第301話 愛してます

「何、どうしたの?」

 全身から汗が滲んできた。ゴクリと生ツバを飲み込んだ。


「お母さん!!」

 意を決し、

「ボクを産んでくれて……、ありがと……」

 頭を下げた。


「え……?」

「今まで、言えなかったけど…、ボクは、お母さんを……」

 ジッと、目を見詰めた。

「誰より愛してます……」

 やっと言えた。

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