第69話 【創作論】ウィズ・コロナ時代の小説表現
勤め先の本屋が緊急事態宣言で臨時休業になってしまって、最近やっと再開したんですけど( https://kakuyomu.jp/users/kuronekoya/news/1177354054897218833 )、それでふと思ったわけです
今や外出時にマスクをするのはドレスコードみたいなもの
家の外で口元を出すのは、男性なら無精髭を生やしたまま、女性ならお化粧せずにすっぴんで人が集まるところへ外出するようなもの
いつまで続くかわかりませんが、そんな時期に「ニヤリと笑う」表現を「口角を上げる」と書いても、読者には伝わっても、作中の相手には伝わりようがないよな、と
我々小売業の販売員は、「笑顔は筋肉、常に口角を上げて」と指導されているわけですが、ぶっちゃけマスクの下で口角だけ上げてもお客様にはこっちが笑顔かどうかは伝わらないのですよ
接客的には今必要なのは「目尻を下げる」かな? と思うんですが、小説の中でそれをやると、おじいちゃんが孫娘を見ているような雰囲気で、ちょっと(どころではなく)ニュアンスが変わっちゃうんですよね
あと、ソーシャルディスタンス!
だんだんと(主に男女が)仲良くなっていく過程で、「手を握る」という行為のハードルがすごく上がっちゃったと思うんです
リモートワークだ、遠隔授業だで、そもそも男女が物理的に近くにいる機会が減っている上に、近くにいたらいたで距離感を詰めていく方法論は今まで通りでいいのだろうか? いや、たぶんよくない(弱気な反語表現)
今は、3ヶ月前の初めてのキスくらいの覚悟を持って、初めて手を握るような距離の詰め方であるべき
キスなんて、お泊りくらいの覚悟が必要な「濃厚接触」ですよ
男女の関係に限らなければ、たとえばスポーツ
私、学生の頃バドミントンやってたんですけど、試合前に握手をするの、もしかしたらこの先その慣習はなくなってしまうかもしれない
そんな風景を描いて見せて欲しくて自主企画を立ち上げたのでした
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