「この〇〇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

「あれ? プラスちゃん。キノコ、キライだった? 好き嫌いしていると大きくなれないゾ」


「このハゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


「ハゲ? はは、そんな人どこにもいないけど。……じゃあこの、山菜のゼンマイっぽいやつがいい?」


「ちーがーうーだーろ! ちがうだろ!! バカかアンタは!」


 ――ボコッ。


「痛っ。ちょ……」


「アンタが受けた痛みがなんだ!」


 ――ボコッ。


「いや、あのステッキで、叩くのは……痛っ」


「は? アンタがどんだけ、ボクの心を叩いてる! わかってないよ!」


「いえ……それは十分」


「ちょっとでも、いいヤツだとおもった、ボクが甘かったよ! 自己嫌悪だよ! マジで魔王倒さないと、アンタはともかく、ボクは女神界にもどれないんだから!」


「……う、うん」すごい怒っている、ストレス溜まってるなぁ、プラスちゃん。


「これ以上、ボクからの評価をさげるな!」


「……はい」


「これ以上、ボクの心を傷つけるな!」


「……はい」


「もう、アンタが1人で魔王を倒してこいよ! 今日中に!!」


「今日中て……。それは……ちょっと」


「ちょっと? なんだよ?」


「……ムリじゃないかな、と。――んじゃ!」


 オレはその場をダッシュする。


「あ、逃げるかカイト! 話はまだ終わってない!! まて底辺!!」


 走りながら、首だけで振り返ると、ステッキを振りかざし、全力でオレを追いかけてくるプラスちゃん。あーなんか……。こういうの、幸せだなぁ。


 よかったね……元気になって。

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