第272話 母親との記憶

 夜になりボクは母親の隣り布団を敷いて寝た。


 幼い時、以来だ。ほとんど、記憶にないくらい昔の事だ。


「そう言えば、ショー、怖い映画を観た時、寝れないって私の隣りで寝たわよね。覚えてるゥ…?」

 母親が言った。


「うん、昼間、観た時は、全然、怖くなかったのに…、夜、寝る時になって目を瞑ると……怖くなって」

 《続 猿○惑星》のラストで未来人たちが覆面を脱ぐシーンだ。今、見たら呆れるくらい見えみえの特殊メイクだ。


「フフ…、そんな事もあったわね……」


「うん……」

 懐かしい母親との記憶だ。


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