。いいえ、本当は前々から思っていました。このまま姉さまに甘えっぱなしじゃダメだって。……いつまで経ってもこの味覚障害は治らないって。前に進むことが出来ないって。……だからこれは姉さまと一度距離を置く……神様が与えた試練であり、良き機会なんだって思ったんです」

「だから……良い機会?」

「はいそうです」


 そうか……コマ、そんな事を考えていたのか……自分なりに、味覚障害を治そうと必死で……

 う゛……な、なんか急に申し訳なくなってきた……私なんかいっつも『コマとの口づけ最高だわ……毎度毎度コマの唇ご馳走様です♡』とかしか考えてないってのに……


「姉さまの言う通り……しばらく姉さまと口づけ出来ないことが原因で私の味覚障害を悪化する可能性は十分あるでしょう。ですが……仮にそうなったとしても私は構いません。覚悟の上です。このままズルズルと姉さまに甘え続けても……状況は何一つ好転しないハズ。ならばこそ、悪化のリスク覚悟で状況を自分から変えていかなきゃならないって思うんです」

「んー、まあ確かにそうだろうな。コマの味覚障害、あれ程色々試してんのに結局未だに治る目途は立ってないわけだしなぁ。なら状況を変えてみるってのは悪くないだろうさね」


 私の隣で話を聞いていた叔母さんもコマの意見に同意する。それは……正直私も薄々感じていた事だ。私の食事療法もちゆり先生の治療も最近始めた心理療法も―――どれもこれもそこそこ効果はあったけれど……それでもやっぱり決定的な何かが足りない気がしていたし。


「もしこれで……姉さまの元から離れていても、姉さまに頼ることなく甘えることなく大会で良き結果を残せたら……きっと自分にもっと自信が付くと思うんです。自分の力だけで結果が出せたら……私の中で何かが変われるような。そんな予感がするんです」

「自信……」


 なるほど自信、自信か。それは盲点だったかも。コマの味覚障害の一番の原因は心因的な問題から生じているのだろうと散々言われてきたわけだし、大会に出場し自信を付けることでコマの精神状態が安定して……その結果味覚障害が治ることも十分に考えられるのではないだろうか……?


「待っていてください姉さま。今回の陸上競技大会……私、必ず姉さまに勝利を届けて見せますから。姉さまに甘えることなく、自分一人でも頑張れるんだって証明して見せます。ですから姉さま。姉さまはどうか信じてください。私なら大丈夫だって。私なら勝てるって」

「コマ……」


 再び私を抱きしめた後、私を見つめながら真摯な表情でコマはそう言ってくれる。……私を見つめる決意に満ちたその瞳は、真っすぐで力強くてとても澄んでいて……

 やめてよコマ……。そんな目で見つめられたら私……もう『行かないで』なんて言えないじゃない……


「…………わ、わかったよ。そこまで言われちゃ……反対なんて出来ないよね。私がいくら止めようとしても……コマは行っちゃうよね……」

「……はい、そうですね。ごめんなさい姉さま、我が儘な妹で」

「ううん……コマは、コマのやりたい事をやりたいようやって良いんだよ。我が儘なのは私の方なんだし……で、でもねコマ!これだけは言わせて!寂しくなったり辛かったらいつでもどこでも遠慮なんてせずに電話でもメールでもジャンジャカして良いからね!それから……もし何かあったら、お姉ちゃんがすぐにコマの元に駆けつけてあげるからね!」

「はいっ!ありがとうございます姉さま!」


 もう私に出来る事と言えば、コマを見送ることと応援することだけ。引き留めたい気持ちを胸の中に押し込めて、泣く泣くコマを送り出す。


「コマ。もう行かないと時間がマジでヤバいぞ。とっとと行ってこい」

「あ……そうですか。では名残惜しいですけど……そろそろ行きますね私」

「い……行ってらっしゃいコマ……む、無理しちゃダメだよ!ホントいつでも電話して良いよ!辛いならすぐ戻って来て良いんだからね……!」

「まあ怪我しない程度でボチボチ頑張んなー」

「頑張ってきます!では、行ってきます姉さま、叔母さま!」


 私と叔母さんに手を振って、明るく元気に出発するコマ。

 ……これでしばらくコマと直接声を交わすことも触れることも見つめることも、匂いを嗅ぐことも叶わないのか……


「……ふむ。結構あっさりと行っちまったなーコマの奴」

「……」

「マコとしばらく会えないってのに存外元気そうで何よりだったな。正直マコにべったりなアイツが、自分からマコの元から離れるなんて想像できなかったんだが……覚悟は決まったってことかねぇ?」

「…………」

「ちょいと心配だったが……あれならコマも大丈夫そうだよな。落ち着いてたし、普段通りの力を出し切ってきっと大会でも良い結果が―――」

「(ブワッ)…………っっ!!!」

「って……うぉ!?ま、マコ!?どした!?お前泣いてんのか!?」


 パタンと玄関の扉が閉まると同時にポロポロと大粒の涙が私の目から溢れ出てくる。ぅぁああ……コマが、コマがとおくに行ってしまった……つらいよぉ……


「だって、だってぇ……!コマが……こまがわたしのそばに……わたしの目のとどくところにいないんだもん……。つらいよぉ……さみしいよぉ……しんどいよぉ……こまがいないとしんじゃうよぉ……」

「……妹の方は大丈夫でも姉の方がダメそうだなこりゃ。マコ、しっかりしろー傷は深いぞー」


 さめざめ泣く私に苦笑いをしながら叔母さんが慰め(?)てくれる。


「……実際さ、コマが言ってた通り今回の件は良い機会だとアタシも思うぞ。お前とコマは今までずっと……良くも悪くも距離近すぎてたわけだしさ」

「……うん」

「一度距離を取ってみることはアイツの自立の為にも、成長の為にも必要な事なんじゃないかい?」

「それは……わかってるよ。わかってるつもりだよ……でもぉ……でもさぁ……!」


 けど、わかっててもそれでも嫌なもんは嫌だよぉ……割り切れるわけないじゃんかよぉ……


「ったく……うじうじごちゃごちゃ鬱陶しいな。わかってるならさ、嫌でも何でも駄々こねる前にコマの事応援してやるのが姉としての役目ってもんだろうがマコ」

「ぅぐ……あ、姉としての役割……?」

「ぶっちゃけお前よりコマの方が辛いんだぞ。助っ人としてのプレッシャーがかかる中、三日間味覚を失う・ずっと頼ってた姉が傍にいないって悪条件下で……それでも自分の為、そしてお前さんの為に大会出るって決めたコマの気持ち、ちゃんと組んでやりな」

「……うー」


 叱責するように少し厳しめに叔母さんにぴしゃりと諭される。……むぅ……それは……叔母さんの言う通りだ。一人で頑張るとコマが決めた。あんなに真剣な表情で決意していた。なら……なら私も少しくらいは我慢しなきゃね……

 …………にしても普段不真面目な叔母さんに正論で諭されると……なんかちょっと腹が立つね。


「ホレ、まずは元気出して学校行こうや。お前もそろそろ行く時間だぞ」

「がっこう……?」

「そうだ、学校だ。授業なり部活なりやらなきゃならない事がお前にもいっぱいあるんだろ?それを夢中でこなしてりゃ、あっという間に3日、4日なんて過ぎるだろうよ。だからほら、行った行った」


 あー……そっか。そう言えば今日平日だっけ……平日だから授業もあるし、そのせいでコマの応援にも行けないんだよね……

 学校……か。コマのいない学校か……


「…………叔母さん。私、思うの」

「あ?何だよマコ」

「コマのいない学校なんて…………行く意味なんてないんじゃないかって」

「……お前さぁ」


 心底呆れた顔で溜息を吐く叔母さん。だってこのコンディションのまま学校行っても……授業も碌に頭になんか入らずに一日が終わってしまいそうだし、行ってもしょうがない気がするんだもの……


「コマも頑張るって言ってただろ?ならお前も頑張れよな……一応言っておくが、正当な理由がない限りサボるのはアタシは保護者として認めないからな」

「…………叔母さんだっていっつもサボってるくせに……」

「あ、アタシは良いんだよ……大人なんだし」


 ……なんだそれ。大人ってズルいや。


「ぅぁあああ……やだよぉ……コマが一緒じゃなきゃ学校なんて行きたくない……コマの応援が無きゃやる気出ない……」

「玄関で駄々こねながら転がり回るなマコ。ったく……ガキじゃあるまいに」

「中学生だしまだまだガキだもん私…………なんだよぉ……冷たいなぁ……叔母さんもちょっとは傷心中の可愛いめいに優しくしてくれても…………あ、そうだ……」

「あん?今度は何だマコ」


 ごろごろと玄関先で転げ回りながら登校拒否していた私だけど、ふと叔母さんの顔を見てあることを思いつく。そうだ……アレならやる気も出るかも……?


「叔母さん、アレやってアレ。出来るでしょ」

「アレ?アレって一体何だよ」

「ほら、この前やってたじゃん。だよ。あん時みたいにさ、コマの声真似で私を応援してみてよ」

「はぁ?」


 この前コマの部屋を掃除していた際、叔母さんにコマの声真似をされてからかわれた事を思い出す。

 コマの声を熟知している私でさえコマだと勘違いしてしまう程似ていたし、この際背に腹は代えられない。ちょっとでもやる気出して学校に行く為にもここは叔母さんに協力して貰おうじゃないか。


「嫌だよめんどくさい。なーんでアタシがそんな事を……」

「コマの声真似で私を応援してくれたら……私も頑張って学校行くよ。……お願い、やって!やってよぉ……!やってくれなきゃ私、コマが帰って来るまでは、叔母さんのご飯作ってやらないんだからね……!」

「えぇー……」


 めんどくさそうに嫌がる叔母さんの足元に縋りついて懇願する。コマの応援が無きゃもう私一歩も動けそうにないんだもん……助けてよ叔母さん……


「ったく……わかったよ。なら一回だけだぞ。一回やったらちゃんと学校行けよな」

「うん!ありがと!んじゃ、早速頼んだよ!」


 流石に『ご飯作らない』と脅されたのが効いたようで、渋々了解する叔母さん。やった……!言ってみるもんだね。


「あー……じゃあ行くぞマコ」

「うむす!よろしく叔母さん!」


 コホンと一度咳払いして、私に向けてこう一言。


「こほん―――『姉さま、頑張れ頑張れ♡』」

「…………」


 ほぼ完ぺきにコマの声をトレースしてくれる叔母さん。おぉ……凄い、ビックリした。マジで似てる。コマの声そっくりだ。







 …………けど。うん、まあ声似てるといえば似てるんだけど……


「…………はぁ」

「……おいマコ。何だその、如何にも『期待外れでした』って感じのガッカリした溜息はよ」

「……声は似ててもコマ特有の可愛らしさと若さが足りない。叔母さん、やり直し」

「若……っ!?ひ、人に無理やりやらせておいて何て言い草だテメェ!?ええい、良いからとっとと学校に行きやがれってんだバカ野郎め……!」

「きゃん!?」


 正直な感想を言ってみたら、お尻を蹴飛ばされた挙句家から追い出された私。だからもうちょっと優しくしてよぉ……

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