第779話 ジュリア

 ジュリアは、座ったままのオレを背後から抱きしめた。

「あ!」

 思わずオレは身体を硬くしてしまった。

 一気に胸が高鳴った。

「ちょっ、ジュリアさ…ん!」

 香水なのだろう。頭がクラクラしてくるほど良い匂いだ。

「龍児様! お身体は大丈夫ですか?」

 ジュリアが耳許で甘く囁いた。

「え? 平気ですよ! このくらい……!」

 M機関での過酷な訓練に比べれば、こんなイジメなどモノの数ではない。




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