第六十六回 齊王司馬冏は政を専らにす
時人はこの五人を「
▼軍諮祭酒は三国時代に魏におかれた軍祭酒に同じ、参謀や軍事監察を担う。
▼中領軍は領軍将軍と同じく禁衛兵を統べる。
その一方、鎮所の
その傍ら、
宣旨が読み上げられると、司馬倫は
「
幾度かそう言いながら徘徊したが周囲には親しい者もおらず、ただ雨のように涙を落とすだけであった。そうするうちに時を移し、王催が催促する。
司馬倫はやむなく酒盃を手にして溜息を吐き、王催に願った。
「孤は小人に誤られて背逆の罪に陥ってしまった。何の面目があって黄泉の祖宗に見えられようか。孤が死した後、
言い終わると薬酒を
※
成都王を
世人はこれよりどのような災異があるかと囁き交わしたが、ほどなくさまざまな変事が起こり始める。
ある日、何旭が客を接待して宴を開いた際、その豚が座敷に駆け上がって椅子に座った。満座の人々は愕き怪しんで追い出そうとしたが、豚は鳴き声を上げるだけで出て行こうとしない。何旭が大喝すると、すぐさま走り出て行方知れずとなった。
齊王が
「孤の眼が曇ったわけではない。なぜこのような怪異が起こるのか。不吉な事が起きなければよいのだが」
齊王が嘆息して先に進むと、小児が消えた場所に詩を書き付けた一箋が落ちている。
三八年来太平を見る 再び一八を過ぎて
五八の中の南と北 八王の取り次ぐを自ら
▼詩意は不詳、晋建国からの年数などを調べれば意味が取れると推測されるが、八王の乱を予言する詩にすぎない。
齊王はこの詩を見て大いに愕き、鬱々とした気分で洛陽に戻った。すると、近侍の者が次のように報告する。
「昨日、洛陽城の東北で広さ一里(約560m四方)ばかりの地が陥没し、その穴中より二羽の
齊王が見てみようと東海王の許に使いを出すと、使いが戻って報告する。
「どこかに飛び去ってしまったようで、姿がありません」
この頃は、このような怪異が毎日のように起こっていたことであった。
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