第82話 美少女にも見える

 ボクは軽く戦慄を覚えた。契約って、何だ。

 いったい、このロックという美少年は何者なんだ。


 いや、そもそも性別さえも不明だ。本当に美少年なのか、見ようによっては、美少女にも見える。それほど綺麗な顔をしていた。


 大きく青い瞳が妖しい光りを放っていた。胸がドキドキしてきた。

 バカな……? どうして、ボクはロックを……


「あの…、母が出掛けたら、すぐに連絡するよ」ボクは掠れる声で言った。


「フフ…、わかった」ロックは微笑んで頷いた。

 アリスは困惑したような表情でボクを見詰めていた。


 ボクは、き立てられたように家へ向かった。



 


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